2001年7月28日(土)
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バーガンディ・ナイト11

一ヶ月ぶりのバーガンディナイト、今回は待ちに待ったムルソーの、いや、ブルゴーニュの白の最高の作り手のひとり「コント・ラフォン」。これだけの数のラフォンを飲めるなんて、そうはない機会だ。ワインは恒例のF木師匠のストックより。

銘柄 ムルソー(コント・ラフォン)
97 やや麦わら色を帯びた濃いめのイエロー。(以下色は省略)
熟したグレープフルーツやカリン、ミネラルなどのフレッシュな香り。なめらかな果実味の第一印象。口中でやんわりと甘味が広がり、力強くはないが、ミネラルのフレーバーに富んだやわらかい酒質。フィニッシュも調和がとれていて、余韻は太くはないが長く尾を引く。品格のある仕上がりだけど、全体の輪郭がややぼやけているような気がする…。 【86】
96 より爽やかなレモンや柑橘系の果実、ミネラル、バニラの香り。味わいはなめらかな果実味のアタック、しょっぱいほどのミネラルのフレーバー、酸も豊かでバランスよく、97年より濃縮感と味わいの立体感がある。【87】
銘柄 ムルソー・クロ・ド・ラ・バール(コント・ラフォン)
94 黄桃、ミネラル、バニラなどの香り。味わいは甘酸っぱい果実味の第一印象。酸はしなやかで、凝縮感や広がりはあまりないが、バニラのフレーバーとともに果実の甘味が上品に口中を満たす。フィニッシュにはかすかに苦味もあって余韻は長い。【87】
91 黄桃、バニラに加えて、ヘーゼルナッツやじゃこうなどの熟成したニュアンスがまざる。意外なほど濃縮感のある、力強い果実味、酸も豊かでしっかり感があり、大きくグラマラスな構成。ただ、難をいうときめの細かさや繊細な魅力には乏しい気も…【88】
89 黄桃、ヘーゼルナッツ、バター、バニラ。いかにもムルソーというような香り。味わいは甘くヘーゼルナッツっぽいフレーバーを伴った果実味の第一印象。酸はやや太めだがしなやかで、バランスもよく、口中での広がりも充分ある。フィニッシュはややオーキー。今ちょうど飲み頃。【90】
85

ヘーゼルナッツやバター、じゃこうなどの濃厚な熟成香の奥から黄桃、アンズ、ハチミツなどの香り。味わいは豊かな酸の第一印象。コッテリした酒質で、口中で濃縮された果実味がハチミツっぽい甘味を伴って広がる。グラマラスなシャルドネだが、酸がしっかりしているところが長命の秘訣だろう。ただ、開けてから変化は早かった。【90】

銘柄 ヴォルネイ・サントノ・デュ・ミリュー97(コント・ラフォン)
感想 エッジにややピンクの色調が見える濃いルビー。シロップ漬けにした赤系の鮮やかな果実香やフローラルな香りに加えて、石灰、シナモンや白コショウなどのスパイス。味わいはややまだ硬さの残る果実味のアタック、酸は凛としていて、タンニンはなめらかで豊か。構成のしっかりしたピノで、今飲むのはまだもったいない印象があるが、熟成するとすばらしいものになりそうだ。【86】
銘柄 ブラインド1本目
感想 濃いルビーで若々しい色調。オレンジ、赤系果実、ややハーブ、それに独特の汗臭い香り。味わいはややハーブっぽいみずみずしい果実味、酸はしなやかで丸く、口中にたっぷりと表情豊かなフレーバーが広がる。
ローヌ。98〜99のヌフパプかジゴンダスあたり?

→正解:サンジョゼフ99(ダール・エ・リホー)
銘柄 ブラインド2本目
感想 ピンクがかったやや濃いめのルビー。イチゴ、ラズベリー、シナモン、それにミルキーな樽香。味わいはバニラっぽいフレーバーを伴った果実味の第一印象。タンニンはなめらかだが豊富で、酸がバランス的にやや目立つ。
ずばりメオカミュゼでしょう。99の村名?いや、それにしちゃタニックだなあ。98のヴォーヌロマネあたり?

→正解:ジュブレイ・シャンベルタン98(クロード・デュガ)
※このあと、比較にと、U保店主がメオの99ブルを出してくれる。赤系果実中心のなめらかなフレーバーで、タンニンもなめらかだが、凝縮感は思ったより乏しい。もちろん美味しいけど。
銘柄

ブラインド3本目

感想

まーやんさんより。エッジが透明になった明るめのオレンジガーネット。かなり古そうな色あい。紅茶、黒蜜、干したアンズななどの熟成した香り。濃縮感はないが、やわらかくデリケートな熟成感に富んだ味わい。構成要素は決して豊富でないので、下位AOCの80年代後半ぐらいでは?たとえばルモワスネの89ブルゴーニュ。

→正解:シャトー・ヌフ・デュ・パプ78(ルロワ)

銘柄 ブラインド4本目
感想

U保店主より、すごいブラインド。黄金色や麦わら色がかった濃いめのイエロー。泡は注ぎたてはシュワっと立つが、すぐに大人しくなる。アンズ、カリン、スリおろしたリンゴ。味わいはシャルドネの要素を強く感じるが、かなりコクがあり、酸もしっかりしていて、まるでシードルのような味わい。ブランドブラン。83サロン?

→正解:Extra Quality Very Dry Specail Cuvee(ボランジェ)
     NVながら、60年代に瓶詰めされたキュベとのこと。これはスゴイ!

このあともさらに、まーやんさんから二本目のブラインド出されたりしたが、私は途中棄権。

さて、コント・ラフォンだけど、今回思ったのは、91年までと、それ以降では、作り方がガラリと変わったんじゃないか、ということだ。 91年までは、コッテリとしたいかにもムルソーという作りだが、最近のものを飲むと、より柑橘系の要素が強く、味わいは力強さよりもバランスと品格をめざしたものになっているような気がする。 96年97年は村名だったけど、それでも、この志向の変化ははっきりわかった。良年の96年はもちろん、97年も調和のとれた味わいで、熟成させるとすばらしくなりそうだ。 94年は96年ほどの果実の力はないけれど、バランスがよく縦に伸びる広がりがすばらしい。以前94のペリエールを飲んだときには大層感動したものだが、さすがに畑のパワーの違いか、そこまでのインパクトはなかった。 91年はそれほど目立つビンテージでないにもかかわらず、構成の力強さには参加者から驚きの声があがっていた。 85年と89年のクロ・ド・ラ・バールはどちらも飲み頃。熟成したシャルドネのすばらしさを味わせてくれて、飲めただけでも貴重な体験だった。
ただ、ひとつだけ難を言うと、全般に国内でのラフォンの価格はちょっと高すぎる気がする。クロ・ド・ラ・バールの味わいはたしかにすばらしかったけど、単一畑とはいえ、村名のワインに、時に1万5千円を超える価格がついているのはいかがなものか。その値段を出すのなら、他の作り手のバタール・モンラッシェが買えるわけだから…。