2000年8月7日(月)〜11日(金)
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日時 2000/8/7
銘柄 Ch.シトラン92
産地 仏>ボルドー>メドック>オーメドック
購入店 やまいち
価格 2280円
コメント 縁にややオレンジの色調が見える中程度のガーネット。 香りは開いていてすばらしい。 ブラックベリーのコンフィ、湿った土、木の根っこ、墨汁、甘草などの スパイス、モカ。 味わいは、そこそこの凝縮感があり、エレガント。 タンニンは角がとれてとけこんできているが、まだこなれきっていない様子で、後半にやや収斂性を残す。 豊かな酸と、果実味のバランスもよく、今とても飲み頃になっている。 なんだか久々に美味しいボルドーを飲んだ気分。
【85】
感想 今週は暑さで吹いてしまったワインを重点的に開けてみようと思う。 第一弾は92シトラン。鉛のキャップの裏とかボトルにかなり赤黒いしみ が残っている。2本買ったうち、一本は早々に飲んでしまったが、残りの 一本は飲み頃を待っているうちにこのありさま。 ところが、飲んでみると、これが超うれしい誤算で、典型的なほどよく 熟成したボルドーという雰囲気。凝縮感はそこそこだけれど、この暑い季節には「噛める」ようなものよりむしろこのくらいの方が飲みやすい。今まで飲んだシトランって、タニックという印象が強かったし、今回もまだかなりタンニンが目立つけど、決して不快なものではない。 もちろんより上位のワインのようななめらかさや構成の緻密さはないが、 2280円という買い値から考えると驚異的なCPのワインだ。
日時 2000/8/8
銘柄 ジュブレイ・シャンベルタン・クロ・プリュール96
(ジョゼフ・ロティ)
産地 仏>ブルゴーニュ>ジュブレイ・シャンベルタン村
購入店 やまいち
価格 3880円
コメント やや濃い目のルビーで、紫がかっている。 香りは、カシス、ラズベリーのジャム、それにかなり強めのなめし革、ジビエ、レバー。白胡椒などスパイシーな香りも。 味わいは、まずしっかりしたストラクチャーを感じる。 豊富なタンニン、力強い酸、それに対して果実味 が最初堅く閉じこもっていて、「辛い」という印象さえあるが、時間をおく と豊かな果実味が湧き上ってきて、バランスがよくなる。 これはさすがにまだ開けるのが早かったようだ。
翌日飲んでみると、香りはとんでしまったが、果実の甘味が増して、よりまろやかな味わいに。
【81点】
感想 「吹いた」ワイン第二弾、ジュブレイ・シャンベルタンの名門ジョゼフ・ ロティのワイン。IWCのタンザー氏も90点つけている銘柄だ。 まだ堅く閉じた感じの味わいに対して、香りにかなり強めの熟成香 を感じるあたり、多少熱の影響を感じるが、知らずに飲めばこんな もんだと思うだろう。村名とはいえ、すごくしっかりしたストラクチャー で、持っている人はまだ数年熟成させたほうがよさそうだ。今回点数が低めなのも、ワインそのものの資質というより、飲み頃をはずしたことが大きい。それにしても このワイン、コルクがかなりゆるめで、あまりにスッポリ抜けるたけど、 吹いたのはコルクのダルさが原因かもしれない。
日時 2000/8/10
銘柄 オート・コート・ド・ボーヌ97(ジャイエ・ジル)
産地 仏>ブルゴーニュ>オート・コート・ド・ボーヌ
購入店 やまいち
価格 3280円
コメント 中程度のルビーで、グラスの縁にかけてのグラデーションが美しい。香りはラズベリー、チェリー、ジビエ、なめし革、カラメル、ミルクチョコ。味わいはアタックからの豊かで純度の高い果実味が印象的で、酸は丸く果実の甘味をひきたて、タンニンもよくとけこんでいる。フィニッシュにも甘酸っぱい果実味が感じられ、余韻は中程度。大柄ではないが、みずみずしい果実味を中心としたバランスの良さが特徴の、よくまとまったピノノワールだ。
【85】
感想

吹いたワイン第3段。それにしても最近よく飲んでるなあ。ジャイエ・ジルを飲むのは3回目。評判の高い作り手にしては、今まで私が飲んだ印象は今ひとつだったんだけど、今回はまさに「3度目の正直」。いや、すばらしい味わいだった。オート・コート・ド・ボーヌでこれなら、エシュゾーあたりはどんな感じなのだろうと期待も高まる(セラーに一本保有)。ところで、「吹いた」状態に関しては、コルクに液体がべっとり、鉛のシールの裏もグッショリと、まさに「最近吹きました」といわんばかりなんだけど、味わいにはほとんど影響は感じられなかった。

日時 2000/8/11
銘柄 Ch.ブラネールデュクリュ97(demi)
産地 仏>ボルドー>メドック4級>サンジュリアン村
購入店 やまや
価格 1980円
コメント エッジが紫がかった濃いルビー。香りはカシス、プラムのシロップ漬け、乾燥ハーブ、ミルクティー。味わいはジューシーでやさしい果実味が第一印象。タンニンは丸く、アフターに粉っぽさを残し、酸もやわらかい。全般にシリアスさとは無縁で、今飲んで美味しい、やさしくチャーミングに仕上がったワインといえる。
【79点】
感想 会社帰りに実家に寄った折り、実家に蓄えてあった上記ワインを開けてみた。この銘柄は、タルボーやクレールミロンとともに、やまやのセールで何本かずつまとめ買いした97のハーフボトルのうちの一本。97というビンテージは何度も書いてるけど、本当に今でも美味しく飲めるやわらかで親しみやすい魅力がある。個人的には、もっと手ごわくても構成のしっかりしたタイプを好むけど、レストランでの飲むときややちょっと高めのデイリーワインとしては、値段も手ごろだし、よい選択だろうね。