2000年2月19日(土)
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エノテカテイスティング会
ワインスクールの友人たちに誘われて、エノテカのテイスティング会へ。若いビンテージ中心だが、集まった銘柄は超豪華なラインアップで、期待も高まる。
まずはチリ対決から。

銘柄 ドン・メルチョール96
(コンチャイトロ)
チリ>マイポバレー/赤
コメント 紫がかった濃いルビー。香りはやや閉じている。ブルーベリー、カシス。やや青っぽい要素もある。回すと丁字などのニュアンスも。アタックは強めで凝縮感のある果実味を感じ、酸はしっかりしており、ボリュームは大きめ。タンニンは後半にかけて広がる。まだ若く、フレッシュな果実と酸が中心の構造だが、もう少し寝かせると面白そう。
【84】
銘柄 アルマヴィーヴァ97
チリ>マイポバレー/赤
コメント 上の銘柄よりさらに濃い、紫がかった濃いルビ。。香りはトップノーズに青っぽい香りを感じ、しばらく置くとブルーベリージャム、カシスのほか、モカ、バニラなどの香りが強く感じられるようになる。
味わいは、果実の凝縮感があり、酸、タンニンともきめが細かく上質で、上記銘柄より一回り上手の印象。フィニッシュにやや甘みののった果実のフレーバーを感じ、余韻はやや長め。酸、タンニンが大人めでやや平板な気もするが、レベルは高く、ある意味チリワインの究極の姿といえるかもしれない。
【87】

次は、ルーチェとUS2銘柄。
銘柄 ルーチェ96
イタリア>トスカーナ/赤
コメント 紫がかった濃いめのルビー。香りは閉じていたがしばらくすると開いてきた。若い黒系果実のコンフィ、黒オリーブ、メンソール。
味わいは、熟した果実のフレーバーとしなやかな酸のバランスがすばらしく、タンニンはきめが細かく、スルスルと飲める。気がついたらグラスが空になっていた。
【88】
銘柄 カベルネソービニヨン・リザーブ96
ロバートモンダビ
カリフォルニア>ナパヴァレー/赤
コメント この辺から、色についてのメモをとるのを忘れる。
香りはブラックチェリー、プラムのジャム。チョコレートやモカの樽香。黒オリーブなどのオイリーな香りも。アタックはまろやかで果実の凝縮感がすばらしく、厚みがある。酸はしなやかでタンニンキメ細かく、フィニッシュには酸を伴った果実のフレーバーが感じられる。今飲んで美味しい。オーパスの半額程度であることを考えるとCPは一番かも。
【90】
銘柄 オーパスワン96
カリフォルニア>ナパヴァレー/赤
コメント ブラックチェリーのシロップ漬け、カシスリキュール、タール、チョコレート。アタックはまろやかで甘苦い豊かな果実のフレーバー。酸は上質で、タンニンは量は多いがきめが細かくフィニッシュにかけて広がる。アフターには甘みを伴った果実味とチョコレートっぽいフレーバーが層をなし、余韻はとても長い。96オーパスはよいと言う評判は聞いていたが、これは確かにすごいワインだ。
【93】

かなり酔いも回ってきたところで、 バロンフィリップ3銘柄へ。
銘柄 Ch.クレールミロン96
仏>ボルドー>メドック>ポイヤック5級/赤
コメント ブラックベリー、カシスなどの黒系果実のコンフィ。湿った土、鉛筆の芯。アタックは強めで凝縮した果実味を感じ、酸はしっかりめ。タンニンの量は多めで粉っぽいが不快ではない。余韻は長めで、全般に各要素のバランスが良好。ボトルのコンディションや心理的な要素もあるのだろうけど、日頃よく飲む94などに比べると段違いに素晴らしい印象。
【88】
銘柄 Ch.ダルマイヤック95
仏>ボルドー>メドック>ポイヤック5級/赤
コメント 香りはやや閉じていて、黒系果実中心。アタックはまろやかだがしっかりとしており、凝縮感のある果実味。酸はしっかりしており、タンニンも多め。各構成要素がしっかりしていて堅牢な印象。フィニッシュには粉っぽいタンニンを伴う。このワインも93、94などは日頃よく飲むが、さすがに95は凝縮感があり骨格がしっかりしている。すばらしいが、飲み頃はまだ先だろう。
【87】
銘柄 Ch.ムートンロトシルト96
仏>ボルドー>メドック>ポイヤック1級/赤
コメント 最後はやはりこれ。96ムートン。
香りはトーストのような香ばしいロースト香が支配的。他に黒系果実のコンフィや甘草などのスパイス。アタックはまろやかでよく熟した豊かな果実のフレーバー。酸はしっかりしているがしなやかで、タンニンはとてもきめ細かく、ボリュームは大きめ。フィニッシュにはやや甘みすら感じる果実味とローストっぽいフレーバーを感じ、余韻はとても長い。各構成要素の緻密さという点で上記2銘柄よりも明らかに上手。今でもすでに美味しいが、まだ複雑さはあまり感じられず、さすがにまだもったいない感じ。末恐ろしいワイン。
【92】
実はもう1種類、フレスコバルディの「ラマイオーネ96」という銘柄を飲んだのだが、メモを取り忘れてしまった。そもそもきちんとメモをとっていたのは最初のチリの2銘柄だけで、その後は会話に花が咲いたり酔いが回ったりで結構手抜き。そんな中では、やはりオーパスワンとムートンが頭一つ抜きんでていた印象がある。ロバートモンダビも相当良かった。チリの2銘柄は単体で飲めば「おっ、結構いいじゃん!」となると思うけど、さすがにムートンやオーパスと比べるのは可哀想。全般に若めのビンテージ中心で、ちょっともったいない感もある今回のテイスティング銘柄だったが、ひとことでまとめると、今飲んで素晴らしいカリフォルニアと将来楽しみなボルドーというところだろうか。

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