2001年8月5日(日)
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平野弥勉強会
この日は猛暑も一段落、しのぎやすい陽気の中、平野弥の勉強会に行ってきた。店主の渡仏を控えて、この日が最後の勉強会。 テーマは99のブルゴーニュの検証。


本目

鮮やかな紫色がかった中程度のルビー。カシス、オレンジピール、白コショウやシナモンなどのスパイス、それに樽からのロースト香。味わいは豊かな酸のアタックがあり、アルコール度は高め。果実味はみずみずしく、最初やや閉じこもりがちだったが、徐々に開いて心地よい味わいになる。タンニンは総じてよく溶け込んでいる。全体の構成は大きくはなく、やや緩めのストラクチャー。【80】

さっぱりわからない。シャンボールミュジニーあたり?
感想
ジブリー 1er Cru クロ・デュ・セリエール
 ・オー・モワンヌ(ドメーヌ・ジョブロ)
2本目
エッジに紫がかったやや濃いめのルビー。カシス、ダークベリーのシロップ漬け、ジビエや革っぽい香り、それにエスプレッソのような樽香。 味わいはなめらかで凝縮感のある果実味の第一印象。酸は豊かで丸く、タンニンも豊富で、各要素がしっかりしている。フィニッシュにはコーヒーっぽいフレーバーが加わる。【82】

コート・ド・ボーヌだと思うんだけど…。アロース・コルトンあたりの作り手?
感想
サヴィニー・レ・ボーヌ 1erCru レ・クルー
(モーリス・エカール)
平野さんのコメント。 99年は良年と言われるが、収穫量が多かった年でもある。収穫を多めにしてしまった生産者のものは、期待よりも薄っぺらなワインになった。一方きちんと収穫を抑えた生産者からは、果実のよく熟した凝縮感のあるワインが出来た。今回の例では、ジョブロのジブリは薄っぺらくなってしまったタイプ、モーリス・エカールは成功したタイプ。
3本目
黄緑がかった中程度のイエロー。白桃、洋ナシ、白い花、奥からじゃこうっぽいニュアンス。味わいは、もぎたてのフルーツのようなフレッシュ感のある力強くみずみずしい果実味がアタックから広がる。甘い。果実本来の健康的な甘さ。酸は豊かだが、角がとれていて丸く心地よい。ギュッと詰まったような凝縮感はないが、口中で十分な広がりがあり、バランス良好。表情豊かで健康的なシャルドネ。【86】
ピュリニーではないとして、ムルソー?ちょっと違うような。マコンあたりの秀逸な作り手?もしくは意表をついてボーヌの白とか…
感想
シャサーニュ・モンラッシェ・1erCruシェネボット
(ベルナール・モロー・エ・フィス)


言われて、ああそうだ、シャサーニュを忘れていたと納得。ブラインドで当たらないのはまだよいとしても、この間違え方はかなり、悔しい。
4本目
平野さんが、ご自身で飲んで確かめてみたいということで出された銘柄。 エッジにややオレンジの色調が見える明るめのガーネット。 赤系のコンフィ状の果実、シナモン、バニラの樽香、オレンジピール、それにややゲーミーなニュアンスが絡まるように混ざって官能的な香りを放つ。 味わいはなめらかで甘酸っぱい果実の第一印象。一本ピンと筋が通ったような酸があって、タンニンもなめらか。しかし、肝心の果実味が、中盤に思ったほど広がらない。フィニッシュにも透明感のある酸と果実味が感じられ、余韻は細いが長い。【84】 秀逸でクラシックな生産者のものだが、果実味の広がりが今ひとつで良年ではなさそう。熟成が始まっているが、バニラ香がしっかり残っていることを考えるとそれほど古くないか。アルマン・ルソーのクロ・ド・ラ・ロッシェ、94年ぐらい?
感想
クロ・ド・ラ・ロッシェ96 (デュジャック)

言われてみれば、ネットリと絡みつくような芳香はたしかにデュジャックのものなんだけど、96年という良年なのに、この果実味の希薄さはどうしたことだろう。近年のデュジャックはかなりつくりの傾向が変わってきたと聞くが、ちょっと96年のこの出来は疑問だ。