2000年1月6日(土)〜8日(月)
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1月8日(月)ランスYANAGIDATEにて。
とあるメンバーで、表参道の上記の店にてランチ。ワインは店で注文した2本とNappe氏持参のムルソーを。そういえばデジカメ持っていったのにラベルの写真を撮ってくるのを忘れてしまった。
銘柄 アンリオ・ブリュット・ミレジメ95
感想 グリーンがかったやや淡いイエローで気泡に勢いがある。香りはリンゴ、白い花束、軽いイースト香。味わいは爽やかさとコクとのバランスがよく、中庸をえた仕上がり。アタックには軽いイースト風味を伴った果実味を感じ、酸は爽やかで、広がりもそこそこあって、フィニッシュに果実の甘みが長めに残る。前菜にもよくマッチしていた。【84】
銘柄 ムルソー・シャルム89(J・マトロ)
感想 やや黄金色がかった濃いイエロー。味わいはジャコウなどの熟成香と強めのミネラル香。味わいは酸がクリーンで心地よい。なめらかな果実味は中盤に甘みを伴い、それを酸がバランスよく受け止めている。フィニッシュには苦味がやや強めに感じられて、味わいに複雑さを添えている。構成は大きくないが、バランスよくエレガントにまとまったムルソーだ。【84】
銘柄 Ch.ラミッション・オーブリオン93
感想 エッジにピンクがかった濃いめのガーネット。土っぽい、スモーキーな香りにブラックベリーのシロップ漬け、杉の木など、複雑な芳香。味わいは豊かな果実味の第一印象。タンニンは木目細かく溶け込んでおり、酸は上質で、後半わずかに強めのバランス。フィニッシュには心地よい苦味を伴った果実のフレーバー。全体的に、ギュッとつまったような凝縮感はないが、たっぷりした果実味を中心に豊かにまとまっている。良い意味での土っぽくザラザラした質感が特徴的。【87】

1月7日(日)平野弥勉強会
正月休みも残り少なくなって、連日のワイン三昧。
コメント
最初に混醸とのヒント。黄緑がかった中程度のグリーンイエロー。芳香力は強めでシャープ。フレッシュな柑橘系の香り、ハーブ、黄色い花、ミネラル、石灰。しばらくおくとじゃこう(シベット)の香りも加わる。香りからはソービニオンブランだろうと、推測するも、味わいが、ちょっと違う。アタックから甘みを伴ったやわらかい果実味。それに酸がやわらかい。ミッドパレットはやや広がりに乏しく、フィニッシュにミネラルっぽいフレーバーを残し、余韻は比較的すっきり。アルザスあたりのピノグリ中心の構成か?
正解 MAS DE DAUMAS GASSAC 99
#ラングドック地方のヴァン・ド・ペイで、品種はヴィオニエとシャルドネがメインだとか。 しかしヴィオニエのフレーバーはあんまり感じられなかったんだけど。
コメント
2杯一緒に。ということはこの二つに何か関連があるのか、と邪推。
<1杯目>
エッジにややピンクの色調が見える濃いルビー。香りは濃厚で、ロースト香が強い。回すと生肉のような香り。オリエンタルスパイスの香り。果実だとカシス。南仏?ところが味わいにはスパイシーな要素が乏しい。甘い果実味の第一印象。酸は上質でしっかりしており、タンニンも木目細かくなめらか。凝縮感はないが、エレガントでバランスがいい。ただ、余韻はスッと消える印象。 最初グルナッシュかと思ったけど、これはコートシャロネーズかマコンあたりのピノノワールでしょう。【84】
<2杯目>
ややオレンジの色調が見える明るいルビー。トップノーズにオレンジの皮やラズベリー、レッドカラントなどの赤系果実。回すとジビエ香とともに漬物のような香りが広がる。味わいはフレッシュな果実味の第一印象。酸味がシャープで力強く、タンニンはなめらか。全般にオレンジのようなフレーバーがある。これは以前「ボナペティ」で出されたのと似ている。ガメイ。ボジョレーのクリュクラス?
正解 <1杯目>
ムーラン・ナヴァン・クロ・デュ・グランカルゲラン97(ジャド)
<2杯目>
サヴィニィ・レ・ボーヌ・プリミエクリュ・ナルバントン96
(モンジャーニュ・ミュニュレ)
#平野さん曰く、「ピノノワールのようなガメイ」と「ガメイのようなピノノワール」を出題しましただって。Tさん他正解お見事でした。一方、まさに思惑通りに間違えた私。(^^;
銘柄
リシュブール93(A・F・グロ)
コメント
これはブラインドでなく、オープンで。
エッジにややオレンジがかった濃い目のルビー。香りはカシスのシロップ漬け、ライトなトースト、バルサム、回すと奥から官能的なジビエやなめし革の香り。 味わいはたっぷりした果実味の第一印象。酸はしっかりしており、タンニンはきめ細かいが豊かでフィニッシュにかけてやや収斂性が感じられる。全般にやや木質的な独特なフレーバーが気になる。【85】
#2時間経過後、「すごく良くなった」との声が出るも、すでに私のグラスは空。(泣)
コメント

ビンテージは94、今まで出題されてない生産者とのヒント。
オレンジがかった中程度のルビーで、エッジがニュアンス豊か。香りはミルキーなロースト香やマロンのような香りをトップノーズに感じ、回すとトーンの低いカシスやダークチェリーなどのコンポート状の果実。奥からジビエやなめした革のような香りがほんのりと漂う香りのバランスは抜群。味わいはなめらかなアタックからミルキーでやわらかい果実味が。酸はクリーンで質感があり、タンニンもなめらかで、各要素がバランスよく、エレガントに口の中にじんわりと広がる。フィニッシュにもやや酸を伴ったクリーンな果実味。これはすばらしいワインだ。このレベルで今まで出ていないとなると、ドメーヌ・ルロワしか思い浮かばないが、それにしてはちょっとミルキーなフレーバーが強いような…。【90】

正解 クロ・ヴージョ94(メオ・カミュゼ)
#をを。そうでした。メオ・カミュゼがいたのでした。


1月6日(土)デンボさん宅にて新年会
デンボさん宅に招かれて、新年会。出席者はデンボさんご夫妻、山田さん、Nappeさん、shuz&shuz妻。デンボさんのご自慢の手料理の数々に舌鼓を打ち、ワインもまたすばらしい状態のものをご馳走になり、なんだか至れり尽せりでした。デンボさん、どうもありがとうございました。

銘柄 コルトン・シャルルマーニュ94(J・ドルーアン)
感想 私が持参したもの。グリーンがかったやや濃い目のイエロー。香りは艶やかで、熟した柑橘類、ナッツ、バニラなど。味わいの第一印象はなめらかで、ふくよかな果実味を感じ、しだいに甘みを伴う。酸は豊富だが丸く角がとれており、果実の甘みと酸の広がりかたが実にエレガント。全体の構成は中ぐらいで、ややミッドパレットの肉付きに乏しいのはビンテージの限界か。フィニッシュには果実味とともに酸が広がり、余韻も長め。全般にエレガントなワインで、当日キャリーのわりには良い状態であった。【85】
銘柄 エシェゾー72(J・ドルーアン)
感想 72のブルゴーニュを飲むのはたぶん初めて。レンガのニュアンスが全般に見える濃いめのオレンジガーネット。香りはスーボワ、ラズベリーなどのドライなフルーツ香、鉄観音、梅、オレンジの皮、カラメルなど、複雑で官能的な芳香。味わいは甘酸っぱい果実味のアタックのあと、最初のうちは酸が強めに感じられたが、少し置くと、酸をマスキングするように蜜のような果実の甘みが広がるようになった。全体の構成もしっかりしていて、グリセリンが豊富な印象。フィニッシュには果実味が長く尾を引くような余韻。状態もよく、非の打ち所のない、すばらしいピノだ。【92】
銘柄 ラ・メニル・セレクシオン・リザーブ83
(アラン・ロベール)
感想 Nappeさん持参。(写真取り忘れ)
黄金色がかった濃いイエロー。気泡はおだやかながらキメは細かい。濃厚な、ハチミツ、黄桃、アプリコット、マロングラッセ、べっ甲アメ、それに強めのイースト香。味わいもアタックから強めのイーストのフレーバーがバァッと口中に広がる。酸もしっかりしており、全体に大変コクがあって、果実味は、煮詰めたような甘みすら伴う。フィニッシュにも濃密なハチミツのフレーバー。凝縮感のある、コッテリとしたシャンパーニュで、面白いがややシチュエーションを選びそうだ。食前などよりはむしろしっかりした料理と合わせたい。【85】
銘柄 Ch.ラフィットロトシルト76(マグナム)
感想 オレンジがかった、やや濃いガーネット。香りは深く、染み入るような、スーボワ、落ち葉、ピュアなリキュール状のカシスやブルーベリーなどの果実。ボトルの下の部分では、さらにかつおだしやヨードなどの香りが強く出ていた。味わいはなめらかでクリーンな果実味が印象的で、タンニンは緻密に溶け込んでおり、酸は最初控えめと感じたが、やがてバランスよくなってきた。決して厚みや凝縮感が出色なわけではないのだが、各要素が渾然一体となっていて、繊細でデリケート。それでいて一本芯が通ったようなところがすばらしい。【90】
銘柄 ゲビュルツトラミネール76VDT(トリンバック)
感想 グリーンがかったイエローで、色調は濃い。香りはライチ、白い花の花束。回すとその奥からじゃこうのニュアンス。味わいは豊かな果実味の第一印象。酸は丸くでしゃばらず、全体の構成は凝縮感があってトロリとしている。VDT(遅摘み)ということでもっと甘いかと思ったが、酸がしっかりあることもあって、節度のある甘さであり、ラベルを見なければVDTと判らないぐらいだ。フィニッシュにはやや苦味を伴った果実味。全般に24年経過しているとは思えないような若さがあり、それでいて、各要素は若いビンテージに見られない落ち着きも備えている。すばらしいワインだ。【89】
いやいや、素晴らしい食事とワインでございました。
とまあ、このまま幸せな一日を終えるはずだったのだけれど、最後の最後、家に着く間際に、カミサンがコンタクトを落として割ってしまうというハプニング。こういうのをことわざで何て言うんだっけ?(^^;