2000年7月17日(月)
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「ワイン・スカラ 」の講座に飛び入りで。
AndyさんのHPの掲示板で表記の案内を見かけたので、早速行ってみた。私にしてはやけにフットワークがいいのは、このスクールの場所が会社から比較的近かったからだ。お題は「醸造家が伝えたいこと#4」。メルシャンのあの「北信シャルドネ」の醸造責任者である安蔵氏が、最近訪れたカリフォルニアとオレゴンのワイナリーについて、スライドをまじえて語り、そのあとで7種類のピノノワールを試飲するという内容。このスライドがとてもよく撮れていて、しかも醸造関係者の視点で見ているので、なかなか興味深く、面白く聞かせていただいた。後半の試飲は以下の銘柄ブラインドで。(下段に続く)

1本目

輝きのあるやや明るめのルビー。香りはフレッシュなイチゴ、フランボワーズ、小梅、回すと丁字、ジビエ、なめし革などのニュアンス。味わいは、アタックにしっかりした酸を感じ、その後で果 実の甘みが口の中に広がる。ピュアな果実味と締まった上質な酸が心地よく、繊細でよくできたワインだ。オレゴン?
【84】

答え→ ボーヌ・クロ・デ・ムーシュ96
     (J・ドルーアン)

って、今日はUSのワインだけじゃなかったの?(^ ^;

2本目 輝きのある中程度のルビー。香りは閉じ気味。イチゴ、チェリーなどの果 実と甘いキャンディのような香りをかすかに感じる。味わいは充実感のあるネットリした果 実味、酸はしっかりしているが丸くタンニンはきめ細かい。余韻にやや苦みがまざって立体的なフィニッシュ。果 実味中心の豊かでふくよかなピノ。カリフォルニア。【81】
答え→ ドメーヌ・ドルーアン
(オレゴン:ウイラメットヴァレー)

同系統の作り手とは…。あんまり共通性は見あたらないなあ。
3本目

色はややオレンジを感じる明るめのルビー。香りはラズベリーのリキュール、ダージリン、かすかになめし革。しばらくおくとムスクや化粧石鹸のような独特の香りも。味わいは果 実味と酸のバランスがよく、タンニンは豊かできめ細かい。酸はしっかりしなやか。バランス良好ですばらしい味わいだが、個性的な香りは好き嫌いが分かれるかも。【82】

答え→ パンサー・クリークBednarik Vinyard
(オレゴン:ウイラメットヴァレー

これはなかなか美味しい。香りがちょっと個性的だけど、私は好きだ。

4本目 紫がかったやや濃いめのルビー。イチゴ、ラズベリーのシロップ漬け、バニラ。あまり複雑さはなく甘い果 実の香り中心だ。味わいもやや不自然なくらい甘い果実味をアタックに感じるが、酸もしっかりしているので、ベタッとはならない。タンニンもきめ細かいが豊かでわずかに収斂 性を感じる。これはカリフォルニア。 【78】

答え→ クラウディ・ベイ98
(ニュージーランド:クラウディ・ベイ

講師の方はこれを一番好きだと言っていたが、私はあんまり好みじゃない。
5本目 ややオレンジが見える濃いめのルビー。香りは閉じているが、しばらくおくと甘いバニラや、ラズベリー、ダージリンなどをほんのり。味わいは凝縮感のある甘い果 実味をアタックに感じ、タンニンはやわらかく、アルコール度の高さを感じる。酸はやや平板か。厚みのある果 実味を中心としたピノ。これもカリフォルニアでしょう。【75】

答え→ ミューラー・ランチ23
(カリフォルニア>ソノマ>ラシアンリヴァーヴァレー

これはわりとありがちなカリピノのステレオタイプって感じ。
6本目 輝きのある中程度のルビー。香りはラズベリーのシロップ漬け、バニラ、ゴム、ジビエ。味わいは甘みの乗った果 実味としっかりした酸のバランスがよく、タンニンもよく溶け込んで、ネットリした質感。判りやすいおいしさ。カリフォルニア、カレラ・セントラルコーストあたり?
【84】

答え→ バイロン97
(カリフォルニア>サンタマリアヴァレー

なるほど、バイロンは以前飲んだことがあって、好感が持てると思ってたけど、今回のもグッドだ。
7本目 紫がかった濃いめのルビー。ややオリが見られる。と言うことはノンフィルター?香りはバニラの樽香がやや強めで、ブルーベリー、イチゴ、ややゴムのような香りも。味わいは分厚い果 実が甘みを伴い、酸は丸くややおだやかめ、タンニンはきめ細かく溶け込んでいて、甘い果 実味中心。ただ、その甘さがちょっと、私は好きになれない。カリフォルニアでしょう。【78】

答え→ ロバート・モンダヴィ・カーネロス96
(カリフォルニア>ナパ(ソノマ)>カーネロス

おや、これがモンダヴィとは、ちょっと期待はずれ。 モンダヴィは好きな銘柄なんだけど…。

テイスティングはすべてブラインドで行われた。
最初に、「この中でもっとも好きなものは?」という 質問。

6番が一番人気(12人)、次が4番(6人)と3番(4人)。私は1番か6番かと思ったんだけど、テイスティングが終わってなくて、手をあげそこねてしまった。

次の質問は、「この中でフランス産がひとつだけあります。」
これは1番か3番だろうと思ったが、1番が誰も挙げてないのでなんとなく躊躇。(って、今回来てるの関係者とかプロの人ばかりなんだもん…)で、3番に1票。
答えは、前述のとおり、1番でした。銘柄は私も飲んだことあるドルーアン。言われてみると、ああ、なるほどね、という感じ。

ふたつめの質問。「この中にもうひとつ産地の違うものがあります。NZ産です。」
NZのピノなんて飲んだことないけど、南島のマルボロ産ということは、気候は比較的冷涼だろうと、勝手に判断。そうすると、酸のしっかりした3番?
答えは4番。意外に穴だったようで、答えを聞いてみな「う〜む。」

さらに次の質問。「続いて、オレゴンのドメーヌ・ドルーアンのものは?」。
面白い質問だけど、さっぱりわからない。オレゴンのピノ、イコール透明度のある果実味としっかりした酸、と勝手に思い込んでる私は、相変わらず3番に1票。正解は2番だったけど、あんまり1番との共通性は思い当たらない。所変われば品変わるというやつか…。

今日の反省。私のテイスティングのスピードはのろますぎる。前半がかなり押したこともあって、やや後半はペースが早く、私のいつものテイスティングでは講義に追いついていけなかった。せっかく趣向がこらされていて面白いテイスティングだったのに…