2000年10月14日(土)
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フルール・ド・プリムール・ワイン会
表記の会を「ガレンヌ」で知って、近所(世田谷区松原)であることもあり、一人で参加してみた。「フルール・ド・プリムール」は住宅街の一角にあるショップで、ガーデニングの店もかねているとのこと。どおりで店構えが緑にあふれていると思った。参加者の中には、私がお名前を存じ上げている方も何名かいて、みなさんの博識ぶりには舌をまく思いだった。

銘柄 シャブリ・レ・ヴァイヨン92(ドメーヌ・ラロッシェ)
感想

黄緑がかった中程度のイエローで、輝きがある。香りはリンゴ、洋ナシ、白い花、シナモン、そして品のあるミネラル香。味わいは第一印象に甘みののった芳醇な果実味、酸は丸くふくらみがあって、フィニッシュまでこの酸に下支えされた豊かな果実味が続く。余韻も長く、素直ですばらしいシャルドネ。【86】

銘柄 モレ・サン・ドニ・クロ・ド・ラ・ブシェール96(G・ルーミエ)
感想

鮮やかなルビーで、縁はピンクがかった色調。香りは新鮮なストロベリー、カシス、バニラが中心で、やや閉じ気味でもあり、熟成香はほとんど見られない。味わいもまだツボミのような時期なんだけど、しっかりした酸のバックボーンがあって、豊かなタンニンが後半にかけて広がり、この先の熟成を約束しているようだ。ただ、現時点ではまだ果実味は前面には出てきていない印象で、今飲むとすると抜栓をかなり早めにしないとキツイだろう。【83】

銘柄 モレ・サン・ドニ・クロ・ド・ラ・ブシェール95(G・ルーミエ)
感想

縁に透明のニュアンスが見え始めている濃いめのルビー。香りにも熟成香が出始めており、カシスやラズベリーのコンフィ、スミレのエッセンス、なめし革、バニラ。味わいはアタックから豊かなネトッとした果実味が感じられ、酸も角がとれているけれどしっかり、タンニンは96に比べるとずいぶんこなれている。1年の熟成の差に加えてビンテージの特徴もあるのだろうか、96に比べると、ぐっと飲みやすくなっている。【85】

銘柄 シャンボール・ミュジニー・レ・クラ93(G・ルーミエ)
感想

濃いめのガーネットで、エッジへのグラデーションが美しい。香りはジビエ香が全開。なめし革、ミネラル、コーヒーのニュアンスも。
アタックはなめらかでややコーヒーのようなフレーバーが感じられ、すぐに甘く純度の高そうな果実味が口中に広がる。酸はおっとりした感じで、後半に苦味が加わって、甘苦い果実味がフィニッシュを複雑にしている。今とても良い状態になっている。 【86】

銘柄 ボンヌ・マール85(G・ルーミエ)
感想

全般にオレンジがかった中程度のガーネット。香りはカシスのコンフィ、ジビエ、なめし革、タバコ、それに奥からシナモンのようなニュアンスも。味わいは非常になめらかなアタックのあと、甘い果実味がパァッと広がる。酸はしなやかでタンニンはよく溶け込んで、すばらしい熟成状態。フィニッシュまで甘い果実が続き、複雑で 長い余韻。非のうちどころのないクラシックなピノノワール。結果的にはこれが今日の一番手、かな。【91】

銘柄 クロ・ヴージョ83(G・ルーミエ)
感想

ちょっと酔いが回ってメモが怪しくなってくる。
オレンジがかったやや濃いルビー。香りは、ラズベリーやカシスのコンフィ、ジビエ、紅茶、バニラなど。味わいは今までの他銘柄よりも低いトーンの静謐なアタック。各要素がしっかりしていて、ストラクチャーの堅牢さが出色だが、反面後半にややタンニンの収斂性が感じられ、長い余韻を妨げるようなところもある。今日飲んだ他銘柄とはひと味違った、やや内向的で渋味主導のバランス。【88】

銘柄 ボンヌ・マール83(G・ルーミエ)
感想

かなりオレンジの色調が入っているガーネット。香りはカシスやフランボワーズのリキュール、スーボワ、ジビエ。味わいはなめらかな果実味のアタック、酸はしなやかで質感があり、タンニンはきれいに溶け込んでいる。おだやかでバランスのとれたボディで、美しく熟成している。余韻も長く、すばらしい。
【90】
#本音を言えば、酔っ払う前に飲みたかった。

銘柄 リースリング・アイスヴァイン98(Kallstadter Steinmacker)
感想

山崎さん差し入れ。ファルツの生産者だ。黄緑がかった、やや薄いイエロー。香りは青リンゴ、白い花、ミネラル、ビニール、ハチミツ。味わいはアタックから蜜のような凝縮された甘さが広がり、それでいて果実味は若々しく、しなやかで豊かな酸がボディをきりりと引き締めている。これは理屈抜きに美味しいデザートワインだ。【85】

このあと、参加者の方の差し入れによるブラインドが続くのだけど、コメントをほとんど書き残さなかったので、その様子も含めて感想はコラムの方に書きます。
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