アンリ・ジャイエを飲むのは2度目。ややオレンジがかった濃いルビーでエッジへのグラデが美しい。しかし、前のルロワと比べればまだまだ若めの色調。香りは木の削りカスのような独特の木質的な香りがトップノーズに感じられ、回すとイチゴ、ラズベリーなどのシロップ漬け、ヨード、ダージリン、枯れ葉など。
味わいは凝縮感があって、甘くピュアな果実味の第一印象。酸はのびやかで、タンニンは豊かでよく溶け込んでいる。各要素は質感があって、しっかりしており、全体の構成は村名のレベルを大きく超えている。
最初から最後まで豊かな、それでいてデリケートな果実味が口中を支配する様はすばらしい。ただ、香りがややノイジーだったり、フィニッシュにイガラっぽさを感じるなど、ボトルの状態が前出のルロワほどよくないのが玉にキズ。ポテンシャルはルロワよりはるかに上と思えるのだけど。【90】
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