2000年6月4日(日)
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6/4 「エノテカ」CLUB5 FAIR
「エノテカ」CLUB5 FAIR なる試飲会に参加してきた。CLUB5はボルドーの5つのシャトーのオーナーファミリーで組織されているとのことで、こちらでいえば、商店街のご近所同士の○○○会みたいなものだろう。それぞれのシャトーはボルドー各地域の中堅クラスで、銘柄、ビンテージともにバラエティに富んでいて、なかなか面 白い企画だった。詳細はまたコラムに書こうと思うので、ここでは簡単なコメントを。

銘柄

Ch.スミス・オー・ラフィット
仏>ボルドー>ペサック・レオニャン
※赤はグラーブ特級

93
やや黄緑がかった濃いめのイエロー。香りは洋ナシ、シナモン、薄めの黄色い花、ハチミツ、ミネラル。味わいはみずみずしい果 実味のアタックのあと、甘いハチミツのようなフレーバーが口中を満たす。酸は角が丸く上質で、ボリュームは中程度。酸味と甘みの乗った果 実味とのバランスがすばらしい白ワイン。
【89点】
95
縁にややピンクの色調が見える濃いめのガーネット。香りは特徴的な青いハーブ香、フレッシュなカシス、ミルクチョコレートなど。味わいも果 実味豊かだが、若干青っぽさを感じ、タンニンは緻密だが収斂性がある。酸はしっかりとしていて、全体の構成には密度感がある。現時点ではまだ各要素が融和していないが、時間とともにしなやかなワインになるのだろう。
【84点】
82
ややレンガのニュアンスを感じるオレンジガーネット。香りは赤系果 実のシロップ漬け、砂糖菓子のような甘い香り、焼き栗、エスプレッソ、甘草。
果実味は残っているが、タンニンはおとなしく、酸が目だち、期待したほどの凝縮感は感じない。 全般に熟成がかなり進んでいるようで、ちょっと構成がダルな印象だ。
【82点】
銘柄

Ch.ポンテ・カネ仏>ボルドー>メドック5級>ポイヤック

94 縁に紫を帯びた非常に濃いルビー。
香りはカシス、ブルーベリーのシロップ漬け。丁字や生肉のニュアンスも。
味わいは丸くしっかりした酸とやや収斂性を伴ったタンニンが凝縮感のある果 実味とよくバランスされ、しっかりしたストラクチャーを感じる。すばらしいワインだが、一緒に飲んだ他銘柄の95ビンテージと比べると各要素のキメの粗さというか、緻密さで一歩譲る感がある。
【83点】
82

ややオレンジがかった濃いガーネット。香りはしっかりと閉じており、時間とともにほのかなカシスリキュール、バラの香水などの甘い香りがわきあがってくる。味わいはタンニンがまだしっかりしており、構成のしっかりしたワインという印象を受けるが、いかんせんとっつきにくい。 まだ時間が必要か?
【84点】

銘柄

Ch.ラフォンロシェ
仏>ボルドー>メドック4級>サンテステフ

95 縁に紫を帯びた非常に濃いルビー。香りはブラックベリーのコンフィ、甘草、黒砂糖菓子、モカ。味わいは濃縮感のある豊かな果 実味としっかりした丸い酸、やや収斂性のあるキメ細かいタンニンがバランスよく、フルボディで生真面 目なワイン。このビンテージは一昨年暮れ頃によく飲んだが、その頃よりずいぶんしなやかになった感じだ。
【86点】
82 縁にオレンジがかった濃いガーネット。香りはカシスリキュール、甘草、漢方薬、湿った土。味わいは濃縮感のある果 実、タンニンは豊富だがよく溶け込んでいて、酸がややバランス的に強めか。フィニッシュにも甘苦い果 実味を感じる。きれいに熟成していて、今回飲んだ82ビンテージの中では最も印象に残った。
【88点】
銘柄

Ch.ガザン
仏>ボルドー>ポムロール

95 やや紫がかった濃いガーネット。香りはプラム、ブルーベリー、モカ、ビターチョコ。味わいはフレッシュ感のある果 実味、しっかりした丸い酸、豊かだがきめ細かいタンニン、全般に力強さはあまりないが、バランスがよくしなやかで今すでに美味しく飲める。
【88点】
89 縁にややピンクがかった濃いガーネット。香りは乾いており、ドライフルーツ、麦藁、スーボワ。しばらく置くと甘いリキュール香がほんのりと。味わいは濃縮感のある果 実味、タンニンはきめ細かいがやや収斂性があり、酸はおだやか。凝縮された果 実味中心のバランスで今とても良い状態だ。
【87点】
銘柄

Ch.ブラネール・デュクリュ
仏>ボルドー>メドック4級>サンジュリアン

95 縁にやや紫を帯びた濃いガーネット。香りは閉じ気味。ブルーベリー、ハーブ、樽からのロースト香。味わいはやわらかいが存在感のある酸、タンニンは丸みを帯びていて、ややハーブっぽいフレッシュ感のある果 実味とよく調和している。フィニッシュには樽からのフレーバーも感じ、ちょっと独特の味わい。
【85点】
89 縁にピンクがかった濃いガーネット。香りはバラの香水、プラム、カシスのコンフィ。さまざまなスパイス。味わいは豊かな果 実味とやわらかく上質な酸とのバランスがよく、タンニンはよく溶け込んでいる。全般 にしなやかな印象のワイン。
【87点】
銘柄

クロ・ド・ロラトワール95
仏>ボルドー>サンテミリオン・グランクリュクラッセ

紫がかった濃いルビー。香りは樽香が強く、焼き栗、エスプレッソ、プラム、漢方系スパイス。味わいはやわらかな果 実味、酸はしっかりしており、タンニンは丸いが豊富で収斂性がある。各要素とも豊富だが角がとれていてまろやかな味わいで、ミニ・モンドットという雰囲気。
【85点】
銘柄

ラ・モンドット96
仏>ボルドー>サンテミリオン

縁にやや紫がかった濃いガーネット。香りはこれも樽香が強烈で、栗、エスプレッソ、トースト、焼いたプラム菓子、回すと生肉、レバー、ユーカリなど。果 実は豊かで凝縮感があり、酸は丸くしなやかでバランス的にやや目立つ。きめが細かく、ベルベットのようなタンニン。う〜ん、ひとことで言うと「濃いワイン」。さすがは話題の銘柄、各要素の緻密さが1ランク上という感じだが、5万を超える値段は「?」。
【92点】