2001年9月13日(木)〜

日時 2001/9/22
信濃屋の月イチ試飲会。
   
銘柄 ペンフォールズ・グランジ
産地
96
エッジが赤紫のとても濃いガーネットで、中心に黒味がかかっている。香りは濃厚なブラックチェリー、バニラ、ビターチョコ、焼き栗、ユーカリ、八角などのスパイス。味わいは力強い酸と豊かな果実味の第一印象。味わいはまだかなり固めで複雑さも出ていないが、そんな中でもみずみずしく甘い果実味となめらかで緻密なタンニンのおかげで、今でも美味しく飲めてしまう。今まで飲んだ若いビンテージに比べて、やや酸が強めな印象がある。フィニッシュには層をなすようなぶ厚く甘苦いフレーバー。【87】
81
これは、今年の6月のワイン会に持参して、あまりの味わいの若さに疑惑を抱いたものと同じビンテージ。
黒みがかった濃いガーネットで、エッジはきれいなオレンジになっている。しかしまだまだ力強い色合い。香りはカシスやダークチェリーのリキュール、ヨード、ややひなびた干し草のような香り、スーボワ、それに中国系のスパイス。熟成したボルドーを彷彿させるしなやかですばらしい香りだ。 味わいはやわらかい果実味のアタック。酸はしっかりしており、タンニンは乾いていて、フィニッシュにかなりの収斂味を感じる。きれいに熟成しているが、各要素のまとまり感がイマイチの印象。【88】
それと、不穏当なようだが、これを飲んで再び私は「6月に飲んだボトルは『贋物』だったんじゃないか」との疑念を感じざるをえなかった。この件はいずれコラムにて。
   
銘柄 Ch.ラフィットロトシルト98
産地 仏>ボルドー>メドック1級>ポイヤック村
コメント 濃いめのルビーで、エッジは赤紫。フレッシュなブルーベリーやカシス、ハーブ、杉の木、ココアパウダー。味わいはまだ若く、アタックは硬く閉じて厳しい印象だが、口中でころがしていると果実味がじんわりと広がってくる。酸は堅牢でシャキッとしており、タンニンもよく熟してきめ細かく、全体の構成はパワフルではないが、充分な濃さがあって中庸を得たバランスをキープしている。飲み頃にはもちろんまだ早く、今飲むのならば時間をかけて飲みたい。【90】

日時 2001/9/19
銘柄 ジュブレイ・シャンベルタン・ラヴォー・サンジャック92
(ルネ・ルクレール)
産地 仏>ブルゴーニュ>ジュブレイシャンベルタン村1級
購入店 蔵太郎
価格 3000円(オープン特価)
コメント エッジがはかない色調になったオレンジガーネット。香りはモワッと来るような熟成香。ややドライになった赤系フルーツ、なめした革、小梅、ウーロン茶、干し草、バニラ。兄弟のフィリップと違って新樽比率が少ないはずなんだけど、しっかりバニラ香を感じるところが不思議。味わいはネットリとした果実味としっかりした酸による甘酸っぱい第一印象。中間部では果実味に甘味が出てくる。構成には凡庸な年とは思えないほどの力強さがある一方で、まさに熟成モードにさしかかったかのようなひなびたニュアンスも感じさせる。ほどよい熟成感のあるクラシックですばらしいピノ。やや乾き気味のタンニンと時間とともに強く、ダレ気味になる酸が残念といえば残念だけれども、この価格なら文句は全くない。【86】

日時 2001/9/18
銘柄 アートシリーズ・カベルネソーヴィニヨン95
(ルーイン・エステート)
産地 豪>ニシオーストラリア>マーガレットリヴァー
購入店 信濃屋で購入後、約1年寺田倉庫にて保管。
価格 5000円弱
コメント 中心に黒みがかった濃いガーネットで、エッジはまだ紫色すら残っている。香りはトップノーズにホコリっぽい異臭。うーん、これはいけない。少しおくと、ブラックベリーや、丁子などのスパイス、それにココアっぽいロースト香が感じられるようにはなるが。味わいはやわらかい果実味とやや強めの酸のアタック。タンニンは実に豊富で、粉っぽく収斂性がある。各要素ががっちり四つに組んだようなワインで、現時点ではかなり内向的でタニック。フィニッシュにはココアっぽいニュアンスが感じられる。ただ、全般を通じて、どうにもホコリっぽいフレーバーが感じられるのが大きな減点ポイント。コンディション不良か。【?】
感想 若い頃の果実味が消えて熟成モードに移らんとする頃合いに、どうにもホコリっぽい香りやフレーバーが気になるワインに出くわすことがある。経験的にカベルネ系に多いようなんだけど、これっていったい何が原因なのだろうか?このワインもほんの一時期、セラーからはじきだされて押し入れの中に入れていたことがあったのだけど、そのにおいが移ったんだろうか?

日時 2001/9/15
この日は東急のジョルジュ・ルーミエ、メオカミュゼらのセール。元々朝から行く気はなかったのだけど、午後に渋谷に行ったついでに覗いてみたら、ルーミエなどは村名、ACブルに至るまで、影も形もなくなっていた。聞いてみると、一番早い人は前の晩の6時から並んでたとか。ごくろうさまです。
   
銘柄 コルトン・シャルルマーニュ99
(ジャン・クロード・ベラン)
産地 仏>ブルゴーニュ>コルトン村特級
コメント 全般にグリーンがかった濃いめのイエロー。香りはレモンや若いグレープフルーツのようなカンキツ系の果実、ミネラル、ハーブや青草っぽいニュアンス。しばらくおくとナッツっぽい香りも。味わいはなめらかでスマートな果実味、濃縮感はそれほどでもないが、伸びのある酸による縦への広がりがあって、中盤以降果実の甘味とナッティーなフレーバーが出てくる。みずみずしい果実味と質の高い酸とのバランスが光るエレガントなシャルドネで、余韻の長さはすばらしい。
【86】
   
銘柄 シャンボール・ミュジニー・レ・シャルム99
(アミオ・セルヴィル)
産地 仏>ブルゴーニュ>シャンボールミュジニー村1級
コメント エッジに紫がかった濃いルビー。香りは閉じている中に、赤系の果実や丁子などのスパイス、赤身肉、ミネラルなどのニュアンスが見てとれる。味わいは香りに比べるとずっととっつきやすい。果実味はやや芯を残したような硬さはあるが総じて滑らかで、濃縮感も充分にあって、それでいて、しなやかな酸のおかげで凛としたところもある。やや繊細さにはかけるが、モダンな作りのコストパフォーマンスのよいピノだ。(ちなみにお値段は4千円台) 【85】
   
銘柄 マジ・シャンベルタン99
(コンフュロン・コトーティッド)
産地 仏>ブルゴーニュ>ジュブレイシャンベルタン村特級
コメント 中心に黒みがかった濃いルビーで、エッジは鮮やかな紫色。香りはブラックチェリーなどの果実のシロップ漬け、深煎りのコーヒー、それに赤身肉やミネラルのニュアンス。味わいはやわらかな果実味と力強い酸のアタック。果実味は中盤に甘く広がり、タンニンはやや粉っぽく、フィニッシュに収斂性を残す。当初強めに感じた酸は時間とともに落ち着き、バランスはよくなる。力強く濃厚なピノだけど、ちょっと飲み疲れするかもしれない。【84】

日時 2001/9/14
銘柄 レチナイオ95(サンジェルバーシオ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 土浦鈴木屋
価格 3150円
コメント 中程度の褐色で、エッジは透明になっている。香りはカラメル、紅茶飴、シナモンにユーカリやハーブのような複雑でベジタルなニュアンス。味わいは甘く透明な果実味と伸びのある酸、それに独特の塩辛さが絶妙なバランスを保って、コッテリとならずに、抑制感のある洗練された甘さを形成する。冷やしてもよし、高めの温度でもよし。ただ、ちょっと余韻が物足りないかな…。【85】
感想 週末ということで、晩酌に前日のグリュオラローズを飲んだあと、ヴィンサントを開けてみた。この銘柄は、96ビンテージの大成功により、今やトスカーナを代表するヴィンサントの地位を獲得しているとか。今回飲んだ95年は初ビンテージということもあり、期待したほどではなかったが、透明感のある甘さと独特のショッパさのバランスなどにその片鱗が伺えた。ところでヴィンサントといえば、某所でちょこっとご馳走になった、サン・ジェスト・ア・レンテンナーノのものが、目からウロコが落ちるほどの美味しさだったんだけど、どこかで売ってないかと探している今日この頃である。

日時 2001/9/13
銘柄 Ch.グリュオラローズ93
産地 仏>ボルドー>メドック2級>サンジュリアン
購入店 やまやで購入後3年弱セラー&寺田倉庫に保管
価格 4980円(当時)
コメント

グリュオラローズはワインに凝り始めた頃によく飲んだ、いわば私にとってのルーツのような銘柄。セラーを購入した時にまとめ買いしたものがまだ何本か残っているので、そのうちの1本を開けてみた。エッジにオレンジの見える濃いめのガーネット。香りはややドライになったカシスやブルーベリーなどの果実、丁子などのスパイス、それに腐葉土っぽい香りやココアっぽいぽい香りも。味わいはやさしい果実味のアタック、酸はバランス的にやや高めで、チャーミングなミディアムボディの構成。飲み口はやさしいが、後味に木質的な乾いたタンニンが残る。香りに最初やや湿ったダンボールのようなニュアンスがあったり(デキャンティングにより消失)、酢酸を感じさせる危うげなフレーバーがあったりと、お世辞にも状態はよいとはいえないが、それでも、1、2年前に比べると着実に熟成が進んでいるのが分かって興味深かった。【83】