2000年10月28日(土)その1
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信濃屋にてミニ試飲会
月に一度の信濃屋のミニ試飲会。今日はオーパス1の82ビンテージと96ビンテージの比較試飲だ。96は2度ほど飲んだことがあるが、82は初めて。調べてみると良い82のカリフォルニアは良い年だったそうな。


銘柄 オーパス1 96
感想

濃いガーネットだが、縁にはオレンジの色調が見える。香りは凝縮された、緻密な香り。ブラックベリーやブラックチェリーのリキュール、甘草、八角、インク、湿った土やチョコレートなど。味わいはアタックから濃縮感のある豊かな果実味が口の中に広がり、酸は非常にしなやかで、タンニンも木目細かく、各要素がそれぞれとても質感がある。フィニッシュにはエスプレッソのようなフレーバー。全般にギュッと詰まったような凝縮感がありながらも、構成の緻密さがすばらしく、エレガントに仕上がっている。余韻も長い。
【90】

銘柄 オーパス1 82
感想

全般にオレンジの色調が強く見えるガーネット。香りはトップノーズにドライフラワー。回すと甘いカシスのリキュールのような香りやキノコ、紅茶、かつおだし、枯葉などのやわらかく奥深い香りが心地よく広がる。味わいははアタックにややドライな果実味を感じるが、中盤から甘みを伴ってくる。酸もタンニンもまだしっかりしており、特にタンニンは後半にやや収斂性を残す。全般には贅肉が殺ぎ落とされてとてもきれいに熟成しており、特にクリーンな果実が印象的。クラシックな作りで、70年代半ばのボルドーのような雰囲気。
【86】

今回、特に関心があったのは、「カリフォルニアワイン」が熟成するとどのようになるかということだった。一般にはカリフォルニアものは、若いうちから美味しく飲める反面、熟成能力においてはフランス産ほどではないと言われているようだ。オーパス1が作られ始めたのは79年からなので、今日飲んだ82年はまだ4ビンテージ目。おそらくまだ試行錯誤のビンテージだったと思うが、私の印象としては、きれいに熟成していて完成度が高く、十分な熟成能力を発揮しているものの、フランス産に比べるとやや熟成が早い印象は免れなかった。ブラインドだと「75年のメドック」あたりと答えそうだ。
一方の96は凝縮感のあるボディとやわらかく丸いタンニンなど、非常に現代的な作りで、相変わらずすばらしい。
でもって、この96のようなビンテージが熟成すると82のようになるのかは、ちょっとわからない。この両ビンテージを結ぶ線は一本ではないような気がするので。機会があれば、もう少し多くのビンテージの垂直試飲など行ってみたいものだ。(って、ないか、そんな機会)