トラブルシューティング
標本作製におけるトラブルシューティング

固
定不良に関するトラブル
生検等で急ぐ場合は、孵卵器で2時間程度固定すると良い。 2〜3時間固定した物を電子レンジで20〜30秒程度加温処理する。
*最初から熱処理をすると組織が熱変性をするので注意する。
微
小検体での紛失に関するトラブル
微小検体は作製過程において紛失しやすいので、サンプルパックに入れてヘマトキシリンで着色しておくと紛失を防止できる。
脱
脂肪不十分なパラフィンブロックのトラブル
乳腺等脂肪の多い組織ではパラフィンの浸透が悪い場合、次の様な方法で脱脂肪を行う。
- 出来るだけ薄くトリミングして70%〜100%エタノールで脱水後以下の溶液で脱脂肪を行う。
- 100%エタノールで十分に脱脂肪を行う。
- CE液(クロロホルム・エタノール=2:1)を使用する。2〜16時間程度。
- アセトンに数時間浸す。
- エタノールに入れて孵卵器に入れる。
- 薄切時に、パラフィンの浸透が悪く、切片がぼろぼろとなる場合は、パラフィンに数時間から一晩つけておき、再度包埋し直す。これでたいて
いの場合は、薄切できる。
脱
灰不十分によるトラブル
- 脱灰不十分のために薄切困難な場合脱灰液を使用する。
薄切時、面出し後に表面を脱灰液に浸す。
- ベルツ水(グリセリン:アルコール=1:1)を使用する。
薄切時,面出し後に表面をベルツ水に浸す。
薄
切に関するトラブル
パラフィンブロックが硬くて薄切しにくい場合、パラフィンの融解温度を60度以下にする。
パラフィンの浸透時間を4時間以下にする。特に夏場は温度が上がりやすいので注意が必要。
HE
染色でのトラブル(核染色過染)
粘液等や線維が染まってきたらヘマトキシリン液を変える目安ですから新しい液と変えるのがベストです。しかし、すぐ変えれない場合は、氷酢酸を加える。
HE
染色でのトラブル(エオジン染色不染)
核染色の後の分別後の水洗が特に短い場合はエオジン液の乗りが悪くなる。
脱灰の強すぎた標本は、核染色とエオジンの染色性が共に悪くなるので注意が必要。
0.5%過ヨウ素酸で酸化すると染色性が向上します。
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