2000年12月30日(金)〜31日(土)
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12/31信濃屋にて試飲
クルマを洗車しようとガソリンスタンドに寄ったら、 混んでいて約1時間かかるとのこと。仕方がないので、そこからすぐの信濃屋に行って店内をブラブラ見たり、下記銘柄の試飲をしてみたり。

日時 2000/12/31
銘柄 Ch.ムートンロトシルト85
産地 仏>ボルドー>メドック1級>ポイヤック村
価格 グラス2000円
コメント 抜栓後約5時間経過。エッジにややオレンジが見えるが、まだ若い色調の濃いガーネット。香りは厚みがあってスパイシーな、それでいてトーンの低い、メドックらしい香り。ブラックベリーのシロップ漬け、丁子、甘草、湿った土、墨と黒鉛の中間ぐらいの香り、香ばしいロースト香など。味わいは落ち着いたなめらかなアタックから、圧倒的というほどではないが十分な凝縮感をもった果実味がじんわりとひろがり、タンニンは豊富で甘苦く粒子が細かい。バランス的に酸がかなり強めの印象なのは、抜栓後時間が経過していることをさしひかねばならないだろう。フィニッシュにはココアパウダーのようなフレーバー、長い余韻。文句なくすばらしいワイン。ただ、ちょっと全体の構成が「緩く」感じられるのは、繰り返しになるが抜栓後時間が経過していることによると思う。開けてから1〜2時間ぐらいのものを飲んだらもっと高得点をつけると思う。
【89】
   
銘柄 Ch.ドワジー・デーヌ53
産地 仏>ボルドー>ソーテルヌ2級>バルザック
価格 グラス800円
コメント ソーテルヌ2級筆頭のシャトー。
色はコハク色がかった麦わら色で、色調はそれほど濃くはない。味わいはセメダインやハチミツなどが上品に漂ってくるが思ったほど複雑ではない。味わいはアタックに上品な甘みとともに、酸がしっかり感じられ、そのため、しつこさがなくサラサラとしたエレガントな甘みが身上。ただ、後半にかけて味わいがスーッと抜けるような印象があって、やや熟成のピークを超えている感もある。全般にスッキリしたデリケートな甘さはすばらしく、長い年月を経て、余分な贅肉をそぎ落とし、必要な部分だけを残したような、そんな美しい枯れ方をしている。
【86】

12/30 「かもしだコレクション放出会」
今世紀最後を「青葉台ニュース」かもしださんの壮麗なワインたちで締めくくろうという贅沢な集まりが横浜にあるワインショップ平野弥さんで催された。出席者はかもしださんご夫妻、Tさん、のへさん、平野さん、それに私。いやいや滅多に飲めないものを飲ませていただき、ありがとうございました。

銘柄 ムルソー・ルジョ87(コシュ・デュリ)
感想 色は輝きのある濃いめのイエローで、やや黄金色がかっている。香りは熟成香がかなり前面に感じられる。じゃこう、ハシバミ、その奥から熟したリンゴや柑橘類。しばらくおいておくとそれにバターやハチミツなどが加わる。
味わいはなめらかなアタックにトロリとした果実味を感じる。酸はクリーンで豊かであり、中盤の広がり方はパワフルではないものの、エレガントに果実の甘みが口中を満たす。フィニッシュにはやや苦味も加わり、複雑で長い余韻。村名としては出色の仕上がりだろう。 【88】
銘柄 ムルソー・ルジョ88(コシュ・デュリ)
感想 87とほぼ同様の、黄金色がかった濃いイエロー。香りに87ほどの熟成香は見られず、シナモン、柑橘系果実の皮、メロンなどの艶やかな香り。味わいは、落ち着いたなめらかなアタックから、徐々に凝縮感のある豊かな果実味が広がる。酸は透明感があって豊かだが、果実味がよく受け止めていて、両者のバランスは見事。しばらくすると、バター、ハチミツ、マロングラッセなどの香りが出てきて華やかになり、果実味にも甘みが増してくる。まだ若い印象もあるが、87よりもこちらの方が果実味に力があり、全体的に厚みのある味わいだ。【90】
銘柄 ヴォーヌ・ロマネ78(ルロワ)
感想 全般にオレンジがかったやや濃いめのガーネットで、エッジはややレンガの色調を帯びてきている。香りはヨード、オレンジピール、麦わら、ドライフラワー。ややドライになった赤と黒の中間ぐらいの果実。
味わいは熟成感があってかなり枯れた雰囲気なんだけど、果実味はよく残っていて甘みと旨みを伴いながら口中に広がり、酸は角がとれて丸く、タンニンはすっかりとけこんで、大変なめらかなテクスチャーを形成している。フィニッシュに感じられるクリーンな果実味は実に印象的で、余韻も長く、文句のつけようがない。20年を経た村名ワインでこれだけの味わいとは、さすがルロワと感心させられる。
また、このボトルは全体的に味わいに雑味がなく、コンディションの良さが出色だ。こういうワインを飲むとやっぱりワインの状態というのは大事なファクターだなあと再認識させられる。【90】
銘柄 ヴォーヌ・ロマネ76(アンリ・ジャイエ)
感想

アンリ・ジャイエを飲むのは2度目。ややオレンジがかった濃いルビーでエッジへのグラデが美しい。しかし、前のルロワと比べればまだまだ若めの色調。香りは木の削りカスのような独特の木質的な香りがトップノーズに感じられ、回すとイチゴ、ラズベリーなどのシロップ漬け、ヨード、ダージリン、枯れ葉など。
味わいは凝縮感があって、甘くピュアな果実味の第一印象。酸はのびやかで、タンニンは豊かでよく溶け込んでいる。各要素は質感があって、しっかりしており、全体の構成は村名のレベルを大きく超えている。 最初から最後まで豊かな、それでいてデリケートな果実味が口中を支配する様はすばらしい。ただ、香りがややノイジーだったり、フィニッシュにイガラっぽさを感じるなど、ボトルの状態が前出のルロワほどよくないのが玉にキズ。ポテンシャルはルロワよりはるかに上と思えるのだけど。【90】

銘柄 ベーレナー・ゾーネンウーアー71・アウスレーゼ
(J・J・プリュム)
感想 ややコハク色がかった黄金色。香りはビニール、黄色い花、プアール茶など。味わいはアタックに甘くトロっとした果実味が感じられるが、そのあとに続くシャープで豊かな酸が味わいを支配する。アルコール度が低いせいもあってか中間の広がりはあまり感じられず、デリケートな酒質で、後半には中国茶のようなフレーバーを伴い、しっかりした酸による、甘いながらもすっきりしたフィニッシュ。豊富な酸と果実の甘みがかって経験したことのないようなバランスを形成している。かもしださんいわく、状態がよくないとのことだが、私はドイツの古酒はほとんど飲んだことがないのでなんともいえない。とはいえ、71のアウスレーゼなんて飲めただけですばらしい経験だ。【?】