2001年6月3日(日)
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平野弥勉強会
平野さんがフランスに行くということで、先月送別会をしたところだけど、生徒たちからの希望で、本人が日本にいるうちは勉強会を継続してもらうことになった。

銘柄 一本目
感想

色は濃いめのルビー。エッジがピンクがかって、縁へのグラデーションがなめらか。色調からするとリリース直後ではなさそう。ダークチェリー、丁子などのスパイス、ミルクチョコ、やや甘いリキュールや紅茶のようなニュアンス。味わいはなめらかな果実味の第一印象。温度が低かった最初のうちは、タンニン、酸ともしっかり感じられたが、温度が上がるとともに、果実味が前面に出てきて、凝縮感はあまりないが、たっぷりとふくよかな味わいになる。フィニッシュは比較的調和がとれていて、アフターは酸の余韻が長い。色調からして95年〜96年だと思うけど、メドックにしては、タンニンがやわらかい。右岸か?サンテミロンのプリミエグランクリュレベル?
【84】

→正解:サシカイア96
平野さんのコメント:メドックでないと感じたときに、右岸に行くのでなく、ボルドー以外を疑わなければ。このワインの酸にはイタリアっぽさが出ている。 ボルドーでいえば、サンジュリアンに近いタイプ。

銘柄 二本目
感想

ドイツワイン。どの格付けかを推測せよとの出題。
かすかに黄緑が見える濃いめのイエロー。そんなに古くはなさそうな色調。フローラルな、キンモクセイなどの黄色い花、熟したアプリコットやリンゴの蜜の部分。重油香はあんまり出ていなくて、奥からかすかにビニールっぽいニュアンスが感じられる程度。味わいはなめらかなアタックのあと、縦にぐっと広がるボリューム感があって、蜜のような甘味が層をなすように広がる。酸がクリーンで伸びやかであり、しっかりと果実の甘味を受け止めて、絶妙な甘酸っぱい味わいのバランス。フィニッシュには長く尾をひくような果実の甘みが残る。これはすばらしい甘口ワイン。貴腐っぽさはそれほど感じられないので、アイスワインか、ベーレンアウスレーゼクラス?アイスワインだともっと色調が濃そうなので、優秀な作り手のベーレンアウスレーゼぐらいかな。【92】

→正解:ピースポーター・トレプフェン・アイスワイン93 (Joh Haat)
この酸のクリーンさがモーゼルの特徴。 ラインガウは甘さに加えてかすかな苦味がある分もっと奥行きがある。貴腐だともっと茶色っぽいニュアンスの香りがある。

銘柄 ショイレーベ・TBA94(リンゲンフェルダー)
感想

平野さんが、ブドウがショイレーベでやや格落ちするけれどもと言いながら、比較用にと出してきたワインは、ファルツ地方のトロッケンベーレンアウスレーゼ。
色はオレンジがかったアンバー。紅茶のキャンデー、アンズのドライフルーツ、オレンジマーマレード、ビニール。味わいはトロリとして噛めるような果実味のアタック。分厚い甘味が口の中でグッと広がる。酸は後半にしっかりと感じられ、フィニッシュの切れ味をよくしている。その凝縮感たるやスゴイものがあるが、酸とのバランスと言う意味では、前の銘柄の方が印象深い。 【88】

アイスワインは若いうちは酸と甘味が対立するようなところがあるが、TBAは最初から一体化している。

終了後…
銘柄 クロ・サン・ドニ94(デュジャック)
感想 贔屓のデュジャック。94年だがその分熟成してよい感じになっているのではと期待したが…。
色はエッジが透明になりはじめた、中程度のルビーで、オレンジのニュアンスが見える。香りはなめした革や生肉系のジビエが支配的で、奥から赤と黒の中間位の果実。味わいは、ふくらみはあるのだけど、果実の甘味がこちらが期待するほど出てこない。タンニンは豊かで、酸はしなやかで上質なんだけど。う〜ん、抜栓したてで今ひとつ実力を発揮していない。…と言っているうちに帰宅時間になってしまった。(^^;
【84?】