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大腸がん手術体験記

2018.04.10. 掲載
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目次
1.はじめに
2.がんを疑う
3.S病院外来受診
4.S病院入院
 1)入院中に行う と決めたこと
 2)手術まで
5.手術当日
6.手術後 退院まで
7.退院
 退院後の目標
 退院後2週間(2/27〜3/13)
 退院後2週間目のサーベイランス(3/13)
 退院後3〜6週間(3/14〜4/10)
 退院後6週間目のサーベイランス(4/10)
8.大腸がん手術雑考
 がんを疑う に関連して
 S病院外来受診 に関連して
 S病院入院 に関連して
 手術当日 に関連して
 手術後 退院まで に関連して
9.まとめ


1.はじめに

生まれて初めて全身麻酔下での手術を受け、大腸がんとして、大腸の約半分を切除する手術を受けた。このような体験はかけがえのない貴重なものであり、その体験記録を残しておくことにした。

記事はかなり膨大になることが予想されるので、関心のある個所を見つけ易いように、いったん目次に戻り、そこから求める項目にジャンプできるようにリンクを張った。

目次の2.から目次7.までは、データを時系列順に並べている。目次8.の大腸がん手術雑考では、この手術で体験したこと、学んだこと、考えたことなどを、目次の2.から7.までのカテゴリーに沿ってまとめた。

私にとっては、そのいずれも大切な記録であり、自分のためにまとめたものだが、他の方のお役にたつところがあれば、望外の喜びである。


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2.がんを疑う

2018年1月23日(火)、朝から夕方まで、腹部全体の鈍痛〜膨満感、絞扼感が続いた。その日は息子宅で孫の守りをしていたので、息子に胸部と腹部のX線透視と腹部エコー検査を頼んだが著変なく、通常の血液検査を受けた。

その結果が25日(木)に届き、赤血球数(RBC)385万、血色素(Hb)8.0、平均赤血球容積(MCV)76.1で、小球性低色素性貧血であることが分かった。これは鉄欠乏性貧血であることが多く、その原因は慢性的な出血によって、血液の材料である鉄が失われることにより生ずる場合が多い。

1年前の2017年1月11日のデータがあり、それではRBC469万、Hb14.2、MCV91.9で正常である。循環血液量は、体重の約1/13とされているので、体重64kgの私の場合、64000g×1/13≒4900ml となる。

1年前のHb14.2 が8.0 に減少していることから計算すると、8.0/14.2≒56% となり、循環血液量は本来の量の56% に減っている。つまり、体内の血液の44% が失われたことになる。

循環血液量の3分の1が急激に失われると、血圧が低下して出血性ショックに陥り、生命の危険がある。 2分の1以上失われると心停止をきたすとされている。私の場合、3分の1どころか4割以上も失われたのにもかかわらず、ショックにならず生きてこれたのは、出血がゆっくり進んだということだろう。

ということは、私の体内にゆっくり出血してきた源があると思われる。腹痛以外の症状が無いことから、出血源として消化管の悪性腫瘍が疑われる。

どこで精密検査を受けるかについては、S病院を選んだ。ここは、私が生まれて初めて入院し、手術を受けた病院で、その時の印象が良かったこと、私がリタイヤしたあとの医院を引き継いだ息子が、それまで勤めていた病院であることが影響していると思う。


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3.S病院外来受診

息子に紹介状を書いてもらい、1月29日(月)にS病院の地域医療連携室を通して、血液内科S先生を受診した。

●血液内科S先生受診(1/29月)
 ・一般血液検査(1/29月)の指示を受けた
 ・腹部エコー検査(1/29月)の指示を受けた
 ・S先生より検査結果の説明を受け、消化器内科Y先生に紹介された

●消化器内科Y先生受診(1/29月と1/31水)
 ・一般血液検査(1/31水)の指示を受けた
 ・腹部胸部造影CT検査(1/31水)の指示を受けた
 ・大腸内視鏡検査(1/31水)の指示を受けた
 ・心エコー検査(1/31水)の指示を受けた
 ・検査結果から、上行結腸がんと診断され、消化器外科N先生に紹介された

●消化器外科N先生受診(1/31水)
 ・消化器外科A先生に紹介された

●消化器外科A先生受診(2/6火)
 ・2月9日入院の指示を受けた


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4.S病院入院

入院中に行う と決めたこと

・クリニカル・パス という 病院が決めた入院中の予定 に従う

・食べもの、飲料、嗜好品の摂取は病院の指示に従う

・給食は全部食べ、味の評価を付ける

・できるだけ記録を残す

・記録の前に時刻 hh:mm をつける

・記録は定量、疑似定量、半定量で記載する

  疑似定量
   尿量:秒数
   オナラ:秒数

  半定量
   便意:0  1   2   3
   便量:0  少量  中量  大量
   音量:0  小   中   大

・定性的表現の形容
   便種:水様   泥状   軟    普通   団子
   太さ:極細   細    中    太
   色調:茶    黒    白    赤

・略名の活用
   BT:体温
   BP:血圧
   P:脈拍
   Sp:血中酸素飽和度
   BS:血糖
   I:インシュリン注射
   BW:体重
   XP:X線撮影

・便通を最も注目する項目とする

・妻に記録データのメモを頼む

・病院の許可を得て、耳の不自由な私の付添いを妻に頼む

・半年前から皮膚が痒いが、痒い皮膚を極力掻かないようにする

・アルコールは、手術後の経過が安定するまで飲まない


手術まで

●入院当日(2/9 金)
・16:30 N部長回診
・18:20 夕食
・19:30 排便
・20:00 入浴
・   薬剤師来室 服用薬を預ける
・   A先生来室
・   内分泌代謝内科I先生来室、糖尿病管理の説明を受く

●入院2日目(2/10 土)
・06:30 採血
・07:50 朝食
・09:30 留置針
・10:00 A先生来室
・11:00 排便
・11:30 BT36'3、BP135/59、Sp97
・12:00 昼食
・14:25 BP128/60、保存血輸血400ml
・14:32 BT36'7、BP117/58、Sp96
・14:44 BT36'1、BP126/66、Sp96
・16:05 BT36'1、BP136/70、Sp96
・18:10 夕食

●入院3日目(2/11 日)
・10:11 BT36'5、BP136/62
・10:29 BT36'5、BP131/66、P71、Sp96、保存血輸血400ml
・10:34 BP122/68、P72、Sp96
・13:27 BP132/68、Sp95
・13:30 昼食

●入院4日目(2/12 月)
・07:00 排便
・11:00 A先生来室
・11:37 BS183
・12:55 排便
・13:10 排便
・14:30 排便
・17:50 BS130
・18:30 夕食
・21:45 BS176

●手術前日(2/13 火)
・06:00 一般採血 BS140
・10:30 BT36'7、BP125/64、Spo97
・10:40 BS185
・13:40 A先生から、私、私の妻、私の息子に手術の説明あり
・14:35 下剤ニフレックスを飲み始める
・15:34 排便
・16:02 排便
・16:26 下剤ニフレックスを飲み終わる
・17:00 排便
・17:53 BS136
・22:00 眠剤(ゾルピデム酒石酸塩錠)服用後、就眠
・   A先生 執刀医 主治医来室
・   K先生 手術助手 副主治医来室
・   麻酔医 N先生来室
・   内分泌代謝内科 I先生来室
・   手術室看護師来室


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5.手術当日

●手術当日(2/14 水)
・03:20 水様便中量
・06:10 BP136/68、Sp96、BS148
・08:45 水様便中量
・10:00 入浴
・10:30 A先生来室
・11:00 妻の「付添願い」を提出
・11:40 BT36'3、BP136/76、Sp96、BS145
・12:30 ベッドで手術室へ移動
・   手術 麻酔
・   酸素吸入・鼻腔ゾンデ・硬膜外麻酔チューブ・腹腔ドレーン・点滴留置針挿入
・   足マッサージ器装着
・   鼻腔ゾンデ抜去
・17:20 A先生より妻に手術結果の説明あり
・17:46 手術室より帰室 BT36'9、BP160/77、Sp99、BS141
・18:16 BT35'9、BP155/71
・18:31 腹痛に対し点滴で痛み止めを入れる
・18:41 息子からのメールを読む
・19:00 BT35'7 BP145/67 Sp100
・19:14 K先生来室
・19:49 BT36'1、BP128/59
・20:00 「寒い寒い」と訴え、検査着を交換、濡れているシーツにバスタオルを当てる
・20:20 A先生来室
・22:00 息子来室
・22:06 BT36'4、BP134/69、Sp99、P81、BS246
・23:28 Bt36'4、BP118/54、P78
・01:30 痛み止めの点滴
・02:00 息子帰る
・06:30 抗生剤点滴


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6.手術後 退院まで

●術後1日目(2/15 木)
・07:15 BT37'4、BP112/46、P75、Sp100、BS256、I注
・08:00 酸素吸入外す
・09:20 A先生来室
・09:46 BT36'5、BP114/63
・10:00 I先生来室
・10:52 BS174、足マッサージ器外す
・14:10 痛み止めの点滴
・14:55 抗生剤点滴
・15:00 胸部XP
・15:10 BT36'7、BP141/63、ベッドの頭部を起こし座位にする
・15:40 病室から詰所まで歩く
・17:00 便意あるも排便なし                      便通なし
・17:27 BS182
・18:15 便意あるも排便なし                      便通なし
・18:30 K先生来室 新しい腹帯に取り替える
・19:31 BT36'7、BP135/72、Sp96
・21:10 便意あるも排便なし                      便通なし
・21:57 BS185、抗生剤点滴
・02:30 便意あるも排便なし                      便通なし
・04:40 便意あるも排便なし                      便通なし
・05:52 BS199、抗生剤点滴

●術後2日目(2/16 金)
・07:15 カマ1T 茶70
・07:34 オナラ2
・10:15 BT36'5、BP87/61
・10:30 陰茎の先がズキズキ、チクチク痛む
・10:40 A先生来室
・10:56 BP125/59
・11:00 補液(ソリューゲンF)開始
・11:30 オナラ3
・11:47 オナラ大
・11:56 オナラ大
・12:00 BS169
・12:08 オナラ小
・12:29 オナラ中
・12:34 オナラ中
・12:40 オナラ小
・12:42 オナラ大
・13:11 カマ1T 茶70 ・14:40 BT36'9、BP103/66、Sp95、抗生剤点滴
・15:00 K先生来室 お腹動いているが少し弱い
・16:00 BP111/57 詰所まで歩く 腹痛強い
・16:35 N部長回診 ロキソニン1 茶25
・17:02 オナラ大
・17:05 オナラ大
・17:24 BS157
・17:42 オナラ中 オナラ小5
・18:04 オナラ大
・18:30 BT36'0、BP130/56
・18:38 カマ1T、茶50、I先生来室
・19:00 便意あるも排便なし、眠る                   便通なし
・20:30 BS131
・20:45 BT37'1、BP131/67

●術後3日目(2/17 土)
・06:00 採血 Hb10.2、WBC6800、CRP9.03
・06:40 導尿チューブ抜去
・07:40 朝食おもゆ ベッドに座って食べる
・08:00 カマ1T、茶50
・09:00 下着とシーツを大便で汚す                   便通異常
・09:20 地下3階で胸部XP、その間にシーツ交換
・09:40 硬膜外麻酔のチューブをK先生が抜去
・09:57 BT36'1、BP126/62、P68、Sp95
・11:13 オナラ大2
・11:22 オナラ中、BS116
・12:00 オナラ大5
・12:19 昼食
・13:10 A先生来室「お腹よく動いている」
・13:27 オナラ3
・14:00 尿160、水様便多量頻回 腹スッキリ                便通異常
・14:10 I先生来室
・15:20 尿210、水様便少量                       便通少量
・16:27 オナラ、便もおしめ内に出たもよう
・17:25 尿120
・17:50 BS193
・18:23 夕食
・18:55 オナラ大3
・19:11 オナラ大4
・19:22 オナラ3
・19:32 尿100
・19:53 オナラ1
・19:57 オナラ6
・20:04 オナラ3
・20:13 オナラ5
・21:22 オナラ3
・21:40 尿100、水様便少量                       便通少量
・22:00 BS219、I注、ロキソ1T、茶50、抗生剤点滴

●術後4日目(2/18 日)
・06:17 BS139
・06:30 激しい発汗、シーツ交換
・06:45 尿43
・08:00 朝食、眠る
・08:25 I注
・09:20 オナラ1
・09:54 オナラ3、眠る
・10:41 オナラ大1
・11:00 BT36'9、BP144/71、Spo97
・11:18 尿
・11:20 オナラ2
・11:25 補液開始
・11:28 BS205
・12:10 昼食
・12:41 カマ1T
・12:57 オナラ7
・13:09 I注
・13:11 オナラ1、眠る
・14:24 K先生傷交換、「お腹よく動いている」と
・14:29 オナラ3
・14:36 尿大量、泥状便中量                      便通異常
・15:06 「マコ、わがままばかりでごめんね」の歌が頭に浮かぶ
・16:55 尿47、自分でベッドから起き、トイレに行き、ベッドに戻り、眠る
・17:38 BS101
・18:15 夕食
・19:12 オナラ1
・20:00 息子帰る、尿34
・21:36 オナラ3
・21:49 BS132
・22:44 尿33
・01:35 尿31
・05:45 尿35
・05:30 多量発汗、パジャマ着替え

●術後5日目(2/19 月)
・07:10 BS141
・07:26 朝食、カマ1T
・08:11 尿37、眠る
・08:55 I注
・09:20 BT36'2、BP134/73、P73
・11:09 尿40
・11:19 婦長来室
・11:23 オナラ3、オナラ3
・11:57 BS209
・12:15 昼食
・12:52 I注、カマ1T
・13:00 K先生来室、「お腹が痛い」と告げる
・13:10 腹を痛がり眠ってばかり、ロキソ1T服用
・13:54 傷口から浸出液あり、ガーゼ交換
・14:40 点滴留置針抜去
・14:51 尿48
・15:00 腹痛↓
・15:40 A先生来室、「経過良好」と
・16:16 オナラ5
・17:53 BS143
・18:00 I先生来室
・18:20 夕食、カマ1T
・18:49 I注
・18:55 K先生来室、「ロキソで腹痛とれた」と報告
・19:26 オナラ3
・19:40 右肩にホットパック
・20:27 ホカホカを両下肢、右肋骨弓に当てる
・21:47 BS155
・22:00 ロキソ1T
・22:12 尿55、軟便中量                        便通正常

●術後6日目(2/20 火)
・05:50 尿56
・06:56 BS146
・07:18 I注
・07:30 朝食
・08:20 尿32、普通便中量                       便通正常
・08:34 K先生来室、「右肋骨弓辺りが痛む」と告げる
・09:30 I先生来室「ドレーンが抜ければI注を経口投与に変える」と
・10:31 BT36'2、BP141/72、P68
・10:55 オナラ3
・11:31 オナラ5
・11:46 BS153
・11:54 I注
・12:00 昼食、茶500ml
・12:40 ロキソ1T、カマ1T
・12:46 尿48
・13:21 オナラ2
・13:50 オナラ1
・14:30 K先生来室、ドレーン抜去(採血結果異常なし)
・15:30 A先生来室、採血結果問題なし、WBC正常
・15:40 頭髪シャンプーを看護師にしてもらう
・16:00 A先生来室、病理診断でリンパ節2個に転移あり、ステージIII-a
     術後補助化学療法の説明あり
・17:36 尿82
・17:46 BS140
・17:56 I注
・18:49 オナラ2
・19:01 オナラ1
・19:08 オナラ4
・19:14 オナラ3
・20:19 尿60
・21:22 尿30、軟便中量                        便通正常
・21:28 ロキソ1T
・21:50 BS148
・21:55 オナラ2
・22:00 オナラ3
・22:23 尿48
・22:40 オナラ5
・00:52 尿48

●術後7日目(2/21 水)
・05:50 尿86、普通便少量                       便通少量
・06:40 尿40、軟便中量                        便通正常
・06:59 BS148
・07:15 I注4U
・07:30 朝食、茶300、牛乳200
・08:00 カマ1T
・08:52 尿50、水様便中量                       便通異常
・09:15 K先生来室、傷口に透明テープ貼る、「シャワー可」と
・09:39 BT36'3、BP121/57、P66
・11:00 I先生来室、糖尿病治療をメトグルコ2T分2服用から開始
・11:19 尿43、尻洗浄で水様便大量、眠る                便通異常
・11:53 BS208
・11:58 I注
・12:08 A先生来室
・12:30 昼食、ロキソ1T、カマ1T止、眠る
・14:51 尿35
・14:54 オナラ2
・15:20 病院の2階と1階を院内歩行、右肋骨弓部痛あり
・16:10 K先生来室、経過順調と
・17:35 BS170
・17:43 尿43
・18:10 夕食
・18:27 カマ1T止、メトグ1T
・18:45 オナラ1
・19:36 尿34
・19:37 自分で身体のシャワー
・19:57 茶150、眠る
・21:40 オナラ2
・22:00 BS195
・22:10 尿43
・22:13 ロキソ1T
・03:20 尿43
・03:37 悪寒あるも、BT36'5
・04:00 大腿にホカホカ貼る

●術後8日目(2/22 木)
・06:00 尿24、尻洗浄で便意2普通便大量                便通正常
・06:46 BS147
・06:51 ロキソ1T
・07:30 朝食
・07:58 メトグ1T、カマ1T止
・08:50 K先生来室、「腹が少し張っている」と
・08:51 カマ1T服用
・09:01 尿41、オナラと同時に普通便中大量               便通正常
・09:39 BT36'4、BP120/64
・10:29 尿30、尻洗浄で便意2水様便少量                便通異常
・11:46 BS173
・12:00 昼食、カマ1Tは止
・13:30 I先生来室
・14:27 尿30、オナラ1、尻洗浄で便意2固形便中量            便通正常
・16:10 尿39
・16:25 オナラ2
・17:25 尿40
・17:46 BS145
・18:01 夕食
・18:19 尿40、オナラ2、メトグ1T、ロキソ1T、カマ1T止
・20:00 ドレーン抜去跡より浸出液、ガーゼ当てる
・20:32 尿43
・21:54 BS183
・22:15 尿66
・22:24 ロキソ1T
・02:06 尿46

●術後9日目(2/23 金)
・06:30 BT36'7 BS143
・07:40 朝食、メトグ1T、カマ1T
・09:00 K先生来室、来週半ばに退院、ドレーン抜去痕ガーゼ交換
・09:50 尿54
・10:00 オナラ2
・10:20 A先生来室、「来週半ばに退院」と
・10:44 BT36'4、BP140/67、P97
・11:08 内分泌代謝内科T先生来室
・11:40 尿46、オナラ1
・11:47 BS145
・12:18 昼食、カマ1T
・12:41 ロキソ1T
・13:12 尿70、オナラ2
・13:40 K先生来室、ドレーン抜去痕を3針縫合
・14:07 I先生来室、糖尿病薬の説明
・15:00 自分でシャワー、縫合部分は透明テープ貼付
・15:46 尿43
・16:30 N部長回診
・17:40 尿50、オナラ2
・17:46 BS146
・18:00 夕食
・18:36 メトグ1T、カマ1T、ロキソ1T服用
・18:40 オナラ2
・20:11 尿40、尻洗浄便意2普通便少量                  便通少量
・21:56 BS177
・22:24 尿45
・02:45 尿47

●術後10日目(2/24 土)
・06:42 採血 BS114
・06:54 尿40、オナラ1
・08:00 朝食
・08:36 メトグ1T、カマ1T、ロキソ1T服用
・09:45 尿33、オナラ1
・10:00 BT36'4、BP151/76、Sp96
・11:00 K先生来室、「腹動いている、縫合部きれい、採血異常なし」と
・12:30 昼食
・12:45 尿39、オナラ1、尻洗浄排便なし
・12:54 カマ1T、ロキソ1T服用、A先生来室、「退院の日を決めるように」と
・14:30 BP162/74
・15:57 尿40、オナラ2、普通便中量                   便通正常
・16:00 息子来室
・17:00 息子帰る
・17:08 尿47
・17:55 尿40
・18:10 BS157
・18:30 夕食
・18:50 メトグ1T、カマ1T、ロキソ1T服用
・19:41 尿38
・20:00 自分でシャワー
・20:41 ナース腹部視診
・21:35 尿50
・22:05 ロキソ1T
・22:06 オナラ3
・22:36 尿50、オナラ2
・01:00 尿60
・03:20 尿59
・05:20 尿49

●術後11日目(2/25 日)
・07:28 BT36'4 BS135
・08:00 メトグ1T、カマ1T、ロキソ1T止
・09:00 K先生来室、テープ貼替え
・09:30 尿38
・10:35 尿60
・11:16 BT36'8、BP136/88
・11:30 尿39
・12:41 尿45、オナラ2
・13:38 尿66
・14:12 尿44、オナラ2
・15:02 尿48
・16:15 尿45
・16:59 尿39
・17:43 BS140
・17:58 尿41
・18:00 夕食
・18:19 メトグ1T、カマ1T
・19:35 尿50、普通便大量(入院中で最大)               便通正常
・21:21 尿41
・22:00 ロキソ1T
・05:06 尿47

●術後12日目(2/26 月)
・06:30 尿33、オナラ1
・06:48 BS139
・07:30 朝食
・08:18 尿22、尻洗浄後不消化便大量                  便通異常
・09:00 K先生来室
・09:29 I先生来室
・09:47 BT36'6、BP120/97
・10:30 尿49
・11:58 尿50
・12:00 昼食
・12:17 カマ1T
・13:00 尿39
・13:43 尿35
・14:20 ナースより退院の説明
・14:40 薬剤師よりもらって帰る薬の説明
・15:05 尿60
・16:22 尿49、オナラ2
・17:10 尿45
・17:50 BS115
・18:18 尿50
・18:46 夕食、メトグ1T、カマ1T、眠る
・19:40 尿46、普通便中量                       便通正常
・19:50 自分でシャワー
・20:50 オナラ2
・21:18 尿44
・00:51 尿46、普通便中量                       便通正常
・04:40 尿41


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7.退院

退院後の目標

一日のサイクル:起床 朝食 昼食 夕食 入浴 就眠の時間的サイクルは変えない

飲酒: 手術前は夕食時にビールを3缶以上飲んできたが、当分止める(2か月間くらい)

歩行: 足腰の筋力の低下を回復させるため、歩行をできるだけ増やし、手術前の状態に戻したい

姿勢:猫背は嫌いなので、姿勢に気をつける。長時間のデスクワークが一番影響するので注意する。

仕事: 仕事のスケジュールを立て、優先順位の高いものから処理していく

休息: デスクワークは、没頭してしまいやすいので、意識して休息の時間を作る

食事: 入院後、食べ物の嗜好が変わったので、食べたい、美味しい、体力回復に役立つ食事を工夫する

排便: 自分に合った排便方法の確立を最優先課題と考え、試行錯誤で見つける

退院後2週間(2/27〜3/13)

●退院 当日2月27 日 火
・06:05 尿44
・06:30 BT36'4
・06:45 ロキソ1T
・06:57 BS139
・07:45 朝食
・08:09 メトグ1T、カマ1T
・08:50 K先生来室
・15:44 尿52
・18:00 便意0普通便中量                       便通正常
・05:00 尿50、オナラ5

●退院後 1日目2月28日 水
・10:30 便意0普通便大量 オナラ3                   便通正常
・11:00 便意3下痢便大量                       便通異常
・   カマ1T止
・17:33 便意3下痢便大量                       便通異常
・23:55 尿33、夕食後眠る、便意0
・   カマ1T止
・   入浴後 BW58.25

●退院後 2日目3月1日 木 術後15日目
・07:00 排尿、便意3で大量オナラ
・   カマ1T止
・10:30 尿40便意0
・11:30 マンションの裏を歩行後、尿30
・   カマ1T止
・15:15 尿30 便意2普通便中量                     便通正常
・17:15 尿33 オナラ3
・19:04 尿34 オナラ2
・   カマ1T止
・20:55 尿46
・22:42 尿24、オナラ2
・   入浴後 BW58.95

●退院後 3日目3月2日 金
・04:56 尿90
・07:10 尿39
・08:40 尿20、便意0腹圧固形軟便中量、カマ1T夕食後に変更       便通正常
・14:45 尿42オナラ2
・22:00 尿40オナラ2
・22:20 入浴後 BW59.30
・23:00 オナラ5

●退院後 4日目3月3日 土
・04:40 尿44、オナラ3
・08:08 尿84
・10:00 尿39、便意0腹圧普通便中大量                  便通正常
・   阪急デパートまで往復タクシー
・17:20 尿47
・18:30 尿48、蟹なべ
・19:30 オナラ3、メト2T、カマ1T
・20:10 尿38、オナラ2
・21:50 腹痛、腹圧固形便中量、軟便少量→腹痛↓             便通異常
・23:57 尿48、軟便少量                         便通異常
・   入浴後 BW58.45

●退院後 5日目3月4日 日
・03:21 尿66
・07:15 尿46
・08:55 尿49
・12:15 尿37
・14:12 尿48
・17:00 尿38
・20:50 尿30
・21:50 オナラ3
・21:56 オナラ3
・22:10 オナラ3
・23:00 尿29、オナラ1、入浴後 BW58.30                 便通なし

●退院後 6日目3月5日 月
・00:50 尿34
・08:00 尿48、オナラ1
・09:00 尿30、カマ1T追加
・16:00 オナラ3、尿40
・17:50 オナラ5
・17:00 尿44
・20:30 尿34、オナラ2、本日はカマ1Tを3回服用
・21:00 オナラ5
・   入浴後 BW58.60                        便通なし

●退院後 7日目3月6日 火
・00:40 尿37
・07:15 尿38
・08:50 尿46、カマ1T
・10:30 尿30
・09:30 歩行 3100歩
・13:00 尿48 カマ1T
・18:00 尿69、オナラ3
・20:30 尿50
・22:00 尿39、オナラ3
・23:20 カマ2T、メト2T
・23:30 オナラ2、尿40
・   入浴後 BW59.90                        便通なし

●退院後 8日目3月7日 水
・04:30 尿50、オナラ2
・07:10 尿83、オナラ1
・09:00 尿65、オナラ1、便意0腹圧普通便大量              便通正常
・   カマ昨日より1、1、2眠前(合計4T)に変更
・13:00 尿40
・   歩行 西天満→南森町→商店街 3000歩
・   途中屁意でオナラ1回がパンツ汚した原因
・15:54 パッドを当てオナラOK→2回以上確かめパッド除去
・16:45 尿44
・16:55 オナラ5
・18:00 尿37
・20:25 尿56
・21:30 尿35、オナラ3
・   入浴後 BW59.50

●退院後 9日目3月8日 木
・03:30 尿78
・07:10 尿60、オナラ3
・08:20 カマ1T、メト2、便意1腹圧普通便大量              便通正常
・   歩行 3900歩
・14:50 尿37
・16:00 尿32
・18:10 便意3腹圧普通便大量                     便通正常
・21:10 尿45、カマ眠前2Tを1Tに減量
・   入浴後 BW59.40

●退院後10日目3月9日 金
・00:20 尿40
・07:10 尿40、オナラ3
・08:40 オナラ3、尿45、便意0腹圧普通便大量             便通正常
・11:30 トーシン店長予約
・18:30 尿47
・20:30 尿37、カマ3T分3に戻す
・21:47 オナラ3、PG、トクSP、クラビ服用

●退院後11日目3月10日 土
・04:00 尿40、オナラ2
・07:00 尿45
・08:30 便意0腹圧普通便大量                     便通正常
・12:00 尿65、オナラ3
・13:30 オナラ3
・14:15 尿58、オナラ2
・15:25 尿45、オナラ3
・18:30 尿45
・20:20 尿49
・21:50 尿49
・   入浴後 BW59.60

●退院後12日目3月11日 日
・02:20 尿65
・07:00 尿30、オナラ2
・08:20 便意0普通中量、オナラ3                    便通正常
・11:20 尿45
・13:00 オナラ3
・13:13 腹式呼吸→オナラ3
・   歩行 天満橋へ3400歩
・15:30 尿65
・16:52 尿54オナラ2
・18:25 尿50
・20:46 尿45
・   入浴後 BW59.60

●退院後13日目3月12日 月
・04:00 尿50
・06:20 尿40オナラ2
・07:50 便意0腹圧普通便大量オナラ2                  便通正常
・09:30 歩行 孫守り 1600歩
・15:00 尿60
・18:00 尿54
・20:37 尿37
・22:00 尿30、オナラ3
・   入浴後 BW59.25

●退院後13日目3月13日 火
・06:08 尿65オナラ9
・08:15 便意0腹圧普通便大量                     便通正常
・09:00 消化器外科A先生受診、これまでの検査データのコピーを受領
・10:00 内分泌代謝内科Y先生受診
・   採血結果からメトグルコ4T分2朝夕でOK、28日分処方
・   歩行 1700歩
・16:30 尿45
・16:45 みみもとホンTV使用開始
・17:40 尿50
・19:00 尿35、オナラ2
・21:38 尿45
・22:00 オナラ3
・23:10 オナラ6
・   入浴後 BW59.15

退院後2週間目のサーベイランス(3/13) 術後27日目

・09:00 消化器外科A先生受診、これまでの検査データのコピーを受領
・ 次回は4週間後の4月10日予約

血液検査データの推移
月/日  01/29   01/31   02/13    02/15   02/24    03/13
     初診   消化外科  手術前日  術後1日目 10日目   27日目
血色素   8.4    8.2    12.7    11.2    10.1    11.1
赤血球数 4.17   3.88    5.32    4.79     4.25    4.80
MCV  67.9   66.9    73.8    75.4    73.7    75.4
白血球数 8.0    9.2    9.1      7.0     7.3      7.4
総蛋白  7.0     6.8           5.9     6.2     7.3
HbA1c  7.3                             6.6

退院後3〜6週間(3/14〜4/10)

●退院後14日目3月14日 水
・06:10 尿69、オナラ3
・08:40 尿49、便意0腹圧普通便中量                  便通正常
・14:30 歩行 北浜南 3100歩
・18:30 尿45
・21:10 尿50
・   入浴後 BW60.20

●退院後15日目3月15日 木
・06:20 尿79
・07:30 起床
・09:10 尿70、普通便過去最高大量(3/7より連続毎朝便意0)       便通正常
・14:50 オナラ8
・16:00 オナラ3
・16:35 オナラ4
・17:50 尿46
・18:05 オナラ4
・21:00 オナラ4尿42
・22:00 入浴後 BW60.55、浴槽内で腹部に気球状膨隆をあちこちで触れる
・23:50 尿40、便意2軟便大量、オナラ5 BW60.15となり400g↓       便通正常

●退院後16日目3月16日 金
・06:28 尿64
・09:00 尿45、普通軟便大量、オナラ3                  便通正常
・11:57 尿56
・13:15 オナラ4
・15:10 尿44
・17:46 尿39、オナラ2
・20:30 尿34
・21:00 オナラ1
・21:57 立って動いた後オナラ5
・22:41 尿40
・   入浴後 BW60.70

●退院後17日目3月17日 土
・05:23 尿77、オナラ2
・07:25 尿45
・09:10 便意0普通軟便大量                       便通正常
・10:45 尿30
・   歩行 南森町→大川沿い桜 3200歩
・13:15 尿65、オナラ3
・15:45 尿38
・17:50 尿37途中オナラ3
・20:10 尿39
・22:40 オナラ20
・   入浴後 BW60.70

●退院後18日目3月18日 日
・00:12 尿47
・03:45 尿65オナラ3
・06:11 尿43オナラ3
・08:26 尿45途中オナラ3、便意0腹圧細バナナ普通軟便大量         便通正常
・10:50 尿37
・   歩行 西→北→東→南 4500歩
・13:30 尿45
・15:50 尿47
・20:50 尿37
・21:34 オナラ5
・   入浴後 BW61.25

●退院後19日目3月19日 月
・05:52 尿74
・07:10 尿40オナラ3
・08:20 便意0腹圧普通軟便大量、オナラ3                便通正常
・   孫守り 歩行 2300歩
・13:30 尿44
・15:30 オナラ10
・15:45 尿45
・16:00 オナラ5
・18:10 尿34、ライフへ買物
・21:15 尿35オナラ5、便意1腹圧普通便大量               便通正常
・   入浴後 BW60.80

●退院後20日目3月20日 火
・05:22 尿90
・07:30 尿46
・08:40 尿29、便意0腹圧普通軟便中量                 便通正常
・11:00 尿29
・12:50 尿47、オナラ3
・13:06 オナラ3
・   歩行 天六まで 4600歩
・16:00 尿40
・18:34 尿37
・23:47 尿32
・   入浴後 BW61.00

●退院後21日目3月21日 水
・05:30 尿98
・06:30 尿60
・07:40 尿30
・09:10 尿50、便意0腹圧普通便中量                  便通正常
・   歩行 大川沿い、桜開花始まった 2600歩
・   入浴後 BW61.35

●退院後22日目3月22日 木
・04:50 尿60
・06:45 尿38
・08:10 尿29、便意0腹圧普通便大量                  便通正常
・13:00 便意2腹圧普通便大量                     便通正常
・   歩行 淀屋橋往復 ザ北浜立寄 4500歩
・22:00 尿45
・   入浴後 BW61.25

●退院後23日目3月23日 金
・06:00 尿50
・07:45 尿40
・08:30 尿30、便意0腹圧普通便少量                  便通少量
・09:30 便意2腹圧普通便少量(合わせて中量)             便通少量
・   大手前病院耳鼻科受診 2800歩
・13:30 尿40
・19:30 尿42
・22:30 尿45
・23:10 オナラ6
・   入浴後 BW61.50

●退院後24日目3月24日 土
・06:15 90
・07:12 40
・08:50 便意0腹圧普通便大量                     便通正常
・15:40 尿45オナラ2、便意2普通便大量                便通正常
・20:50 尿32
・23:10 尿30
・   入浴後 BW61.75

●退院後25日目3月25日 日
・06:10 尿100
・07:00 尿30
・08:50 便意0腹圧普通便多量                      便通正常
・12:20 尿40
・   歩行 大川沿い桜→東天満 3800歩 途中オナラ多発
・08:10 尿40
・21:00 尿33
・   入浴後 BW61.95

●退院後26日目3月26日 月
・07:00 尿60
・08:20 尿30、便意0腹圧普通便少量                  便通少量
・   孫二人守り、児童公園で約2時間遊ぶ 3400歩
・13:40 尿40
・16:40 尿35、便意2腹圧普通便大量                  便通正常
・22:10 尿40
・   入浴後 BW61.75

●退院後27日目3月27日 火
・04:30 尿100
・06:30 尿60
・08:40 尿29、便意0腹圧細普通便少量                 便通正常
・   歩行 西天満 新阪急H 阪急H 阪神H 散髪 6900歩
・   入浴後 BW61.65

●退院後28日目3月28日 水
・06:00 尿40
・07:10 便意2泥状軟便大量                      便通異常
・   カマ1T止
・08:10 便意1泥状便大量                       便通異常
・08:40 便意2泥状液状便大量                     便通異常
・09:00 便意3泥状液状便大量                     便通異常
・10:00 便意3液状便中量                       便通異常
・   消化器外科受診 KDr、発熱腹痛圧痛なし、腸炎、
      腹部手術後よくある 整腸剤1W分処方
・   皮膚科受診 SDr、皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)
      入浴時の注意、入浴後保湿クリーム塗布
      湿疹になった部分にはステロイド軟膏を塗布
・13:30 カマ1T止
・13:50 尿60
・16:40 尿74
・18:00 尿40、オナラ2、カマ1T止、Bf1T
・21:30 尿36
・23:30 尿39
・   入浴後 BW60.75

●退院後29日目3月29日 木
・04:00 尿50
・07:00 尿60
・09:00 尿40、オナラ2、カマ1T
・13:00 尿30、オナラ2、オナラ2、カマ1T
・   歩行 便意2止、文具店 2600歩、腹部膨満感・易疲労感
・15:30 便意3泥状便少量、腹部膨満感↓、疲労感↓、Bf1T        便通異常
・24:00 尿46
・   入浴後 BW60.95

●退院後30日目3月30日 金
・06:00 尿90
・09:00 尿60、便意0腹圧排便なし
・11:20 尿36、オナラ2
・   歩行 淀屋橋 4000歩
・14:30 尿46、腰痛ロキソ1T頓用、ロキソ湿布
・21:00 尿39、カマ1T、メトグ2T、Bf1T、オナラ3
・   入浴後 BW61.45                        排便なし

●退院後31日目3月31日 土
・07:00 尿108
・09:00 尿68
・   歩行 大川沿い 天満橋 土佐堀通 北浜 4400歩
・14:45 尿36
・16:50 尿39
・   入浴後 BW62.45                        排便なし

●退院後32日目4月1日 日
・07:00 尿70
・08:30 尿65、オナラ5
・10:30 尿45、オナラ3、オナラ4
・13:40 オナラ5
・   歩行 中之島公園、フェスティバル、オナラ多発、4900歩
・   プルゼ2T頓用
・   入浴後 BW61.80                        排便なし

●退院後33日目4月2日 月
・07:00 尿90
・08:00 尿60、腰痛にロキソ1T頓用
・08:45 便意0腹圧普通便中量、泥状便中量、泥状便少量         便通正常
・   孫二人を駅まで出迎え、1700歩
・10:10 しんどい、便意0腹圧ツブツブ便少量
・10:40 陰部不快感、便意0排便0、眠る
・12:30 リンゴ・焼きノリ美味
・18:43 尿60、オナラ3
・21:00 尿40、オナラ2
・22:50 尿36、ロキソ1T頓用
・   入浴後 BW60.40 カマ1T追加(合計4T)

●退院後34日目4月3日 火
・07:00 尿60、オナラ2
・08:00 尿40
・09:00 カマ3T分3を4T分2に変更、腰痛にロキソ1T頓用
・09:30 尿40、オナラ2、便意0腹圧普通便中量             便通正常
・   歩行 中之島→大江橋→高裁 3600歩
・15:00 便意1腹圧泥状便少量、オナラ3
・23:00 便意1腹圧泥状便少量
・   入浴後 BW61.35

●退院後35日目4月4日 水
・07:50 尿40
・09:20 尿30、便意0腹圧中細普通便中量               便通正常
・   歩行 旧天満警察→天三→天一商店街 3500歩
・13:30 オナラ6
・15:40 オナラ5
・   入浴後 BW62.35

●退院後36日目4月5日 木
・07:50 尿65
・09:00 尿36、便意1普通便中量                   便通正常
・   歩行 堺筋 シティータワー 天神橋筋 4200歩 オナラ5
・15:00 オナラ10
・16:20 オナラ6
・   入浴後 BW62.30

●退院後37日目4月6日 金
・04:00 尿100
・09:00 便意1軟便大量、便意2泥状便少量、便意2止         便通正常
・   倦怠感、眠る
・12:00 リンゴ美味、雑煮美味
・   歩行 雨天コース 天一 天四 JR天満駅 4600歩
・17:00 尿60
・22:00 尿70
・   入浴後 BW61.55

●退院後38日目4月7日 土
・07:50 尿70
・09:20 尿60、便意0腹圧軟便少量                  便通異常
・   歩行 5100歩 天四 天満市場 オナラ連発
・13:50 尿60、便意0腹圧極細軟便少量                便通異常
・   入浴後 BW61.40
・   プルセ2T頓用

●退院後39日目4月8日 日
・06:50 尿70
・08:20 尿60、便意0腹圧細普通便少量                便通異常
・10:00 尿40
・   歩行 神山町 阪神H お初天神 熊本アイス 5900歩、尿60
・20:50 尿30、プルセ2T頓用
・   入浴後 BW61.25

●退院後40日目4月9日 月
・07:15 尿50
・08:00 尿40、便意1軟便中量                    便通正常
・08:15 便意2水様便中量                      便通正常
・12:10 尿30、便意0腹圧オナラ2
・14:25 オナラ17
・14:33 オナラ5
・16:50 オナラ7
・18:10 尿50
・20:00 尿40、オナラ4
・   入浴後 BW62.70

●退院後41日目4月10日 火
・06:45 尿60
・07:50 便意1腹圧軟便中量                     便通正常
・   内分泌代謝内科Y先生受診
・     Hba1c 7.2 、食事指導を受ける
・   消化器外科A先生受診
・     術後経過は良好、排便に神経質になり過ぎ
・14:10 便意1腹圧軟便中量                     便通正常
・21:20 便意1腹圧軟便中量                     便通正常
・22:20 便意1腹圧軟便少量                     便通正常
・   入浴後 BW61.30


退院後6週間目のサーベイランス(4/10) 術後55日目

・11:30 消化器外科A先生受診、経過良好
・   次回は4週間後の5月8日に予約

血液検査データの推移
月/日  01/29   01/31   02/13    02/15   02/24    03/13   04/10
     初診   消化外科  手術前日  術後1日目 10日目   27日目  55日目
血色素   8.4    8.2    12.7    11.2    10.1    11.1    11.2
赤血球数 4.17   3.88    5.32    4.79     4.25    4.80    4.79
MCV  67.9   66.9    73.8    75.4    73.7    75.4    74.7
白血球数 8.0    9.2    9.1      7.0     7.3      7.4     8.4
総蛋白  7.0     6.8           5.9      6.2     7.3     7.5
HbA1c  7.3                             6.6     7.2


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◆8.大腸がん手術雑考

がんを疑う に関連して

腹痛が大腸がん手術の出発点
親からもらった体質のうちで、一番感謝してきたのは頑強な消化器系だった。2003年2月に経験した尿管結石と、それに続く尿管破裂による腹痛以来、記憶に残る腹痛はない。

今回の腹痛の1回目は2017年11月21日で、ボルタレン座薬50mgを挿入して治まった。

2回目は2018年1月22日で、たまたま孫の守りで息子宅にいたので、血液検査などを受け、貧血が分かったので、出血源を調べて、対処することになった次第である。


大腸がんでありながら腹痛が少なかったわけ
腹痛が少なかったわけは、悪性腫瘍(がん)の場所が上行結腸であったことが関係したと考えられる。

上行結腸は大腸の一部で、大腸は消化管の一部である。一般の方はあまりご存知ないと思うので、消化管を全体の模式図(図1.)で説明をする。

消化管は口から始まり、食道、胃、十二指腸、小腸(口側は空腸、肛門側は回腸)、回盲弁、結腸(口側は上行結腸、横向きは横行結腸、下向きは下行結腸、S状にねじれた部分はS状結腸)、直腸、肛門管で終わる。

盲腸は大腸のうち、上行結腸より下の部分の袋状に閉じた部分で、その先端に虫垂がある。

通常、大腸は結腸と直腸に大別される。大腸については図2.図3.も参照されたし。


図1.消化管の模式図

大腸は結腸と直腸に分けられ、結腸は回盲弁を通して小腸につながり、上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸となり直腸につながる。直腸は肛門につながり、肛門から糞便やオナラが排出される。

食べたものは、胃から小腸まで通過する間に、消化されて栄養分が吸収され、植物残渣が液状の状態で大腸に入る。大腸を通過する途中で、水分が吸収されて固くなり、S状結腸、直腸に到達すると、通常は固形便となる。


図2.大腸の部位

がんが上行結腸にできた場合、糞便はまだ液状なので、消化管内を通過しやすく、 がん が腹痛を起こす程度の大きな抵抗になるまでに時間がかかる。腹痛が少なかった理由はそれで説明できる。


高度の貧血に気が付かなかったわけ
上行結腸がんでは、液状の糞便が通過するので、がんの受ける衝撃は小さく、小量の出血の持続となり、貧血の進行がゆるやかだったため、息切れ、だるさなどの貧血の症状に気づき難かったのだろうと考えられる。


ヘモグロビン値から、このがんからの出血が始まった時期の推測
1年前の 2017/01/11 の検査では、ヘモグロビン値(Hb)は 14.2 で、正常だが、その4ヶ月後の 2017/04/10 のHbは 12.8 で、82%に減少し、2018/01/23 のHbは 8.0 で、56%にまで減少している。このことから、がんからの出血が始まったのは、2017年の2月から3月ではないかと推定される。


大腸がんの部位別頻度
大腸がんの発生の頻度が高いのは、大腸の終わりの部位にあたる直腸、S状結腸で、この二つ合わせて69%、ほぼ7割を占める。


図3.大腸がんの部位別頻度


右側大腸がんと左側大腸がんの症状の違い
私に発生した大腸がんは、上行結腸がんで、右側大腸がん に分類される。右側大腸がん以外は 左側大腸がんになるが、右側と左側では同じ大腸がんでも症状が大きく異なる。

右側大腸の盲腸、上行結腸、横行結腸にできた「がん」の症状は、貧血と腫瘤(しこり)などで、目立ちにくい。それに対して、左側大腸の下行結腸、S状結腸、直腸の「がん」の症状は、下血、血便、便秘・下痢、便が細くなるなどと多彩で、目立ちやすい。

右左両方の大腸に共通する症状に、腹痛と腸閉塞があるが、発現する時期は、右側大腸の方が遅く、左側大腸の方が早い。


図4.右側大腸がんと左側大腸がんの症状


腫瘍マーカーは正常だった
がんには多くの種類があるが、中には腫瘍マーカーと呼ばれる、そのがんに特徴的な物質を産生するものがある。

今回息子の医院で受けた血液検査の中に、大腸がんの腫瘍マーカー CEA も入っていたが、正常値だった。腫瘍マーカーは、がんの存在を判断できるものではないという医学常識を改めて思い直した。


人間ドック的検診は受けないという生き方
私はこれまで人間ドック的検診は受けないという生き方をしてきた。今回の大腸がんの手術を受けた後でも、その気持に変わりはない。

ただし、症状(苦痛)があれば検査も治療も受けるという生き方も、これまでと変わらない。今回も腹痛が長引いたので検査を受けた。その結果、手術を受け、進行がんではあるが、大腸がんステージIIIa という幸運に恵まれた。だからと言って、これからは人間ドック的検診を受けるという気持にはならない。
そのわけも変わらない。


S病院外来受診 に関連して

医院を引き継ぐまで勤めていた病院での息子の生き方
今回、息子に書いてもらった紹介状を持ってS病院を受診し、検査を受けた結果、入院手術となり、無事退院することができた。その間に、外来でも病棟でも、この病院に勤務していた頃の息子を覚えている医師、看護師がたくさん居られて、声をかけて下さった。

この病院を辞めて、野村医院を引き継いだのが2005年で、もう13年も前となるのに、覚えていて下さる医療従事者がいらっしゃることに嬉しくなった。それは、当時の息子の医師としての生き方の評価だと思えたからである。


S病院入院 に関連して

入院翌日から連続3日間の休診
消化器外科のA先生の診察を受け、それまでの検査結果から、右結腸がんの診断で、即入院・手術の指示をいただき、入院した。

入院の翌日から連続3日間の休診日に当たったが、病院内のオリエンテーションに役立ち、その間に
保存血400mlを2日間で合計800ml輸血していただけて幸運だった。

また、一番ありがたかったのは、入院中のデータの記録について、いろいろ考え工夫する時間ができたことである。


手術当日 に関連して

手術術式
上行結腸がんの標準手術術式である 結腸右半切除術 で手術は行われた。


図5.結腸右半切除術 回腸の一部、盲腸、上行結腸、横行結腸の右の一部を血行路を含めて切除


病期
手術直後に妻は術者A先生から、切除した図4の回腸、結腸を見せていただき、病期(ステージ)は、IIIa であるとの術後診断の説明を受けた。手術後6日目に報告された病理組織診断の結果も IIIa であった。

大腸がんのステージIIIaという病期は、肝臓や肺などへの遠隔転移がなく、転移リンパ節が3個以下の場合と規定されている。

上行結腸がんステージIIIaが非常に幸運であることは、図5で示したように、ステージIIIの5年生存率が80%を超えるのに対して、ステージIVでは20%を下回るという違いがあるからだ。


図6.結腸がん5年生存率


大腸癌の補助化学療法
手術後の再発を抑える目的で行う化学療法を補助化学療法という。大腸癌治療ガイドラインでは、ステージ(病期)Vaの患者は、再発する可能性が低くなるとの理由で、補助化学療法を受けることが勧められている。

しかし、私はこれをお断りした。その理由は、医学部同期の友人の多くが50歳までに亡くなり、自分の家系が短命であるため、自分の死亡想定時期を70歳とし、それ以上寿命があれば、それからはオマケの人生と考えてきた。そのオマケを11年も頂いた。

大腸がんと診断されたとき、今とりかかっている仕事を仕上げるため、4ヶ月は欲しい。それができれば、ありがたいと思った。

ステージVaの大腸がんの5年生存率が80%と知ると、その再発率を下げるために、副作用の出る可能性がある補助化学療法を受けることは遠慮したいと思い、主治医のA先生に申し上げ、了解していただいた。


腹腔鏡手術
今回の結腸右半切除術は、開腹手術ではなく、最近よく行われるようになった腹腔鏡手術で実施された。

腹腔鏡手術の良い点は、創が小さい、術後の痛みが少ない、術後に腸の動きはじめるのが早い、腸の癒着による腸閉塞の率が低いなどである。

気になる点は、通常の開腹手術に比べて手術の難易度が高い分、手術時間が約1.5倍ほど長くなることが多く、歴史の長い開腹手術とくらべると、執刀医の技術の差が出やすいことである。

S病院のサイトによると、消化器外科では大腸がん根治手術を年間約110例行い、腹腔鏡手術を積極的に施行し、治療成績は全国平均と同等であると記載されている。この病院を選んだことは幸運だった。

自分が知りたい腹腔鏡手術の概略を、図6.と図7.で示した。

 
図7.腹腔内に炭酸ガスを充満する       図8.手術に関係するメンバーの配置


夜間せん妄?
手術当夜、消灯後、息子が来室したので、手術結果などを報告し、うとうとして、目を開けると暗闇の中に私を凝視する息子が立っている。それが午前2時頃に帰宅するまで、目を開けると必ずその姿が見えるのには参ってしまった。何か異常事態が発生したのか? それにしては周りは静かだが、、、

あとで聞くと、目を覚ました私が点滴を見て「これはなんだ!」と威圧的に尋ねるので、息子は過去の経験から、術後の夜間せん妄を起こしそうだと感じ、家族が見ているところでは、恥ずかしい真似はできないだろうからと、見張ってくれていたらしい。

詰所の看護師からも「せん妄対策について」という、家族の協力を求める文書が渡されている。それを起こしやすい年となったのだから、致し方あるまい。


手術後 退院まで に関連して

自律神経が不安定になった
手術が終わってしばらくは、急に寒くなって震えたり、暑い暑いとわめいたり、汗でシーツをビシャビシャに濡らしたり、出ないのに尿意を催して何回もトイレに通ったり、我ながら呆れてしまう興奮状態になり、まるで更年期障害みたいだと苦笑した。

私は若い頃から本番に強く、神経が太いと思ってきたが、今回の手術のあとの行動は、かなり過敏な反応である。

これは、自律神経が不安定な状態であると考えた。自律神経の内の交感神経が優位の状態では興奮状態、自律神経の内の副交感神経が優位の状態では、ゆったり落ち着い精神状態になると言われている。

生まれて初めて全身麻酔下で受けた大腸切除術のストレスが大きかったことの反応だろうと判断した。


自律神経のあらまし
 自律神経は複雑で、分かっていないことも多いようだが、そのあらましをまとめてみた。

 自律神経系 意志によって動かせない 生命維持に必要な機能の制御に関与する
          中枢神経と効果器は、神経節を介して伝達
          中枢は辺縁系、視床下部、脳幹、脊髄

          節前ニューロン突起(軸索)とこれを包む被膜構造を合わせ、節前繊維という
          中枢から接続点の前までを節前繊維、後を節後繊維と呼ぶ

          すべての節前繊維の末端からはアセチルコリンが神経伝達物質として放出される

 ○遠心性神経(運動神経)狭義の自律神経

    交感神経  主に胸髄、腰髄から出て、椎傍あるいは椎前神経節内に至る
            中枢から出てすぐに枝分かれし、1本が多数と接続する
            神経伝達物質としてノルアドレナリンを放出する

    副交感神経 主に中脳、延髄、仙髄から出る
            交感神経と比べると枝分かれが遅く、1本が1本と接続する
            神経伝達物質としてアセチルコリンを放出する(コリン作動性神経)

 ○腸管神経系(腸神経系)
    自律神経系に属し、末梢神経系の中で最大の神経系。ヒトでは、神経細胞総数は数億個

    消化管全長にわたり壁内に存在し、数個〜数10個の神経細胞から構成される無数の神経節が
    神経線維でつながれた網目状構造をとる

    腸管壁内では 筋間神経叢(アウエルバッハ神経叢)と 粘膜下神経叢(マイスナー神経叢)
    に分かれ、腸管の運動・分泌・血流を調節する

    腸のニューロンは迷走神経を介して脳と連絡している。迷走神経は脳の基部から胸部と腹部に
    伸びている神経で、そこから分岐した神経線維が腸につながっている

    腸管神経系は、脳からの指令がなくても、基本的な機能を遂行できる自律神経回路を内包し、
    この特徴からしばしば「第2の脳」と呼ばれる


図9.自律神経系の模式図


図10.腸管神経系の模式図


副交感神経を優位にする呼吸法
順天堂大学の小林弘幸教授の著書「人生を決めるのは脳が1割、腸が9割!」によると「胸腔に圧力をキャッチする受容体があり、呼吸量が少ないと交感神経が働き、呼吸量が多いと副交感神経が刺激される」と書かれている。

これを活用して、副交感神経を優位にする呼吸法として、「深く短く吸い、浅く長く吐く呼吸法」を、いろいろ工夫して考案し、手術後の入院生活で試してみた。

その実際は
吸うて 吐いて 吐いて 吐いて 吸うて 吐いて 吐いて 吐いて 吸うて 吐いて 吐いて 吐いて
・・・・これをくり返す。腹式呼吸で大きく吸い、吸った息を3倍の時間をかけて吐くわけである。

指揮棒を振ったことのある方なら、図11.の4拍子指揮で、アウフタクトの部分Cで大きく息を吸い、@ABの部分で浅く息を吐くように呼吸すると思っていただくと、お分かりいただきやすいかもしれない。


図11.4拍子の指揮棒の振り方

この呼吸法を寝床に入ると実行するが、途中で大抵眠ってしまう。それは暗示によるのかも知れないが、副交感神経が優位になった気分になる。


オナラ
大腸手術のあと、注目されるデータにオナラがある。肛門からオナラを排出することを医師は放屁(ほうひ)と呼ぶが、オナラを屁(ひ)(へ)とは呼ばず、「ガス」とか「オナラ」などと呼ぶようだ。

オナラの原因の大半は口から胃に入った空気で、口から肛門まで7〜8メートルの消化管内を、消化管の蠕動運動によって肛門方向へ移動してきたガス体である。

大便も、オナラと同じように、消化器官の中を蠕動運動によって移動してきた物体であり、オナラが出るということは腸が動いているという証拠になる。それも音だけで判定できるのだから実用的だ。

腸の動きの程度として、オナラの長さがある程度相関するのではないかと考え、秒数を付記するようにしたが、それによってデータを記録するのが面白くなった。

大便を排出したい気持を「便意」と呼び、尿を排出したい気持を「尿意」と呼ぶが、オナラを排出したい気持を呼ぶことばがないのには困る。屁意(ひい)(へい)ではほとんどの人に通じないだろう。

その屁意だが、便意と取り違える人はほとんどいない。その違いの判断は、腸管を圧迫する感覚の違いで分かると考えられている。そのコントロールは、自律性を持った神経調節によって行われている。神経系をコントロールできないような状態にならないかぎり、この機能が正常に働いて、大便とオナラは区別できる。


排便やオナラを我慢してくれる肛門

オナラや大便が、肛門の直前の直腸まで来ると、直腸が膨らんで壁が引き伸ばされる。

直腸の壁には圧力センサーがあり、引き伸ばされることで作動し、その情報は直腸から神経を伝わって仙髄にある排便中枢に伝えられる。

さらに、この情報が延髄―脳へと伝えられて、脳で意識としての便意を催す。

便意を催したときにトイレに行けない状況では、漏れないように肛門の筋肉を締める。

肛門の開閉を行う筋肉のことを「肛門括約筋」と言うが、肛門括約筋には2種類あり、一つは肛門の一部を構成する「内肛門括約筋」で、これは意思では開閉できず、直腸内の圧力が高まると自然と開く仕組みになっている。

もう一つは外側を取り巻く「外肛門括約筋」で、意思によって締めたり開けたりできる。(図12.)

便意を催した場合、すぐにトイレに行けないときは、意思の力で外肛門括約筋を締め付ける。

しかし、だんだんと直腸に便やオナラがたまってくると、圧力が高まり、強い便意を感じるとともに、内肛門括約筋が開き始める。こうなると排便やオナラを我慢するのは意思の力だけになる。

うまくトイレに入れれば、この段階で外肛門括約筋を意志で開かせて、無事排便やオナラを出すことができる。

直腸に溜まった大便やオナラが肛門から出るまでの一連の反応を「直腸肛門反射」と呼ぶ。この反射は意思によって制御できる反射運動で、ある程度のトレーニングを要し、排便反射が身につくまでには10年程度かかると言われている。


図12.直腸 肛門 内肛門括約筋 外肛門括約筋


歌が頭に浮かぶ
・走れよ 小馬 けれども急いで つまずくまいぞ
・お前が転べば わたしも転ぶ 走れよ 走れよ 転ばぬように
    忙しく動き回る妻を見ると、この歌が頭に浮かび、どうか気をつけてくれと願う 本音だ

・宵闇せまれば 悩みは果てなし
    病室の窓から たそがれ時のビル街を眺めると フランク・永井のこの歌が浮かんだ


図13.宵闇せまる中之島のビル街 ほんのつかのまのひとときである


図14.夜霧につつまれたオフィスビル街は 昼間とは別世界のようだ

・ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」第1楽章の4小節
    記録のデータにオナラも入れているが、 プ プ プ |プ ププ プ プ|プ プ プ ププ|プ ― ― ―
    階名で、 ミ ファ ラ|ソ ファミ レ ソ |ド レ ミ ファミ|レ ― ― ― に吹き出した。


食事の好みが変わった
今回の入院に当って 入院中に行うと決めたことに「給食は全部食べ、味の評価を付ける」がある。これが大成功だったのは、私の食べ物の嗜好が大きく変わっていることを実物で知ることができたからだ。

中でも、これまで嫌いで食べることがなかった「野菜サラダ」「ほうれん草」「カリフラワー」「煮魚」「焼き魚」を美味いと思ったことである。

好みの変わった傑作は、食パンは唾液を吸い取ると嫌がり、結婚以来、朝食は50年以上 麺類で通してきたのに、バターを塗ったトーストを、案外不味くないと思ったことだ。週に1〜2回程度なら、それでも構わないと思う。

この食べ物の好みの変化は、退院後の食生活に大いに役立ち、食べず嫌いをせずに試してみるという方針が確立された。この変化を一番喜んだのは妻だろうが、私も試してみるのが今は楽しみになっている。


妻の付添いに感謝
耳の不自由な81歳の私は、75歳の妻に、手術当日から付添ってもらった。後期高齢者が後期高齢者の介護を受ける老々介護である。

この大腸がん手術体験記の内の、手術当日手術後 退院までのデータは、妻のメモ書きをまとめたもので、緊張した手術後の状況を思い出すよすがとして役立つ。私にとって非常に大切な記録である。


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9.まとめ

1.腹痛が半日つづいたので血液検査を受け、高度の貧血が見つかり、精密検査で大腸がんが見つかった。

2.がんは、大腸のうちの上行結腸にできていて、結腸右半切除術を受けた。

3.がんは、肝臓や肺への遠隔転移のない進行がんで、病期は ステージIIIa だった。

4.手術後の経過は良好で、術後13日目に退院した。

5.生まれて初めて、全身麻酔下での大きな手術を受け、そのストレスは人生で最も大きかったと思う。

6.この大きな体験を、できるだけ正しく、詳しく、分かりやすく記録しておきたく思い、入院中から
 データを蒐集してきた。

7.手術当日手術後 退院までのデータは、妻のメモ書きをまとめたもので、私には大切な記録である。

8.今回の体験から、したいことがたくさん見つかった。老化と折り合いをつけて、それを果たしていき
 たく思う。

9.老年期を経験して人生は完成するということが よく理解できた。命の終わる日まで、楽しみである。

<2018.4.10.>

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