2001年5月5日(土)
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「青葉台ワイン倶楽部」 内輪ワイン会
せっかくのGWなのに体調を崩し、前日まで寝込んでいた私だったが、この日は大分よくなっていたので、ちょっと無理して参加。
「気軽な」会と聞いていたので、大したワインを持参しなかったんだけど、行ってみると、 90マルゴーだの、85オーブリオンだの、76ベ ーレンアウスレーゼだのと、豪華ワインのオンパレード。いやいや、すっかり恐縮してしまった。 おまけに、ちょびさん(かもしだ夫人)の料理 の美味しかったこと!結局、3時過ぎから気がつけば夜の10時まで 居座ってしまった。 いやいや、かもしださんご夫妻、どうもご馳走 さまでした。

銘柄 ムルソー95(J・ドルーアン)
感想 まーやんさんの持込み。濃いイエローで、ややグリーンがかっている。黄桃、熟したグレープフルーツ、バニラ。味わいはなめらかでヌルリとしたアタック、クリーンな酸、後半からフィニッシュにかけて甘味も乗ってくるも、もう少し中盤の広がりや果実の凝縮感が欲しいところ。って、村名でそこまで望むのは酷か…【81】
銘柄 シャペル・シャンベルタン89(ピエール・ブレ)
感想 私の持ち込み。エッジがはかなくなった色調のオレンジガーネット。香りは熟成感があって、かつおだし、ヨード、枯葉やちょっとドライになった赤系果実に鉄っぽいニュアンス。味わいは香りに比べると若干期待はずれで、果実味は旨みを伴うが、やや抜けた印象が否めず、結果酸がバランス的に強め。タンニンは余韻にやや収斂性を残し、全般にドライな味わい。香りはよかったんだけどなあ。【82】
銘柄 シャペル・シャンベルタン85(ルイ・トラペ)
感想 なぜかTAKさんの持ち込みも私と同じシャペル・シャンベルタン。エッジにオレンジがかったやや明るめのガーネット。香りはすばらしく、赤と黒の中間ぐらいの果実のリキュール、ダージリン、その奥から上品ななめし革。味わいは伸びやかな酸の第一印象。果実味はクリーンで、どちらかというと細身のストラクチャーのクラシックなピノ。フィニッシュは苦味が加わって複雑。【85】(写真撮り忘れ)
銘柄 ノックス・アレキサンダー・ピノノワール
(オ・ボン・クリマ)
感想 まーやんさん二本目の持ち込み。エッジにピンクの見えるやや濃いルビー。香りはトップノーズに独特なゴムのようなスパイスのような香りが会って、果実香はチェリーやラズベリー、それにオレンジピールなど。味わいは力強い酸の第一印象。中盤に心地よい果実味が広がり、フィニッシュには砂糖菓子のような甘いフレーバーが残る。このワイン、参加者の間では好評だったようだが、なんとなく不自然、というか「造りこみました」というような印象があって、私はあんまり好きになれない。【84】
銘柄 パッツ&ホール・シャルドネ98
感想 Andyさん持参。鮮やかなイエローで、やや黄緑がかっている。香りは強烈で、じゃこう、シャンピニオン、シナモン、トロピカルフルーツ。味わいはトロリとした果実味が心地よく、酸は太めでしっかりしていて、フィニッシュには果実の甘味。よくできた新世界のシャルドネという印象で、一本目のムルソーとは好対照だ。値段は30ドル台とのことだが、CPも高いと思う。【84】(写真撮り忘れ)
銘柄 Ch.オーブリオン85
感想 かもしださんより。デパートのセールで朝から並んで購入したものとのことで、蔵出しでラベルもコルクもピカピカ。
色は黒みがかった濃いガーネットで、オレンジの色調は見られない。香りはやや閉じ気味だが密度感がすごく、ブラックベリーのコンフィやコショウ丁子ナツメグなどのスパイス、湿った土や木の根などが、グラスを回すと次から次へと出てくる。味わいはややスパイシーなアタック。酸はしなやかで、タンニンは豊かながら緻密。やわらかく豊かな果実味を中心に、各要素が高次元でバランスされている。フィニッシュには土っぽいフレーバーを伴った果実味が感じられ、余韻は長い。ちょうど飲み頃に入ってきており、これから長い間、その飲み頃が続くと思われる。とにかく状態の良さが出色で、肉料理とすばらしいマリアージュでした。 【93】
銘柄 ブラインドで。
感想

色はやや明るめのオレンジガーネットで、エッジのグラデーションが美しい。香りは、熟成したワインにしか出せない、濃縮された赤系果実のリキュールや黒蜜の香り。味わいはやや旨みを伴った甘い果実のアタック。タンニンはすっかり溶け込んで、濃縮感もあり、フィニッシュはまるで蜜のよう。これはかなり古い。72年のブルゴーニュ。産地、造り手はわからず。 【88】

ジュブレイ・シャンベルタン67
作り手はラベルが破損していて読めず。おそらく現存しないネゴシアンによるものと思われる。かもしださんは状態を心配されていたが、なんのなんの、すばらしかったです。

銘柄 Ch.マルゴー90(demi)
感想

かもしださん秘蔵のマルゴーをご馳走になる。
黒みがかった濃いガーネットで、エッジはまだ紫。香りはやや閉じ気味なんだけど、それでも黒砂糖を焼いたような香りやブラックチェリーやカシスなどをシロップ漬けにして煮込んだような香り、ミルキーな香りなどが渾然一体となってほんのりと漂い、陶然とさせられる。味わいは甘いトロリとした果実味のアタック。酸はしなやかで、タンニンはまさにシルキー。中盤の味わいには爆発的な広がりや凝縮感があるわけではないが、たっぷりとしていて、フィニッシュにはココアっぽいフレーバーと甘い果実が調和のとれた羽毛のようなフィニッシュをもたらす。【94】

銘柄 コロンビアクレスト・リザーブ97
感想 RP100点のマルゴーのあとに、大胆にもAndyさん持参の19ドルのワシントン州のワインを。色は紫がかった濃いガーネット。香りはダークチェリーやバニラ、ユーカリ。味わいはユーカリっぽいフレーバーを伴った甘い果実のアタック、酸はやわらかく、タンニンは豊かでよく溶け込んでいて、フィニッシュに甘く豊かな果実味が感じられる。これは非常にコストパフォーマンスの高いワイン。日本には輸入されてないみたいだけど、もし入手できるようならデイリー用にまとめ買いしたい銘柄だ。【85】
銘柄 キートリッヒャー・サントグルーブ・ベーレンアウスレーゼ76
(クニープハウゼン) (demi)
感想 エッジにオレンジがかった濃いアンバーで色調はまるでウーロン茶。カリン、オレンジピール、ビニールなどのいわく表現しがたい芳香。味わいは甘みを伴ったなめらかなアタック。その甘味には尋常でない気品があり、しなやかで質感のある酸が絶妙のバランスでもってそれを受け止めている。これも長い熟成の年月がなせる業か。フィニッシュにもピュアな果実味が残り、余韻もすごく長い。私の少ない経験の中では、おそらく過去に飲んだデザートワインの中で最上のもののひとつだ。
【94】