2001年9月22日(土)

疑惑のワインビッド会
およそ1年ぶりに訪れた六本木小田島で開催された今日のワイン会は、日ごろワイン会には持参しにくいような「出所や状態の疑わしいボトル」を集めて飲んでみようという趣向。出席者は、YOHさん、うえはらさん、世田谷太郎さん、まーやん、shuz&shuz妻。中心となったのは、日ごろ品質に疑問の声が相次いでいるUSオークションもの。経験的に言って、当たる確率は5割ぐらいかと予想していたが、ふたをあけてみれば…。

銘柄 ゴッセ・グランロゼ
感想 YOHさんより差し入れ。美しいサーモンピンク。チェリーやラズベリー、それにフローラルな若々しい香り。泡は細かく勢いがある。みずみずしい果実味と溌剌とした酸による健康的なシャンパーニュ。
銘柄 ドン・ペリニョン75
感想 世田谷太郎氏持参。ワインビッドUKもの。中程度のイエローで、泡は細かく、この年代のものにしては意外ほど勢いがある。香りは軽く焼いたトーストや焼きリンゴ、マロン、それに軽いシェリー香。味わいはやわらかい果実味と豊かでしなやかな酸、それに炭酸の爽やかさが渾然一体となり、すばらしい状態。時間が経つと、マロングラッセのような香りが立ち込めて、陶然とさせられる。一ヶ月前に信濃屋の試飲会で飲んだものよりずっと状態は良好だった。【93】
銘柄 コルトン・シャルルマーニュ85
(ボノー・デュ・マルトレイ)
感想 私の持ち込み(家内分)。YAHOOオークション。やや麦わら色がかった濃いめのイエロー。香りは最初強めのじゃこう臭が支配的で、時間をたっぷりとると、レモンなどのカンキツ系や、バニラ、ミネラルなどの香りが開いてくる。味わいはまろやかな果実味の第一印象。口中での広がりは期待していたほどではないが、酸はなめらかで質感があり、上品なバランスを形成している。フィニッシュにはややナッティなフレーバーが加わる。以前「バーガンディナイト」で飲んだものに比べるとコンディションは劣るが、当日持参というハンデを考えれば、まあこんなものでしょう。【86】
銘柄 ブラインド
感想

うえはらさんより、飛びいりで一本。
エッジにピンクがかった濃いルビー。赤系果実のコンフィ、バラ、バニラ、それにさまざまなスパイスも感じられる。まだ若そう。味わいは力強く凛とした酸のアタック、果実味はクリーンだがまだ芯を残した印象で、タンニンも強固、なんとまあ力強い構成か。飲み頃にはまだかなり早い印象。タニックなところからして、95年あたりのニュイ。メオカミュゼ?ルロワ? 【92?】

→正解:ミュジニー・ヴィエーユ・ヴィーニュ90
  (コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ)
ひええぇぇ。こんなワインを飛びいりで、しかもブラインドでなんて、おそれ多すぎます。(^^;
ちなみにワインビッドで落札したものとのことだったが、状態は問題なしだった。

銘柄 グラン・エシュゾー87(D.R.C)
感想 私の持ち込み。ワインビッドUS。エッジがはかなく、グラデーションが美しいやや濃いめのガーネット。赤と黒の中間位の果実のリキュール、シナモンなどのスパイス、ファンデーション、紅茶。味わいは甘酸っぱく心地よい果実味のアタック。広がりや凝縮感はほどほどだが、各要素のバランスが良好で、フィニッシュまで甘酸っぱい果実味が持続するところは、まさにブルゴーニュの鑑。アフターにややタンニンが残るのが残念。コンディションはベストではないが、悪いというほどではない。
【89】
銘柄 サッシカイア82
感想 エッジにオレンジの見える濃いガーネット。カシスやブルーベリーのシロップ漬け、スパイス、それに心地よいスーボワ。味わいは静謐ともいえる果実味の第一印象。酸はしなやかでよく調律されており、タンニンはすっかり溶け込んでいて、それでいて酒質が豊かで品があり、すばらしいバランス。フィネスがある。私のグラスは最初かすかにほこりっぽい雑香あったが、違うグラスに移し変えたら消失した。味わいのすばらしさは今日一番といってよいレベル。【93】
銘柄 Ch.ムートンロトシルト66
感想 ドンペリに続き、世田谷太郎氏より。ワインビッド。しかも当日持参ということで、状態が心配されたが…。
エッジにはっきりオレンジの見える濃いガーネット。カシスなどのややドライになった果実、ダージリン、ワラ、それになんともいえないスーボワ香。味わいはじんわりと染みいるような果実味。、酸はやわらかく、タンニンは溶け込んでエレガントでしなやかな味わい。やや余韻が短い以外は非の打ち所がないすばらしいボルドー。状態は驚くほど良好。
【92】
銘柄 Ch.ラフィットロトシルト62
感想 まーやんさん持参。オークションではなく、松澤屋で購入のものとのことだが、本人は「コルクが盛り上がって液面も低いので…」と心配顔。ややレンガのニュアンスの見える中程度のオレンジガーネットで、エッジは透明になっている。香りはほのかなバラのエッセンスやファンデーション、赤系果実のリキュール、黒ミツなど、すっかり古酒の表情を見せている。味わいはミツのような甘い果実の第一印象。酸はしなやかでタンニンは溶け込んでいる。66ムートンほどの酒質のしっかり感はないが、心地よく熟成した、しんみりと繊細な味わいがすばらしい。コンディションは良好。【91】
銘柄 Ch.ラフィットロトシルト96
感想 うえはらさん2本目のワインはRP100点の96ビンテージ。ワインビッドで落札されたものだけど、輸送の手違いにより、税関などで数日高温下におかれたものだそうだ。色はエッジにピンクの色調が見える濃いガーネット。カシス、ブルーベリーのシロップ漬け、丁子、ナツメグ、黒鉛、それにややバルサムっぽい香り。味わいは豊かな酸と濃縮感のある果実味の第一印象。中間部に力強い広がりがあって、フィニッシュには甘苦い果実味とココアっぽいフレーバーが感じられる。相変わらずスゴイワイン。かなり酔ってたことをさしひいても、私には熱の影響は判別できなかった。これだけ酒質が強いと、少しぐらいの熱ではびくともしないということか。【92】
銘柄 クロ・サン・ドニ89(デュジャック)
感想 なんだか私の持参したものが見劣りして申し訳ないので、もう一本開けさせていただいた。ワインビッドUS。中程度のガーネットで、エッジは透明になってきている。トップノーズからこれぞデュジャック、というような、バラのエッセンス、ファンデーション、赤系果実のリキュール、プラム、シナモンなど、まさに香りの洪水。味わいはミディアムボディでなめらか。透明感のある果実味がすばらしく、酸がやや緩い気もするが、タンニンはよく溶け込んで調和のとれた甘酸っぱいフィニッシュをもたらす。味わいの濃縮感という意味では過去に飲んだ90クロ・ド・ラ・ロッシュの方が上手だったが、香りの開き方ではこれが一番かもしれない。【93】
銘柄 お店よりブラインド
感想

中程度のイエローで、やや黄緑の色調。レモン、柑橘系の果実、白い花、バニラ。少しおくと洋ナシっぽい熟れた果実香も。味わいは溌剌とした酸とみずみずしい果実味があって、素直に美味しい。バランスのよい白。ボルドーでしょう。ブラン・ド・ランシュバージュ。

正解:ドメーヌ・ド・シュバリエ99
ごちそうさまでした。

う〜む、二本に一本まともであればばよいぐらいかな、と思っていたが、蓋を開けてみれば、 ハズレはゼロ。日ごろの持ち寄りワイン会でもこうはいかないのに…。(笑)
それどころか、状態は完璧といってよいものすらあり、ワインビッドの検証のはずが、思わぬゴージャスワイン会になってしまった。

結論;ワインビッドはすばらしい…って、ホントか??(笑)