2001年10月20日(土)

バーガンデイナイト12
今月のテーマは『ニュイ・サンジュルジュ』。真打ちには、アンリジャイエの76年が登場。 ワインはいつも通りF木師匠より。 なお、飲んだ順序は間違っているかもしれません。

銘柄 ムルソー・ポリュゾ90(エミール・ジョバール)
感想

やや麦ワラ色がかった濃いめのイエロー。香りはじゃこうやキノコ、熟したグレープフルーツなど。味わいはまず、蜜のように濃縮した果実味が感じられ、それと併行するように伸びやかな酸が広がる。最初その酸がやや立ち気味に思われたが、時間とともにバランスがよくなり、すばらしい味わいになった。余韻も長く、すばらしいシャルドネだ。【88】

銘柄 ニュイサンジュルジュ・レ・ヴォークラン96
(ベルトラン・アンブロワーズ)
感想 エッジにピンクがかった濃いルビー。カシス、ブラックチェリー、ヨード。力強く濃厚な果実味のアタック。酸はしっかりしていて、タンニンはややドライで目立つ。各要素が力強く拮抗しているのだけど、全般にまだ硬く角を残したような味わいだ。数年後に再会するのがたのしみ。【85】
銘柄 ニュイサンジュルジュ・レ・ダモド96
  (レシュノー)
感想 ダモドにはプリミエクリュと村名とがあるが、この銘柄は村名。輝きのある濃いルビーでエッジはピンク。品のよいバニラとなめし革、少し火を通した赤系果実、ミネラル。味わいはなめらかな果実味の第一印象。酸が豊かでタンニンも豊富だが、各要素がなめらかに溶け込んで洗練された上品な味わいを見せる。もちろんまだ硬さは残っているが、すでに心地よく飲める。【85】
銘柄 ニュイサンジュルジュ・レ・カイユ96
  (レシュノー)
感想 こちらは同じ作り手の1級。濃いルビーでエッジにピンクが見える。少し火を通した赤系果実、オレンジピール、それにさまざまなスパイス。味わいは豊かな果実のなめらかなアタック、酸は伸びやかでタンニンは木目細かくなめらか。果実の甘味が中盤から乗ってきて、各要素がしっかりしているわりに角がとれており、今でも美味しく飲める。レ・ダモドより確実に1ランク上の味わい。【87】
銘柄 ニュイサンジュルジュ・レ・ミュルジェ76
 (アンリ・ジャイエ)
感想 輝きのある色調のオレンジガーネット。赤系果実のコンフィ、干し草、ナツメグなどのスパイスややバルサムっぽい香り。味わいはミディアムボディで、透明感のある果実味はやや力強さを失っているものの、酸はしなやかで、タンニンもよく溶け込んで、バランスは悪くない。ただ、古酒っぽさはあまりなく、その一方で果実味はかなり枯れてきているので、ちょっと印象が弱いのは否定できない。もう少し早く飲みたかった、というのが正直な気持ち。【89】
銘柄 ニュイサンジュルジュ・レ・サンジュルジュ95
  (ドミニク・ローラン)
感想 やや濃いガーネットでエッジにはオレンジが見える。チェリーやラズベリーのシロップ漬け、なめした革やスーボワ、それにバニラのニュアンス。味わいは豊かな酸に彩られた果実味の第一印象。タンニンも豊かで質感があって、それらがよくバランスされている。若いときには目立ったであろうバニラのフレーバーがだいぶ落ち着き、今は大変よい表情。ただ、時間とともにやや乾いたタンニンがフィニッシュに目立ちはじめたのが玉にキズ。【88】
銘柄 ニュイサンジュルジュ・レ・ダモド90
 (ジャイエ・ジル)
感想 濃いガーネットで、エッジにオレンジの色調。シロップ漬けにしたダークベリーやカシス、なめし革、バニラ、中国のスパイスなどの陶然とするような香り。味わいは濃縮感のある果実味のアタック。口中でのふくらみがあって、よく熟して溶け込んだタンニンとしなやかな酸とが力強いバランスを見せる。さすが良年らしく、すばらしい味わい。【91】

さて、ここからは恒例の差し入れ&ブラインド。
銘柄 ブラインド(U保店主より)
感想 中程度のイエローで、全般にグリーンが買った色調。柑橘系の果実、ハーブ、ミネラル。溌剌とした酸がすばらしく、ハーブっぽい若々しい果実味もあって、しょっぱい位のミネラル感。ギュファン・エナンのマコンあたり?

→オー・コート・ド・ニュイ・ブラン99
(メオ・カミュゼ)
銘柄 ブラインド(S田課長より)
感想

やや薄めのイエロー。かすかにグリーンがかった色調。シトラス、レモン、ミネラル、それにハーブ。こちらはさらにキレのよいフレッシュな酸。果実味はみずみずしく、繊細な一方、ふくらみもあっバランス良好。NZあたりのよくできたソービニヨンブラン。

→シレックス99
 (ディディエ・ダグノー)

銘柄 ブラインド(Y君より)
感想

濃いルビーでエッジは紫。ダークチェリーやオレンジピール、それになめし革や独特なゴムっぽい香り。味わいは力強く濃縮した果実味が印象的で、酸は豊かでタンニンもねまらか。全般にやや苦味がかったようなところがある。これはカレラじゃないの?

→リンコーン&ローズマリービンヤードPN99
(オ・ボン・クリマ)

銘柄 ブラインド(YOHさんより)
感想 濃いガーネットでエッジはピンクの色調。ハーブ、カシス、ダークチェリー、それにスパイスや土っぽい香り。なめらかでネットリした果実のアタック。酸がしっかりして、タンニンはやわらかく熟して溶け込んでいる。若いけど、すでに角がとれて美味しい。右岸。97のポムロール?

→Ch.ラフィットロトシルト98  な、なんと!
銘柄 ブラインド(まーやんさんより)
感想 ややレンガの見える濃いめのオレンジガーネット。オレンジピール、赤系のドライフルーツ、さまざまなスパイス。強めで華やかな熟成香だ。味わいはタンニンがやや乾いているが、果実味のドライに濃縮されて残っている印象。この華やかな熟成香はイタリアでは?80年代半ばのサンジョベーゼとか。

→Ch.カロン62
※サンテミリオン衛星地区の銘柄とか。
銘柄 ヴォーヌ・ロマネ・マルコンソール69
感想 S田課長よりおすそわけ。中程度のオレンジガーネットでエッジにややレンガ。赤系果実のリキュール、オレンジピール、干し草、スパイス、スーボワ。とてもすばらしい熟成香だ。味わいはやわらかくそれでいて濃縮感のある果実味の第一印象。酸はしなやか、タンニンはよく溶け込んで、心地よい果実味のフィニッシュ。きれいに熟成したすばらしいピノ。【88】

ふう。よく飲みました。
なんだかこの日は、ラフィットとかシレックスなど、 差し入れワインもすごかったなあ。 それにしても、またまたブラインドは外しまくって、お寒い限りです。(^^;