2000年12月10日(日)
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月イチ恒例の平野弥さんの勉強会。今月もテーマはブルゴーニュ。この日は赤ばかりブラインドで4種類、大変勉強になったのに加えて、終了後みなで割り勘でスゴイ白を開けてしまった。(^^)

銘柄 一杯目
感想

ピンクがかったエッジへのグラデーションが美しいルビーで、色調は濃い。 香りはよく開いていていて、ラズベリーやカシスをシロップ漬けにしたような果実香、オレンジピール、シナモン。回すと奥からジビエや鉄っぽい赤茶けた土のニュアンス。
味わいは甘くよく熟した果実味が特徴的で、酸は豊かだがやわらかく、タン ニンはなめらか。それでいてスパイシーな要素もあり、後半には果実味がやや旨み系のフレーバーを伴い、余韻は長め。スケールの大きさはないが、 果実の充実感がすばらしい。【85】
ヴォーヌ・ロマネかニュイサンジュルジュのプルミエ・クリュ?

  →正解:ジュブレイ・シャンベルタン97(クロード・デュガ)
なんと、デュガだったとは。初めて飲みました。
これで村名となると、グリオットやシャルムはどうなってしまう の?という感じ。ちなみにかもしださんいわく、96は村名でもまさに別物の味わいだったとか。
銘柄 二杯目
感想

濃いルビーで、凝縮感を感じる色調。赤系よりはややトーンの低い、カシスなどのシロップ漬け、ミルキーで香ばしい樽の香り、その奥からややなめし 革などのニュアンスがアクセントを与えている。ゆでたあずきの香りという声も。
味わいは凝縮感のある甘い果実味をアタックに感じ、酸は質感があってしっか りしており、タンニンは木目細かいが豊富でやや収斂性を残す。 全般に香り豊かで凝縮感があって、クリーンな果実味と樽の要素をうまく 両立ささせている。フィニッシュには甘い果実味が広がる。私の好きなタイプ。 【88】
よい造り手のエシュゾーかグランゼシュゾー?

  →正解:クロ・ヴージョ96(グロ・フレール・エ・スール)
グロ家の次男坊のワイン。このクロ・ヴージョは畑の最上部で、ミュジニーと 接しているため、「ミュジニー」の区画名を冠して売られている。初めて飲む造 り手だったけど、かなり私の好み。かもしださん正解!

銘柄 三杯目
感想

濃いルビーでエッジにかすかにオレンジのニュアンス。粘性大きめ。 香りはやや閉じ気味な中に、カシスやブラックチェリーなどの凝縮した黒い 果実香、東洋系のスパイス香、さらにハーブなどの植物的な香りも。
味わいは甘い、たっぷりした果実味のアタック、酸はしっかりしていてしなやかさが際立ち、タンニンは果実味にマスキングされているが、フィニッシュに残る収斂性でその豊かさに気づく。全体的には豊かな果実味が味わいを支配しており、どこか開放的、享楽的な印象を感じる。【86】
前の銘柄と比べてください、とのヒントあり。
ということは、同じグロ一族、アンヌ・グロかAFグロのエシュゾーあたり?もしくは 前銘柄と同じクロ・ブージョとすると、メオカミュゼとか?

  →正解:クロ・ヴージョ95(アンヌ・グロ)
ははは。ヒントに惑わされすぎました。
銘柄 四杯目
感想

最初に94年というヒントあり。
縁にオレンジの色調がはっきりと見えるやや濃いルビー。香りはバニラやカラメル の様なローストされた樽香。それが赤系の果実香と渾然一体となっており、やや スーボワのニュアンスもまざって、すばらしい香り。 味わいは純度の高い、クリーンな果実味が印象的。それでいて充分な広がりも あって、甘い。酸はしっとりとしており、果実味とのバランスも良好。ただ、後半か ら フィニッシュにかけて、酸とタンニンがやや強めに感じられる。 果実味をよく残しながらも熟成感が出始めているが、ややまだタンニンが溶け込んで いない印象。【87】
最上のエシュゾー、そして樽を美味く使う作り手のワインというと…。

  →正解:エシュゾー94(ジャイエ・ジル
ジャイエ・ジルのエシュゾーは先だってかもしださんご提供の89を飲んだけど、さすが に89に比べると現時点ではかなり見劣りするなあというのが正直な印象。

最後に白ワインをワリカンで飲もうということに。

銘柄 ムルソー・ペリエール94(コント・ラフォン)
感想

やや濃いめの麦わら色がかったイエロー。
香りは最初閉じていたが、徐々にえもいえぬ芳香が漂いはじめる。 ミネラル、よく熟した柑橘系のフルーツ、バター、シナモン、しばらくするとお約束のヘーゼルナッツ。
味わいはすばらしくエレガント。トロミのある甘い果実が口の中で丸みをもって広が り、酸はまるで やすりで研いだように角がとれている。新世界のシャルドネのような爆発的な広がり感はないが、 逆に言えば、どこにもでしゃばる要素がなく、繊細さすら持ち合わせた果実と酸が絶妙のバランスで丸い球体のようにじんわりと広がる様は見事。そしてフィニッシュには長い果実の余韻が満足感を高める。白カビ のチーズと一緒に飲むと、口の中がとろけそうになった。今年のベストの白かも。 【93】