2000年10月21日(土)
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土曜の夕刻より温泉旅行。それでも昼時暇な時間をみつけて、有料試飲をハシゴしてしまうあたり、私ってちょっと病気かも…。


<信濃屋代田店にて>
銘柄 シャンボール・ミュジニー89( ルモワスネ
感想

このところルモワスネの古酒をあちこちの酒屋のセールで見かける。きっとどこかのインポーターが大量に仕入れたんだろう。 まあそれはそれとして。全般にオレンジがかったガーネットで、縁のあたりがはかなげな色調。カシスやフランボワーズのリキュールのような甘い透明な香りと、ジビエや土のようなやさしい熟成香がバランスよく出ており、ダージリンやミネラルのニュアンスも感じられる。味わいは第一印象から甘く蜜のような果実味が広がる。酸はおとなしめで、タンニンはとけこんでおり、後半に心地よい苦味が加わって、甘苦いフィニッシュ。 【83】

銘柄 ポマール・グランゼプノ66(ルモワスネ)
感想

縁に熟成が見られるオレンジガーネット。香りはおだやかでやさしい。ドライフルーツ、ドライフラワー、スーボワ、キノコ、麦わら。味わいはとてもなめらかで角がとれている。やわらかく純度の高い果実味、酸はしなやかでタンニンはすっかり溶け込み、バランスがとてもよい。広がりはそれほど感じないが、繊細で気品があり、滋く長い余韻を残す。とにもかくにも、状態の良さが出色で、30年以上の歳月を経てこれだけのコンディションを保っているのは素晴らしいのひとこと。(店の人いわく蔵出しだろうとのこと)価格は12000円程度とのことなので、後日一本買おうと思っている。
【88】


<渋谷東急本店にて>

銘柄 ブリッコ・デル・ブッチェローネ87
感想

エッジにややオレンジがかった中程度のガーネット。香りはカシスやブルーベリーのリキュール、ドライフラワー、ユーカリ。やや生醤油のような旨み系の香りも。味わいはアタックに甘く濃縮した果実味を感じるがしっかりした酸のバックボーンもある。産は豊かだが丸く、タンニンはなめらかで、時間とともにバランスがよくなった。フィニッシュにかけては甘い果実味とともにユーカリっぽいフレーバーも感じる。セパージュはバルベーラ種とのことだが、なかなか面白いワインだと思った。ちなみにやや酸が強めのバランスに感じたのは抜栓後5時間以上経っていたからかもしれない。
【81】

銘柄 ティニャネッロ86(マグナム)
感想

縁にオレンジがかった濃いガーネット。香りはかなり熟成が進んだ印象で、麦わら、オガクズ、黒系果実のリキュール、黒オリーブ。土や紅茶などのニュアンスもあり、複雑だ。味わいの第一印象はやわらかで、甘みを伴った果実味が広がり、酸はしなやかでしっかりしており、タンニンはなめらかに溶け込んでいる。洗練されているという感じではなく、農作物らしさ?を感じる、純朴な味わい。マグナムボトルにも関わらず、ボルドーあたりだと70年代ぐらいの熟成感があって、家のセラーにある81年のボトルがやや心配になった。【86】

銘柄 ソライア96
感想

エッジに紫を帯びた濃いルビーで中心部は黒みがかっている。香りは凝縮感がある。ブラックチェリーのコンフィ、甘草、八角、インク、煮詰めた黒砂糖、ユーカリ。味わいはアタックから凝縮した果実味を感じるが、ややユーカリっぽいフレーバーを伴うところが面白い。タンニンは豊かでキメ細かいがかなり収斂性がある。酸もしっかりしていてバランスはよい。全般に各要素がガッチリしたワインで、今はやや険しさを残した表情。もう少し熟成させると美味しく飲めそうだ。【85】