2001年2月25日(日)
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バーガンディナイト6
フルール・ド・プリムールでの久しぶりのワイン会は、前回大雪で延期になったメオカミュゼの会。メオカミュゼは前から興味のあったドメーヌなんだけどなかなか飲む機会に恵まれず、今回これだけまとめて飲むのはもちろん初めて。 ワインはガレンヌのメールニュースにもよく登場する藤木師匠のストックから。

銘柄 オー・コート・ド・ニュイ・ブラン98
感想 輝きのあるイエローで、かすかにグリーンがかっている。柑橘系のフルーツ、たとえばグレープフルーツなどの果実香、白い花、それにミネラル。味わいは透明感のある、溌剌とした酸が魅力で、果実味も豊かで奥からじんわりと甘みを伴い、ミネラルのフレーバーはショッパイぐらいに感じる。フィニッシュにもクリーンな果実味とミネラルのフレーバー。
初めて飲んだが、面白い白だ。 【85】
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ98
感想 紫がかったルビーで、中程度の色調。香りは特徴的な燻製肉っぽい香り、丁子などのスパイス、奥からフレッシュなイチゴ、ラズベリー、それにハーブっぽい香りも。味わいはたっぷりした赤い果実のフレーバーが口中に広がり、酸が一貫してしっかりしていて、タンニンも豊かでややフィニッシュにかけて目立つ。構成のしっかりしたワインで、もう少し置くとさらによくなりそう。ブルゴーニュ・ルージュでこの濃さとストラクチャーはすごい。【84】
銘柄 ニュイサンジュルジュ・レ・ブド90
感想 エッジにピンクの色調が見える濃いルビー。かすかなバニラ香を伴ったジビエ香、東洋系のスパイス、少しだけ火を通したラズベリーやイチゴ。味わいはなめらかな果実味の第一印象。酸がやわらかく、タンニンもキメ細かく、前銘柄と比べるとやっぱり各要素の質感は数段上。コクがあって全体の構成も大きい。フィニッシュにはしっかりした果実味。【88】
銘柄 ヴォーヌ・ロマネ・レ・ブリュレ89
感想 濃いルビーで、色調はまだ若々しい。エッジはピンク。香りはカシスなどの果実、ジビエ、革、それに華やかなスパイス香、バニラ、土、コーヒー。味わいは濃縮感のある果実味が甘みを伴って広がる。酸は丸く、タンニンも木目細かく豊かで、構成はしっかり。フィニッシュにはややミルキーなフレーバーを伴った果実味。前のワインを飲み干すのが遅れたため、この銘柄はボトルの底部分の液体になってしまい、かなりオリが含まれていたのだけど、かえってこちらの方が力強くて美味だった。【89】
銘柄 クロ・ヴージョ
90 エッジにピンクの色調が見える濃いルビー。バニラビーンズ、中国系のスパイス、乾いたジビエ香、なめし革、カシスやダークチェリー。すばらしい頭がクラクラするような香りだ。味わいはバニラの風味を伴ったなめらかな果実味、タンニンはなめらか、酸もしなやかで、各要素の品格がここにきてさらに1ランク上がった印象。構成はとてもしっかりしていて、まだ熟成途上という雰囲気。フィニッシュは大変調和がとれていて、余韻も長い。【92】
89 エッジがややはかない色調になった濃いめのルビー。甘いバニラ香、燻製肉っぽいジビエ香、甘草、カシス、ラズベリーなどの果実。味わいはなめらかで甘い果実味に熟したコーヒーっぽいタンニンがよく溶け込んでいる。酸はしっかりしていて、フィニッシュに苦味とともに少しだけ目立つけれども、全般には各要素が渾然一体となっていて、大変よい状態。果実味に透明感があってすばらしい。この日一番。90も相当にいいけど、現時点ではわずかにこちらの方が上かな。【93】
88 エッジにオレンジがかったやや濃いめのルビー。香りはオレンジの皮、ラズベリー、下草、中国系スパイス、なめし革。やや線が細く、透明感のある果実味とクリーンな酸、タンニンもしっかりしていて、前2銘柄に比べるとよりクラシックなスタイルを志向しているようにみえるけれども、相対的にやや果実味がへこんでいる感も。これはかなりスタイルが異なる。メオカミュゼ自身が試行錯誤の時期だったんだろうか?【88】
銘柄 ブラインドで。
感想 藤木さんよりさしいれ。濃いガーネットの色調。カシス、青茎、ピーマン、バニラ、それに生肉ぽい香り。味わいは黒系の果実味のアタック、ローストっぽいフレーバー、熟したタンニン。酸は丸くなめらか。南方のワイン?バランス良く、グラマラスなワインだけど、残念ながら、フィニッシュがストンと消える印象がある。ラングドックなどの良い作り手のもの?ペイルローズとか…
→正解:セーニャ96(チリ) 【81】
なるほど〜。このハーブっぽいフレーバーはチリなんですね。
銘柄 またブラインド。
感想 今度は上保さんからの差し入れ。そろそろ記憶もメモもあいまいになってくる。濃いガーネットでエッジにピンクがかっている。青茎、ハーブ、生のブルーベリー。う〜ん、私はこの青っぽい香りがするワインは苦手なんだよなあ。加えてちょっとヨーグルトのようなミルキーな香りも。味わいはアタックは静謐な印象なんだけど、酸がしっかり、タンニンがスゴイ。構成のがっしりたワイン。全然判らず。スペイン?
→正解:シエピ98
サンジョベーゼ50%、メルロ50%をバリックの新樽で16ヶ月熟成。生産者のマッツェイはトスカーナの作り手でキャンティクラシコやVDTで知られるとか。よもぎねこさん国名正解はお見事。
銘柄 さらにブラインド。
感想 上保さんからの差し入れ。野菜、ハーブ、ブルーベリー。果実味は線が細いが、クリーンな印象で、タンニン、酸ともしっかり。全般にかなりガチガチした印象のワイン。これも全然わからない。オーメドックあたりのクリュブルジョワ?

→正解:桔梗ヶ原メルロー97  (--;

このあと、グラメノンなども飲んだはずなんだけど、もはや完全に自分の酒量を越えていて、メモもとってない。ここのワイン会は酒の弱い私には量的にちょっとシンドイのがぜいたくな悩みだ。
メオカミュゼをこれだけ一度に飲んだのは初めてだが、総じて以下のような印象を持った。
・樽のかけ方がうまい。バニラなどのミルキーなフレーバーが強めに感じられるが、果実味がしっかりしているので、イヤミにならず、うまく調和している印象。
・ジビエや革のような熟成香が出やすいが、総じてこれらの香りはややトーンの高い、乾いた感じの香り。
・果実味はクリーンで透明というようりは、ボリューム感があって豊かというベクトル。赤系から、赤と黒の中間ぐらいの、シロップに漬けたようなフルーツ、もしくはコンポートなどの印象。
・全体の構成はしっかりしていてスケールが大きい。
・熟成能力は高そう。クロヴジョも90、89あたりではほとんどオレンジの色調が出ていなかった。

藤木、上保両師匠ごちそうさまでした。