2000年2月18日(日)
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酒池肉林 の宴at世田谷太郎邸

この日は世田谷太郎さんのお招きを受けて、奥様の花子さんのすばらしい手料理の数々をつまみに珠玉のムートン三昧。参加者はshin大兄、チコリータさん、Nappeさん、よもぎねこさん、それに世田谷太郎さんのワインスクールのご友人とそのまたご友人のキュートなお二人。いやいやそれにしても、まさにムートンの絨毯爆撃で、参加者にとっては忘れられない一日となりました。

銘柄 ラ・グランダム93(ウーヴ・クリコ)
感想 私の持ちこみは年末に信濃屋で購入したグランダム。色は中程度のイエローで、ややグリーンがかっている。気泡は勢いがよく、キメも細かい。香りは軽くやいたトースト、リンゴ、それにクリーミーな香りがほんのり。味わいはやわらかくフレッシュ感のある果実味と酸のさわやかとのバランスがよく、全体に軽やかで爽快感のある味わい。フィニッシュにも果実味がきれいに残り、素直に美味しい。
【86】
銘柄 ブラインドで。
感想 濃いイエローでややグリーンがかっている。香りはかなり熟成感がある。じゃこうや黄桃、バナナ、ミネラル。時間がたつと蜜のような香りが出てくる。やわらかな果実味のアタック、酸は丸く大人しめ。果実味は充実していて、品位のある甘みを伴うが、構成はそれほど大きくはない。全般に大変上品なバランスが持ち味だけど、ややストラクチャーが緩い感も。 これはフランスでしょう。ピュリニー・モンラッシェ?作り手はわからない。
正解:コルトン・シャルルマーニュ95(ルロワ)
おお、今巷で話題のルロワのコルトン・シャルルマーニュでしたか!ただ、正直言って、「ルロワ」という名前の威容から感じるほどの実力は感じられなかったなあ。 【86】
銘柄 またブラインド。
感想 色は紫がかったルビーで、若い色調。
香りはトップノーズに、若いハーブやミントの香り、その後からチョコレートやロースト香、ブラックチェリーやカシスのコンフィ。こないだ飲んだシェーファーのヒルサイドセレクトに似ている。カリフォルニア?少し置いておくと、今度は土や甘草などのスパイシーな香りが出てくる。やっぱりボルドーだ。味わいはやわらかくなめらかな果実味。タンニンが非常になめらかでまさにシルキーなテクスチャー。酸はやわらかく、全般にタップリした味わい。98年のボルドーの右岸。今はやりのキノーランクロあたり?
→正解:Ch.ムートンロトシルト98
いや、これは驚いた。先日飲んだラトゥールもそうだったけど、98って今すでに美味しく飲めるのね。 【90】
銘柄 またまたブラインド。
感想 エッジにピンクがかった濃いガーネット。特徴的な土っぽい香り。あふれかえるような丁子やナツメグなどのスパイス。木の根、墨汁。味わいは力強い果実味、タンニンはなめらかだが、酸はしっかりしている。各要素がしっかりした大柄なワインで、フィニッシュに果実のフレーバーにまざってややタンニンが感じられる。これは相当良いワイン。96ラトゥールかオーブリオンあたり?
正解:Ch.ムートンロトシルト96
さすがグッドビンテージ。抜栓直後のわりに飲みやすかったのが意外でした。 【91】
銘柄 もう1回ブラインド。
感想 ピンクがかった濃いガーネット。香りはトップノーズに腐葉土っぽい香りを感じるが、その後完全に閉じてしまう。濃く厚みのある果実味、熟したチョコっぽいタンニン。酸もしっかりしていて、噛めるような筋肉質のストラクチャー。ポテンシャルの高いワインだけど、閉じているのが残念。相当経ってから、ようやくビターチョコやロースト香などが出てきた。
正解:Ch.ムートンロトシルト95
おお、またもムートン。これは今ちょうど閉じている時期に入ってるようだ。 【90?】
銘柄 ボーヌ・グレーブ87(アルベール・モロー)
感想 よもぎねこさん持参。オレンジがかった中程度のガーネットで、エッジは透明になっている。香りはオレンジ、ラズベリー。それらのドライフルーツとリキュールが入り混じったような香り。枯葉、ダージリン、ミント。アタックはなめらかでやさしい果実味、酸はしなやかで旨みがじんわりと広がる。フィニッシュには果実の甘みとともにやや苦味が加わり複雑。余韻も長め。さすが、「人生ボーヌ降った」お方の持ちこみです。【88】
銘柄 Ch.ムートンロトシルト84
感想 84年は不作の年だが、ムートンはカベルネ100%でこのビンテージの代表作を作り出したそうな。エッジにオレンジがかった濃いガーネット。枯葉、生肉、赤系フルーツのシロップ漬け、八角などのスパイス。凝縮感はないが、味わいはなめらかな赤系の果実味、酸はやわらかく豊かで、タンニンはきれいに溶け込んでいる。果実味がクリーンで透明感がある。状態もよく、エレガントで好感が持てるワインだ。今まさに熟成のピークだろう。【88】
銘柄 フラワーズ・ムーンセレクト・ピノノワール97
感想 これも最初はブラインドで出てきたんだけど、全然わからなかった。
ピンクがかった濃いガーネット。香りは特徴的な揮発香が支配的。シンナー、ユーカリ、ハーブ、奥からビターチョコ。味わいはユーカリっぽいフレーバーを伴う果実味のアタック。濃縮感があって、果実味はだんだん甘みを伴ってくる。酸はしっかりしており、タンニンも豊かで、層をなすような厚みのあるフィニッシュ。とにかく構成のしっかりした大柄なワインで、ピノノワールでこれだけ層をなすような味わいのものには滅多に出会えない。熟成させたらスゴそう。次回はじっくり時間をかけて飲んでみたい。 【89?】
銘柄 Ch.ムートンロトシルト85
感想 オレンジがかった濃いガーネット。赤と黒の中間ぐらいの果実のリキュール的な香りに加えてオレンジのような柑橘系の香り、甘草などのスパイス、紅茶や麦わらなど複雑で陽気な香り。
味わいはたっぷりした甘い果実味の第一印象。タンニンは豊かで酸もしっかりしている。フィニッシュにやや酸を強めに感じるが全般にバランスは甘くじんわりと旨みを伴う果実味が中心。外向的でやわらかく、構成は中の上ぐらい。今美味しく飲めるすばらしいワイン。そういえば先週飲んだ85ランシュバージュにも似たようなキャラクターを感じたが、これが85年の特徴なのだろうか?
【92】
銘柄 Ch.ムートンロトシルト89
感想 まだ若い色調の濃いガーネットでエッジにややピンクの色調。非常に派手でスパイシーな八角などの香り、カシスリキュール、木の根っこ、ミルキーな香りやロースト香など、まさに香りの洪水。なめらかで厚い果実味のアタック。タンニンはキメ細かいが豊かで、構成は大きい。バランスも基本的に良好。フィニッシュには甘い果実に加えてビターチョコっぽいフレーバー、そして長い余韻。85年をさらにひと回り太らせたようなワインで、まだ熟成を続けそう。この日一番。【93】
銘柄 Ch.ムートンロトシルト88
感想 濃いガーネットで、エッジのピンクは89より少なめ。濃厚な、焦臭とすら形容したくなるロースト香。丁子、八角などのスパイス、木の根。なめらかなアタックには果実味とともにややタンニンを感じ、酸も豊かでバランスは良好。ただし、なぜかこのワイン、パーカーさんが指摘しているとおり、フィニッシュがあっけなく、余韻がスッと消えてしまう。前半部分はすばらしいのだけど。【88】

いやいやよく飲みました。昼の1時すぎから始まった酒宴はこの時点ですでに9時過ぎ。私は途中フラワーズのあたりで一度うとうとうとしたが、そのあとどうにか復活。それにしても我ながらそんな状況でよくコメント書いてるなあ(笑)。正面ではよもぎねこ嬢がスヤスヤ。その横でクールに飲みつづけるチコリータ氏。shinさんとNappe氏は酒量とともにさらに快調に。でも、このあとさらに78ムートンを出そうとした花子夫人に対しては、さすがに一同、「次回にしましょう!」。
世田谷太郎さん、花子さん、どうもありがとうございました。