税務署員が見た政治と官僚


以下の文章は全国税の各支部の機関紙(「南大阪」週刊)や私が所属した分会に機関紙に
載った政治や官僚あるいは国税局の幹部に関する記事・コラム欄などからの引用です。私が
書いたものもあります。 古い記事が多くて恐縮します。なお、見出しは今回転載するにあたり
付け加えたものが多いです。                                      


ページ内索引


巨大政府機関の変貌 を読んで 07/9/9

記者クラブみたいな学者クラブ? 04/02/08
ヨーロッパ型資本主義の勉強会 03/03/28
元札幌局長には一億円分を斡旋? 2002年1月31日
経団連と竹中氏が贈与税軽減について発言 2002年1月28日
税制改革への感想。土志田 征一氏も。。。 2002年1月28日
米国の報復について国際世論は  2001/9/25
郵便局が査察された?!  2000/9/12  
国会議委員の不正 政党としてどうするのか 2000/9/7  
日本で目立つ女性の賃金の低さ 99/01/10追加 
今月中旬に改悪案決定か 98/12/29追加 
政党助成金問題の中島代議士自民党はなぜ処分しない? 98/11/26追加 
全国税はキャリア腐敗をどのように追及しているか
キャリアの27、8才署長は無くなる?が
大蔵省汚職調査結果発表時の全国税本部書記長の談話
大蔵省汚職に青年が怒りの声―投稿 
キャリアはキャリア不足でノンキャリアはキャリアが豊富   
逮捕の榊原キャリア関連 
アメリカでは高速道路は建設していない
キャリア官僚 30代で署長でも 早すぎる   
「ばか殿教育」の結果?  
金丸氏は議員辞職をするべき  
一般職員の監視よりも先に官僚の監視を  
小選挙区制の問題点
局長の見方はおかしくはないか  
国税局幹部の優待パス  
この社会あなたの税が生きている??
私が局長だったら  
署長は猿回しの猿のよう  
選挙結果の見方  
金丸と脱税と検察庁
政治はやくざ関連産業  
小選挙区制と政党    
エリートの本質は  
細川首相は議員も辞職すべき


巨大政府機関の変貌を読んで

 巨大政府機関の変貌―初の民間出身長官が挑んだアメリカ税務行政改革
 [原書名:Many Unhappy Returns〈Rossotti, Charles O.〉 ]
 大蔵財務協会、(2007年4月出版)。ロソッティ、チャールズ、

この本は思ったより多くのことを教えてくれました。問題(苦情など)の多かったIRS。
議員のいろんな思惑もあってしょっちゅう議会で問題にされたIRS。しかし、実態の改
善は進まず国民(納税者)の不満は高まるばかりでした。
そこへ乗り込んでいって5年間長官の座に座り続けて、改革の実績もあげて将来への
方向付けもやりとげた物語です。

日本の国税庁も、動機は違うし、方法も違うとしてもおなじように大きい改革をやろうと
しています。アメリカの長官がとった方法は、わかりやすい改革、有能なスタッフとともに
現場に出ていって現場の意見を汲みつつ案を練り上げていって、実行の過程でもしょっ
ちゅう現場に自分が赴く。

改革で最優先されたのはサービスとしての税務行政の提供です。
税務調査(この本のなかでは法の執行と言われている)も大事ですが、このサービスの
面での改善を本気でやろうとしたのが、この著者なのです。

 この基本のところでも日本とアメリカでは大きな違いあるように感じました。日本の国税
庁も一応サービスの充実を目標として掲げそれなりに力をそそぐものの、この本にあるよ
うな基本的改善をめざしているようには決して見えません。

(以下、追加予定) ここまでは07/9/9 1:56:52

著者は最終章で自分が取り組んだIRS改革の総括をしています。
そこに太文字で強調された項目があります。以下はそれをそのまま写したものです。
日本の国税庁の幹部にも充分味わって欲しい言葉が連なっています。
-------------
○大きくても古くても必ずしも不可能ではない
○改革の成功とは、二者択一の業務モデルを拒否し、すべての利害関係者の利益になる
ようにその組織の使命遂行の方法を改善することを意味する。
○改革の成功とは、適材適所の人事配置を意味する。
○改革の成功には、正しい業績評価とインセンティブを必要とする。
○改革の成功は、組織構造・仕事のやり方・情報技術を、顧客の要望に沿ったものへと転
換することにかかっている。
○改革の成功のためには、現場という重要な場所で実際に何が起こっているのかを知る
必要がある。
○改革の成功には、組織の内外とのオープンかつ正直なコミュニケーションを必要とする。
○改革の成功には、単に改革について語るだけでなく、改革そのものを必要とする。
○改革の成功は、ルールや命令よりも、正しい組織統治、リーダーシップ、方向性と権限付
与によって決定される。
○いかなる組織における改革の成功にもおのずと限界があるーその組織が稼働している環
境という、より幅広い条件によって制約される。

07/9/9 23:58:56


07/09/09


「記者クラブ」みたいな「学者クラブ」

本屋さんで税制関係の本を読んでいると税制に関しては財務省の
資料をそのまま使い、内容の骨格も税調答申とほとんど同じというも
のをみかけます。税調委員などをやっている先生でもというか、だから
こそそうなるのかもしれません。
そうした研究者の言い訳としては、税調答申に関わっているから自己の
見解も同じはずだというのがあるとおもいますがはたしてそうでしょうか?

研究者が客観性を装いつつ、結果として財務省などの言い分をそのまま流
布してしまうことの弊害は官庁などと癒着していると言われる「記者クラブ」の
それとよく似ています。審議会の委員はその官庁の味方というか、宣伝マン
の役割を引き受けてしまっていることが多いのではないでしょうか?

時間があれば実例を2,3挙げる記事を書いてみたいと思っています。

04/02/08



ヨーロッパ型資本主義の勉強会

東大阪支部主催、3月20日のプラスα集会報告です

支部機関紙がここにあります。
03/03/28


元札幌国税局長に退官時、年収1億円「保証」 当局待遇

 脱税事件で逮捕された元札幌国税局長で元税理士の浜田常吉容疑者(64)は
96年7月の退官時に、国税当局から多数の顧問先をあっせんされ、その顧問料だ
けで年間に1億円前後の収入を得ていたことが、関係者の話でわかった。
 asahi.comから 2002年1月31日

感想−−自分でも集めてなかったのか?斡旋分だけなのか?非常に疑問が残るところ・・


贈与税軽減も焦点なのか?

インターネットでニュースを読んでると。。
経団連の今井会長は次の発言をしたらしい。
−−以下引用
 ○税制改革に関連して、経済界の要望を2月に取りまとめる。
 ○贈与税軽減などを提言していく方針を示した。
 ○「所得を得ている人の25%、企業の70%以上が税金を払っておらず、税の空洞化が
  起きている」と指摘。
 ○税負担を軽減する各種控除などに関しては「原点に戻って考える必要がある」
 ○消費税は「税率を上げる話にはならないと思うが、(消費税の一部が流通業者の手元に
  残る)益税などを見直す必要がある」と強調。
−−−引用終わり

 ついでに竹中氏の発言から
 ○経済財政諮問会議が税制の抜本改革論議に着手したことを踏まえ、「お年寄り世代が
  持っている資産を若い人に贈与(する手続きを)簡単にすることを、今後具体化できるか
 議論したい」と語り、税制改革で贈与税の軽減を検討する意向を示した。 

 2002年1月28日


税制改革について。
日本経済研究センターの理事も。。。

土志田 征一(日本経済研究センター理事・研究参与)さんが
ここで書いてました。一部の引用で申し訳ないですが。。

以下引用−−
○第4に、課税最低限の引下げには、国際比較からの論拠がありそうだが、さらなる税率の
 フラット化はどうなのか。その相殺に消費税率引き上げでは、負担増が一部の層に集中する。
○なお、医療費など社会保障負担も同時に視野に入れた議論が必要なことはいうまでもない
 。タイミングも含めた調整が重要であろう。
引用終わり−−

なるほど、なるほどそのとおりです。
2002年1月28日


米国の報復について国際世論は

「東大阪」01/09/25より

▼二十四日のNHKニュースによると、アメリカの同
時多発テロに対する「報復」=容疑者が潜んでいる
と思われる国への軍事攻撃について国際的世論
調査がギャロップ社によって、行われたらしい.
▼それによると、アメリカの「報復」支持が過半数を
占めたのは対象三十五カ国のうち三カ国(アメリカ、
インド、イスラエル)しかなかったらしい。日本の新聞
を観ていると、そういう国際正論の存在は見えてこな
い。なぜだろうか?。
▼残りの三十二カ国(日本は除く)で多数派だったの
は、犯人を国外退去させ法律で裁くことだったらしい。
▼「報復」は「報復」を生み、庶民の死が増えるだけだ
から反対。この自説が国際的には多数派であろうこと
が確認できた。それにしても、各国の政府の対応は国
民の意識となぜこうもずれるのだろうか?(AS0)

2001年9月24日


郵便局が査察された?!


共同通信ニュース速報によると、脱税事件にからみ郵便局と
埼玉県の飲食業者の脱税事件に絡み、「長野貯金事務センター」
と所沢郵便局が、査察をうけたようです。
こんなこと聞いたことがないです。
事件は、三年間に約一億五千万円の所得と約七千万円を脱税した
もののようです。
[2000-09-12-13:41]共同通信ニュース速報 より。

僕も近くの特定郵便局の職員がお客さんに、税務署は郵便局へ
 ははいりません。安心してください。と説明しているのを実際に
きいたことがあります。
国の一機関なのに、なんということを!と思ったものです。
本当は、もっと早く「査察」されても当然だったのかも。

2000/9/12


国会議委員の不正 政党としてどうするのか

「東大阪」2000/9/6 より


▼またまた国会議員の不正が報道されています。民主党の
山本譲司代議士が国から支給された政策秘書の給与年間
一千万円の給与全額を三年間にわたり詐取し、そのうち二
千万円は流用されたとも報道されています。▼このこと自体
も、税金でまかなわれる秘書の給与が流用されるなど許せな
いことですが、注目したいのは政党としての態度です。▼清
潔な党をアピールしたいのであれば、党として調査し、処分
(除名など)をすべきであるのに、今のところそうしたことはな
さそうで、離党届を受理して【処理】するようである。▼他にも
同じようなことをしている議員がおるのでは?と思われたくな
いならば毅然とした調査、処分をすべきではないでしょうか。
   (son)

2000/9/7


日本で目立つ女性の賃金の低さ

「南大阪」 98/12/8


 今年の人権週間(一二月四〜一〇日)は「世界人権宣言」が採択され
て五〇周年にもあたるので特にいろんな取り組みがされています。政府
、国税庁、局も広報でそれなりに強調していますが、大事なのは実行す
ることです。宣伝するだけでは人権は守れないというのは国税の職場の
現実(組合差別、女性差別他)がその証明です。

世界人権宣言は

「世界人権宣言」では次のように言っています。
第一条
 すべての人間は,生れながらにして自由であり,かつ,尊厳と権利とに
 ついて平等である.人間は,理性と良心とを授けられており,互いに同
胞の精神をもって行動しなければならない.
第二条
 1 すべて人は,人種,皮膚の色,性,言語,宗教,政治上その他の意
  見,国民的若しくは社会的出身,財産,門地その他の地位又はこれ
に類するいかなる事由による差別をも受けることなく,この宣言に掲げる
すべての権利と自由とを享有することができる.

目立って低い日本の女性の賃金


 ここでは女性差別について考えてみます。右下のグラフは最近発売に
なった「日本の経済格差」(岩波新書)という本の九五頁から引用しました
が、男女の賃金格差の変化を表しています。(男性の賃金を一.〇とした
ときの割合を示している)
 ここからいえることは、日本では男女格差が他の先進諸国に比べてか
なり大きい、他の国では格差が解消方向に向かっているのに日本では拡
大していることです。「男女雇用機会均等法は一〇年以上前に施行され
ていますが、この面では効果が無かったということになります。
外国では制度の改善で
 欧米では公共政策の強化で格差縮小に成功しているのです。日本では
法律の規定はあっても罰則がないので効果が無くなっていると指摘されて
います。

EUでは

 EUでは昨年十二月には、権利を侵害されたとする原告が直接的、間接
的に差別があったと推定される事実を立証した場合、被告側は平等原則
に反していないことを立証しなければならない、という「立証責任」の指令
が出されました。「立証責任に関するEU指令はドイツではすでに実施ず
みだが、他の加盟国には画期的とされ、三年がかりで新しい法律を作る
よう求められています。失業率は高いが、女性の雇用を差別することは
できない」と言われています。

行政機関が模範を

 行政機関が率先垂範でまず女性差別をなくすことが大事で、国税庁にお
ける女性差別の是正もこうした観点とつながる非常に意味のある闘いで
す。
99/01/10


年金が狙われている 今月中旬に改悪案決定か


「南大阪」98/12/15より

 年金については重大な決定がされようとしていますい。いわゆる九九年改正に向
けて政府・自民党が一部の野党と「協力」して法改正の原案を作ろうとしています。
 報道されてきたことによると次の点が盛り込まれる可能性が高そうです。
■基礎年金の国庫負担率の 引き上げ
基礎年金の国庫負担率について、次の改定期にあたる二〇〇四年までに今の三分
の一から二分の一に引き上げる。
 これは国民年金などの掛け金が高く支払い不能になる人が多すぎて「保険」の制度
の形骸化が進むのを防ぐためにとる措置で当然のことです。
■保険料負担
二〇二五年ごろに至っても、保険料の上限は厚生年金で月収の二四%(現行は
一七・三五%。労使折半)
■保険料凍結
 保険料は国民年金が来年四月、厚生年金は来年一〇月から引き上げる予定だった
が、景気回復に配慮して見送る。
■給付水準
「賃金スライド制」を停止する。このため給付水準は現行(現役世代の手取り年収六二%)
より下がるが、「将来にわたって、現役世代の手取り年収のおおむね六割を確保する」と
している。
■その他
▽厚生年金の支給開始年齢を将来六〇歳から六五歳に引き上げる
▽保険料徴収の基準を従来の月収から、ボーナスを含む年収に改める
▽賃金を得ている高齢者に対して保険料を課す「在職老齢年金制度」の適用範囲
を六五〜六九歳(現行六〇〜六四歳)に拡大
消費税の目的税化もねらわれている
 最近急に報道の量が増えたのが消費税の福]
祉使用に限定する目的税化です。
 このことの問題性も多くのマスコミが指摘して
います。現状で見てもその福祉関連予算を消
費税でまかなおうとすると八%となります。
 自民党や政府が目的税化をしたがるのは、
消費税の税率をアップするときに「福祉予算が
○兆円不足」「それには○%のアップが必要」
とやれば飲まざるをえないようになります。
 すでに前に触れた、基礎年金の国庫(税金)
負担を二分の一に増やすことの財源にという
声が自民党内で強くなっています。



政党助成金問題の中島代議士自民党はなぜ処分しない?

元 自民党の代議士、中島洋次郎衆院議員(39)が逮捕され、その後再逮捕された。
この間、本人は自民党へ離党届を出してすんなりと認められている。
税金の使い道に国民の関心が強まり、政治家、政党はそういうことについて一段と
潔癖であるべきなのになぜ党として咎めをしようとしないのか。
---
「流用はみんなやっている。あの法律を守るためにかなり無理する部分がある」。自
民党の閣僚経験者の一人は中島議員逮捕のニュースを見ながら吐き捨てた。永田
町ではわずか数年前の政治改革論議をもう忘れたかのような「本音」を口にできる
雰囲気が出始めている。
---
こういう報道があるくらい日常のことが原因だったのかも知れない。
自民党に清潔な態度や清潔な政治を求めるのは「無い袖を振れ」というに等しいこと
なのか?

98/11/26

*似たような話で寄付金控除を利用した政治家の不正があったことがあります
  それに関してここに記事があります


国税庁長官と全国税との交渉から

全国税はキャリア腐敗をどのように追及しているか

「全国税」98/6/10号より

*協議会というのは全国税と沖縄の全税支部で構成する交渉のときの
  組織名です

●協議会「絶対にやるな」と予防監察で言われる ことをキャリアはやつた。汚職
 と同じだ。庁の幹部も処分され、庁の対応が注目される。庁幹部の責任と再発
 しないための手だてを明らかにせよ。
■長官 大蔵省全体の問題。庁の現職が省在職時、行きすぎたことをやり、処分
 されたというのは遺憾で残念。職員が仕事をする上で迷惑をかけたが、国から
 付託された重要な仕事をしているので、使命をまつとうしてほしい。庁の職員は
 私の名前で処分した。
●協議会「とんでもない額で接待を受けていた」が現場の感覚だ。綱紀粛正を厳
 しく言われてい る職員は、「同じことが繰り返され、また大きな問題になるるの
 では」と不安だ。六月人事でけじめをつけよ。
■長官 私の立場で、省に任され処分した。私の責任でミ今後とも対応する。
●協議会 責任のない職員は「お前たちも接待を受けただろう」と納税者から言わ
 れる。信用回復のために職場を民主化し、改革せよ。 そのために 1 庁・局の
 主要ポスト独占・特権人事を見直し、廃止せよ。2 全国税差別は是正せよ。
■長官 従来通り適正・公平な人事をやっていく。
●協議会キャリア署長は廃止せよ。
■長官 任命権者である私が「七月にどうするのか」の問題。大蔵大臣が国会答
 弁した「1種採用の任用のあり方」を踏まえてやっていきたい。
●協議会 自由にものが言える職場、下から上に意見が言える職場にせよ。批判
 を許さず、報復するようなことはやめよ。労働組合の意見を十分に聞き、行政や
 人事管理に生かせ。
■長官 自由にものは言っていただきたい。職場で意思疎通が図られるのは大切
 だ。
●協議会 事件が起きても背景の説明がない。現場にキャリア署長が来ることで
 職員がなびくシステムを作ったのはキャリアだ。

 以下続く
98/06/25


キャリアの27、8才署長は無くなる?が


6月23日にキャリアが27、8才で署長になることをやめ、国税局の調査官発令をするという
報道がされました。このページでもわれわれの主張=「税務署の調査官からスタートを」を
せたことがありますが、なぜ一線の「署」でなく「国税局」なのか?
キャリアと同じ大学卒業の「専門官採用者」は税務署からスターとしています。 不公平はま
だまだ残る。
 署でなく国税局となったひとつの理由は、推測するに、国税局の方が署に比べて庇護者が
いるからと思われます。先の記事にありますが、生涯を税務調査に従事したキャリアがいても
かまわないと思うのですが。

以下報道の一部紹介


◎署長登用改め国税調査官に  大蔵、若手キャリア人事
 共同通信経済ニュース速報

 大蔵省は、将来の幹部候補である若手キャリア職員を地方の税務
署長に登用する人事慣行を国税局の調査官に任命するよう改める。
 大蔵省は、入省6−7年目にあたる20代後半のキャリアの税務
署長への出向を慣行にしてきたが「若いうちに植え付けられた特権
意識がおごりを生み、一連の不祥事につながった」との批判を浴び
たため、人事慣行の見直しを表明していた。
 今後は、入省2年目程度の若手キャリアを全国に11ある国税局
に調査官として派遣、より現場に近いところで実務経験を積ませる。
国税調査官は、資本金1億円以上の企業の申告内容に関する調査な
どを担当し、対象企業に出向き実地調査などにあたる。大蔵省は
「税の専門知識などがない段階なので、実際には先輩の仕事ぶりを
勉強することになる」としている。
98/06/23


一連の汚職問題に関する大蔵省の「処分」に対する書記長談話

(全国税・山口潤一郎書記長談話)
全国税のホームページから転載


一、 本日夕刻、大蔵省は金融機関からの接待疑惑に関わって幹部職員含む「処分」を発表
    した。我々税務職員は、日頃厳しい職業倫理と生活を 求められており、報道されている
    接待漬けの実態は、一般の国税員の目から見てあまりに異常であり、国民の批判は当
    然であり、処分もまた当然 と考える。
一、 この「処分」は、いわば「身内の調査」結果によるものであり、限られた期間の限られた
    対象者に対してのものであるが、調査対象の二割 もの処分者を出したことは、キャリア
    を中心とした腐敗の深さと病理の深刻さを示すものであり、大蔵省の民主的改革の必要
    を痛感する。
一、 大蔵省・国税庁当局はこれまで組合活動を理由に三十余名の全国税組合員の懲戒・免
    職処分を行なってきた過去がある。今回免職処分を行 なわなかったことは、著しくバラン
    スを失するものであり、職員感情としても納得できない。
一、 未だ疑惑の全貌は解明されていないし、再発防止策も明らかではな い。全国税は引き続
    き次のことを要求する。

1 国会に「調査特別委員会」を設置するなど、官僚腐敗の全貌を明らかにすること。
2 「キャリア税務署長」やキャリアの国税局幹部ポスト独占などの官僚特権人事や天下りを廃
   止し、人事を民主化すること。
3 行政内部のチェック機能を高めるため、労働組合弾圧政策をやめ、全国税組合員への差別
   を一掃すること。
4 行政運営と職場に民主主義を確立すること。


1998年4月27日
全国税労働組合
書記長 山口潤一郎

98/05/17


大蔵省汚職に青年が怒りの声―投稿
一切の”ウミ”を出し切れ!

「全国税」1998/4/25より

【東海地連発】今回の一連の大蔵省幹部不祥事、「犯罪」には本当に腹
が立ちます。
 私たち第一線の職員は、安月給でも日々職務に励んでいます。しか
し、こういった「事件」が起こったときに「綱紀の粛正」とかで、割を
食うのは決まって私たち末端です。9時出勤やレクがなくなったのもそ
のせいだと聞きました。
 今回逮捕された榊原某氏は、私の年令のときには「同期一律」に税務
署長(多治見)をやっていたそうですが、私は特昇も2発目で今だに3
級です。採用試験は違うし、東大の法学部も出ていないけど、今の時代
に非常にばかばかしい「身分制度」だと思えて仕方ありません。
 また、大蔵省在籍中の監督責任とかで、森田名古屋局長が処分されま
した。確申期中の処分で「厳格さ」を表わしたつもりなのでしょうが、
私には相変わらずの茶番に見えて仕方ありません。課長補佐が接待づけ
なのに、直属の課長であった森田局長には「何もなかったのか」と勘繰
りたくなるのは私だけでしょうか。 

  「部内清掃」に組合も力を発揮せよ
 もうこの際、一切のウミを出し切ったらどうでしょうか。検察当局に
は妥協することなく、徹底解明を期待したいです。
 また、部内をきれいにしていくのには、私たち職員の努力も必要だと
思います。そのためには、組合にも大いに力を発揮してもらいたいと思
います。それが組合の責務だと思います。


キャリアはキャリア不足でキャリアはキャリアが豊富

1998/4/11

最近はキャリアという言葉が定着している。
普通、国家公務員採用試験1種にパスして採用された公務員のことを指す。問題になるのは
この採用試験の違いが公務員でいる間ずっと「特殊効果」をもち、多くは出世街道を走ることに
なる。キャリア以外では本省の課長以上になるのは希であるということは、幹部のほとんどがキ
ャリアに占められてしまうということである。

 キャリアが出世にするには一カ所にとどまっていてはそれも不可能になるので、多くは1〜2年で
次から次へと職種やポストを変わりつづけることになる。このことは特定の仕事に通じる機会が少
なくなるということである。そうした幹部「育成」人事のもとで行政の実務が円滑に進み、運営事態
が評価されるのはキャリア以外の国家公務員が実務知識を蓄積し、支えているからである。

こうした事情を考えるとき、「キャリア」は普通「経験」や「経歴」のことを指すので「キャリアはノ
ンキャリアでノンキャリアにキャリアがある」
と言える。
言葉の問題だけでなく、キャリア官僚超優遇の人事の矛盾がここに表現されているといえはしな
いだろうか。


辞典、事典でキャリアを引いてみると

デイリーコンサイス

 □ca・reer→n.生涯;経歴,履歴;(生涯の)職業;成功,出世;疾走,速力.◎in full career 全速力で.◎make a career 出世する.
   ca・reer

大辞林

キャリア [1] □career□
(1)経歴。経験。「豊富な―の選手」
(2)職業,特に専門的な知識や技術を要する職業に就いていること。
(3)日本の中央官庁で,国家公務員試験 I 種合格者の俗称。「―組」

英和中辞典/研究社

1 _ 生涯,経歴,履歴.
2 _ (特別な訓練を要する)職業,生涯の仕事.
3 _ 疾走.
 ca・r_er・ism /-r_(_)r_zm/___ 出世第一主義.
 ca・r_er・ist /-r_st/___ 出世第一主義者.

広辞苑

キャリア【career】
(1)(職業・生涯の)経歴。
(2)専門的技能を要する職業についていること。
(3)国家公務員試験_種(上級甲)合格者で、本庁に採用されている者。「―組」


全国税本部のホームページへのリンクによる情報

逮捕された榊原が愛知県の多治見で署長をやっていた

その当時の話がここ(全国税労組本部のホームページ内)にあります

関連情報ですが、逮捕のあった日の大蔵省の様子がどうであったかを全国税の
機関誌が報じています(全国税本部は大蔵省ビルの1階にある)
。情報はここです
*いずれの記事も全国税の機関誌を載せているページですが、スクロールをして後ろの記事を探してください


アメリカでは高速道路は建設していない

「南大阪」98/3/10 より

 ▼財政改革に欠かせないのが公共事業の削
 減であると多くの人が考えるようになって
 きています。なかでも道路建設に大きな資
 金を投入してきたことは批判の的になって
 います。▼「公共事業をどうするか」(岩
 波新書四九二)によるとアメリカでは一九
 九一年に議会で道路行政の転換を示す「多
 種運輸機関陸上輸送効率化法」が成立し,
 ています。▼この法律のねらいは@都市の
 渋滞の発生と公害まきちらしに歯止めをか
 けるため電車、地下鉄、バスなどの大量公
 共輸送手段を従事させることA州を結ぶ主
 要な道路を管理・補修の対象とすると同時
 にかく道路の連絡をよくすることにあるそ
 うです。また財源となっていたガソリン税
 も一九八〇年代以降ほかの交通手段の建設
 財源にも使うことを決めたそうです。▼同
 書の著者は転換ができた理由として議会が
 主体性をもって官僚に任せずに立法をする
 こと。国民が環境を守る運動に幅広く参加
 して運動組織が数多く成立しそれが議会へ
 の圧力となっていることなどを挙げていま
 す。     

キャリア官僚 30代で署長でも 早すぎる

1998/3/3「南大阪「より

 先週次のような報道がありました。
【慣例の「二〇代税務署長」見直し表明・・松永蔵相】
 大蔵省のキャリア官僚(国家公務員一種試験合格者)が二〇代後半で税務署長
に就任する人事に批判が集まっていることについて、松永光蔵相は二七日の衆院
予算委員会で、「二〇代後半で特権意識が身に付くことはいいことではない。も
う少し経験を積んでからの派遣に改善することにしている」と述べ、これまでの
人事慣例を改めることを正式に表明した。
 生方幸夫氏(民友連)の質問に答えたもので、「二〇代から三〇代に引き上げ
るよりも、署長就任自体が弊害がある。むしろ一線の署員に出し、税金を集めて
くることから始めるべきだ」との追及に対して、大蔵省の武藤敏郎官房長は「批
判を踏まえ、署長の任命の在り方をさらに見直していきたい」と述べた。
                           二月二八日「毎日」

全廃には抵抗大蔵省


 すでに署長就任年齢を引き上げることは報道されていました。そのなかで大蔵
省は「全廃」は困ると世論に抵抗してきています。
 今回の報道で目新しいのは武藤官房長が「 任命の在り方をさらに見直してい
きたい」と言っている点です。どこまで本気なのか?
 長い間にわたり、戦前を引きずっているこの仕組みが批判され続けて来てもま
だ「改革」ができていないわけですからキャリア以外の職員、国民やマスコミが
目を光らしていなければ根本的な解決をサボルことは明らかです。

法的根拠無い 若いときの就任


 上のニュースでは三〇代といっていますが、これでも他の職員と比べれば比較
にならないくらい早い昇任です。
 キャリア官僚が若いうちから署長になることに法的な根拠は無いことは人事院
の関東事務局長を経験した川村祐三氏などが再三指摘しているとおりです。
 こうした特権的な扱いが、キャリア官僚達の職業倫理の形成に大きく影響する
と同時に、この仕組み自体がキャリア官僚達を「すごい能力と権力を持っている」
と職員や国民に信じ込ませる役割をもっています。
 この「悪しき習慣」の弊害についてマスコミでは「接待の味を覚える」「上座
に座ることに慣れる」といった面が取り上げられますがそれだけでは不十分です。

実績なしに署長 問題あり

 国家公務員法は三七条で「A(省略)昇任は、当該在職者の従前の勤務実績に
基づく選考により、これを行うことができる。」と定めています。
 出身大学、採用形態で昇任コースを予め決めることは法律に反することです。
 他の職員と対等の条件で昇任させるべきなのです。一行政組織の長に昇任する
には実績を重ね段階を踏まなければならないのではないでしょうか。


ヒラから経験を

 キャリア官僚が税務署に出てくる必要があるのならば平職員から出発させ、調
査・徴収をさせればいいことです。そのなかで実績を重ねて幹部になれば職員も
国民も批判はしないでしょう。
 それに、生涯調査に携わった東大出身者がいてもいいのではないでしょうか。
現場で仕事をして幹部になるのが当然の筋道だと思います。



「ばか殿教育」の結果?

「南大阪」98/2/3より

▼自民党の新井将敬氏が疑惑の焦点にいる。友人の名前を借りて「一任勘定」を作
り四一〇〇万円の利益をあげさせ、しかもその原資となった金も無担保で一億円の借
り入れをしたそうです。▼新井氏は大蔵官僚出身で若いときには山形県の酒田税務署
の署長を経験しています。その時の自慢話(砂丘利用した農業所得の脱税摘発だった
?)を本に書いたりしています。▼ 新潟の三条税務署長をやりながら「税法に詳しくな
かった」と言ったのは例の中島義雄氏です。この人も愛人といわれる花屋経営の女性
名義の預金口座へ副業の収益を入金させていました。
20代で署長をさせることを「ばか殿教育」とたとえるマスコミがありますが、この二人はそ
の典型でしょう。職歴で育つべき倫理感は無く、逆に「何をやっても良い」という「特権
意識」が芽生えていったのでしょう。【デスク発】


金丸氏は議員辞職をするべき 

92/9/8


 昨年の暮れにTBSが作った「報道特集」という番組の中で佐川急便の献金疑惑が取り上げられていた。
 記憶に残っているのは、「東京佐川」の渡辺社長は日頃「政治家は金でどうにでもなる」と言っており、小
沢一郎や金丸信のことを蔭では呼び捨てにしていたということであった。
 この番組を見て以来、以前から問題になっていた「共和」は宮沢派の金づるで「佐川」は竹下派の金づる
だったと確信していた。
 それが、やっとここにきて検察の手が中枢に迫ってきてマスコミも本格報道を始めた。 しかし、まだまだ
手緩いと思う。
 例えば、金丸氏が辞めた、辞めないで騒いでいるが自民党の副総裁や派閥の会長というポストは私的
団体の役職であるはず。本来マスコミや世間が騒ぐべきは公的なポストからの去就ではないのか。
 具体的には、国会議員の座から一番早く退くべきと主張して当然ではないのか。
 自民党の副総裁をやめたことよりも、まだ国会議員をやめずに税金でまかなわれる給料をもらっているこ
との方が重大事件だと私は考えている。



一般職員の監視よりも先に官僚の監視を

96/9/1


 左の記事は八月三十一日の『朝日』の記事です。
関信局の調査査察部長が一年半も第一生命から携帯電話を借り、通話料金も払わせていたという話で
す。
 最近大阪局の監察が職員百人以上の職員と家族がサラ金からの借入情報を不正な手段で手に入れ
ていたとの報道がありましたが、こんな部長こそがそうした対象となるのにふさわしいのではないでしょう
か。
 この部長が電話を使い続けていた時期は、かの中島や田谷が過剰な接待を受けて問題になっていた
時期と重なっています。大蔵省も戒めの通達を出していた筈です。この部長は「誰でもやっている」とか
「自分は特別」と考えたのでしょうか。はたまた「あの人達は運が悪い」と考えたのでしょうか。
 いずれにしても普通の倫理感を持ち合わせていないようです。「高級官僚」の「高級」が泣きます。
 地位の高い人、権限のより大きい人こそ、識見とともに人格的に高潔さを求められます。ところが、我が
国では大蔵官僚をはじめとする高級官僚や保守政治家には、こうした自覚は殆ど見られません。
 これは国民と一般の公務員にとって極めて不幸なことです。(「いずみ」より)


選挙区制の問題点

96/11/12

★衆議院選挙とその結果をみていろんなことを感じた。
★小選挙区で自民党は三八・六%の得票しかないのに五六・三%の議席をとった。相対的に多数であれ
ば議席がとれる小選挙区制のおかげであることははっきりしている。国会は有権者(国民)の意思をでき
るだけ正確に反映したものとすべきであると国民の多くが考えているはずだが。
★権力を持つ者がより権力を強大にするような制度が国民一般の生活と権利の向上につながった例は
殆どないはず。
★政見放送では福祉関係の予算を削る方針を持っている自民党や新進党の候補者も見た限りでは福
祉予算を削るから我慢してくれと言ってる人はいなかった。
★消費税では属している党が五%引き上げ方針を固めているにもかかわらず、引き上げ反対ととれる発
言をしている人が多かった。ある調査では、自・民・社・さのの当選者(比例単独候補を除く)のなかでは
っきりと「五%引き上げ支持」と言った人はわずか五〇人しかいなかったそうである。



局長の見方はおかしくはないか

97/6/19

 五月十六日発行の「時報おおさか」(一〇九八号)に局長の書いたものが載りました。その文章の主旨
(君達には退職後も税理士という道がある、他) 自体も「おかしい」声を聞きますが、ここでは以下の部分、
特に波線部分に注目します。
以下引用−−−−
若手職員の皆さんへ 
大阪国税局長
  大武 健一郎
(一部略)
 皆さんが、国税という職場に奉職されたことは本当にすばらしいことだと思います。
 その理由として私は、二つあると思っています。
 一つ目は、何よりも公共のためという人きな目標・目的を持ったということです。
 今、国家公務員や地方公務員に対する批判が種々なされています。
しかし、実は何でそれだけ批判があるかと言えば、これからの社会は高齢化そして国際化が一層進展し、
日本の国民一人一人に大変重たい負担が懸かってくる。それだからこそ公共のための役割が、より一層
高まってくる。そこで、それに奉職する人たちに対する期待を込めての批判でもあるわけてす。
 そしてこれから、より一層期待されるその公共の役割を、実は一番財源面で担うのは皆さんです。
−−引用終わり

 局長が「公務員への批判」と書いていることが具体的にどの事件を差しているかは不明ですが、常識的
には、岡光次官が六千万円の贈与を受けていたこと、大蔵省幹部の一連の事件も含まれるでしょう。当
時のニュース記事二件を参考に掲げます。

●共同通信ニュースから

 東京国税局が中島義雄・元大蔵省主計局次長(五三)の借名口座と認定した二つの銀行口座は大蔵
省近くの同じ都市銀行支店にあり、ゴルフ会員権あっせんの口利き料約四百五十万円をはじめ商品先
物取引会社「東京ゼネラル」(本社東京)からの三千万円などが次々振り込まれ、中島氏自身によって
引き出されていたことが、六日までの同国税局の税務調査で分かった。
 関係者によると、この都銀支店は大蔵省から約二百メートルの”至近距離”にある。借名口座と認定
されたのは中島氏の知人の女性名義と、その女性が経営していた生花店名義の口座。*一部省略
(96/2/6)

●毎日新聞から

 大蔵省は三十日、保険会社から一年八カ月にわたり、無料で携帯電話を借りていた関東信越国税局
の佐藤誠一郎・調査査察部長(三七)を同日付で内規に基づく訓告処分にしたと発表した。
*一部省略 (96/8/30)

「高齢化社会で負担が増える中での期待を込めたもの」ではなくて、「表面はエリートでも実態は醜い倫
理感のない行為への怒り」が報道とその反響から伺えたとする方が自然な解釈でしょう。

 局長にはこうした認識はないのでしょうか。あるいは、認識はあっても「若手」相手だから抽象的な理屈
を言えば官僚批判を公務員一般への批判にすりかえ自分達高級官僚擁護(結果的には無反省)が通用
すると考えたのでしょうか。
 局長のこうした考えをいろんな国民が知ったならどいう反応を示すか興味があるところです。


以上は07/06/97に追加



国税局幹部の優待パス

91/05/06 


▼私は国税局の係長をやっていますが、国税局の組織的いやらしさに、
いや気がさして来ました、何とかして下さい。例えば私鉄の優待パス
です。国税局法人税課では長年課長補佐以上の幹部は、各私鉄から優
待乗車券を取り、通勤、出張に使い、旅費をポケットに入れています。
優待乗車券を受けている者……・直税部次長 中瀬次長・戸島法人税
課長 富田補佐 平口補佐 山田補佐 ▼さらに法人税課が決算の手
引という本の見返りで裏金をつくり、飲み代、ゴルフのコンペの費用
にしている ▼以上の話は最近出版された『税務署をマルサせよ』
(GU出版)にでていました。この本は例の「ニセ税理士事件」を主に
扱っているが他にも興味ある「事実」が出ており、実名あるいは特定
できそうなイニシャルなどで「ワル」が登場しています。▼読後感想
……局の上はどこまで腐っているか底知れない。 


この社会あなたの税が生きている??

92/2/14


▼『この社会あなたの税が生きている』国税庁のお気に入りのキャッチ
フレーズだ。▼ところで、確申期に納税者からこの言葉の意味を問い返
されたら職員はどう説明するのだろうか?。▼学校、道路、福祉を例に
挙げる?▼私が納税者なら「税は百%社会のために生かされて当然では
ないか」「しかし、現実にはどうか。『共和』の阿部元長官、『佐川』
の百名以上と言われる国会議員。この人達の本人の給料と秘書の給料ま
でも税金で賄われている。」「戦争なんかできない旧ソ連を仮想敵国と
して備えてきた膨大な軍隊(自衛隊)は、依然として大きな規模で維持
されている。」と質してみたい。▼身近すぎるところでは、全国税対策
のための違法かつ不法で犯罪的な国税庁の労務政策も税金で給料が賄わ
れてい職員が考え、実行している。▼胸を張って「税金は百%社会を支
えるために使われています」と一度言って見たい。



私が局長だったら

92/3/10


▼私が国税局長だとしたら還付申告に対しては自力作成で臨む。▼しか
しそれは以下の条件と環境があればの話。▼何より還付申告者は税務署
にとって余計なものと見える。加えて一度言い出したことは引っ込めら
れないわがままな性格を持つ。それに「高級官僚だもの私の考えること
が一番正しい」と確信する自信家でもある。さらに実務を知らないので
大胆な発想ができる。将来のこともあるので庁や本省で評価されるよう
なことしか興味が出てこない。これが一番だが、この施策の結果が出る
数年後には全く違う部署にいるので責任は問われることはまず無いので
軽い気持ちで発言できる。署の自主性とは自分が命令した範囲のことを
自主的にやることと考え、還付のお客が一日に数人のところも数百人の
ところも一斉に同じ方法でと無茶苦茶なことが命令できる勇気も湧いて
きた。部下にも正論を堂々と述べるような者もいない。▼こんな環境は
めったに無い。


署長は猿回しの猿のよう

92/4/13


▼二十数年間全国税組合員としていろんな署長をみてきて感じることが
ある。▼署長と言っても仕事上の権限はともかく、学歴、収入水準、生
活ぶりは全国税組合員とほとんど変らないのになぜこうまで全国税を敵
視するのかということでである。▼キャリア組であれば、退職後は一流
銀行の頭取にでもなれるので「君たちとは違う」「生涯を通してずっと
利害が一致することは無い」と宣言されてもそれなりに納得できる。▼
しかし、普通の署長は全国税が主張している「年金を下げるな」「健康
保険制度を改悪するな」「基本的人権を守れ」「民主主義を侵すな」な
どの要求は支持できるはずだ。退職後となればあくどい天下り先集めを
しない限り利害の一致はますます鮮明になる。▼「仕事でやっている」
「命令があったから」と言うのかも知れないがもっと自分の足許を見て
もいいのではないか。▼私には全国税を敵視する署長は、高級官僚が書
いた芝居を演じている役者か、猿回しの猿に見えるでのである。


選挙結果の見方

92/8/1

先日行われた参議院選挙マスコミ一般では「自民党の勝利」と言われて
いますが、はたしてそうでしょうか。改選議席百二十七のうち六十八を
とったので「勝利」とは言えないことはないのですが、これは当選者の
数です。
国民の意思が直接表現される得票数(率)ではどうかというと・・比
例区での自民党の得票率は三三・二九%、選挙区では一部の野党しか候
補者を立てないこともあって四三・四%と上がりますが、過半数の支持
とはなっていません。身近な大阪選挙区でみると二四・一六%、同じく
大都会の東京では二七・一八%の得票率です。「一票の格差」が、言い
変えると、定数是正を故意にさぼり歪んだ定数と制度が自民党を政権政
党たらしめているのです。こうした〈仕掛け〉のもとでの選挙だという
ことをマスコミはもっと強調すべきなのです。



金丸と脱税と検察庁

92/10/5


▼そのときどきのできごとを税金問題に還元して考える習慣がある。佐
川急便の裏献金事件についても考えていたところに『週刊朝日』の「検
察が見逃す金丸『脱税』」という広告が目についた。早速読んでみると
……▼《金丸氏が事情聞き取りを受けるとボロが出てしまい、政治資金
規正法だけでなく所得税法違反に問われてしまうからではないか》《検
察庁幹部も5億円の使途を聞くと国税庁だって動かざるをえない状況に
なったのではないかと言っている》《検察は5億円の使途を把握し、国
税庁が所得税法違反で調べるのがすじ》▼《そうならなかったのは検察
の最高幹部が永田町とつながっているからという検察内部の人がいる》
《かって裁判のなかで、政治家は政治資金という名の免罪符を持つかの
ような考えを抱いているのならば納税に関する限り受入れられない、と
したのもある》などとあった。


政治はやくざ関連産業

92/11/30


『政治はやくざ関連産業』と言ったのは故大宅壮一らしいが、この言
葉をキーワードどとする特集記事を雑誌「エコノミスト」(十一月十
六日発売)が載せた。これを読むと、保守政治と右翼・暴力団との関
係が今に始ったことではないことが分る。政治家がやくざ利用を始め
たのは自由民権運動の頃からだそうで、この運動に対抗するため明治
二五年の『東京日日新聞』には壮士クラブの広告が堂々と掲載され
「犯罪条例違反、官吏侮辱による禁獄などの前科」のある“勇猛人士”
を募ってたりしたそうだ。戦後になってからでは、敗戦直後の混乱期
に、政治資金に詰まった政治家が、親分に選挙資金の援助まで求めた
そうだ。おだてられて新宿から出た関東尾津組の尾津喜之助は、どた
ん場で自由党公認からはずされ落選したりもしたという。また、昭和三
八年に二代目本多会の襲名披露には大野伴睦を筆頭に村上勇(衆)赤間
文三(参)堀川恭平(衆)原健三郎(衆)、中野文門(参)と当時の超
大物達がかけつけたりしたそうだ。



小選挙区制と政党

93/6/14


▼先日友人K氏と小選挙区制について話をした。▼β「野党は自分が不
利になることが分り切っているのになんでそんな小選挙区制の土俵に上
ってる提案にのるのかな?」K「公明党、民社党は絶対不利、社会党で
も議席は減る。そやからウラがあると思う。たぶん自民党の一部とか日
本新党とかと一緒になるという前提で言うてるんとちがうか?。小沢一
郎から、『近い将来自民党から出る、そのときは一緒に』とささやかれ
たというようなことはあるかもしれん。それに逆にそんな状況をつくる
ために言うてるということ考えられるな」▼β「そうか、そんな野党が
政権にはいったら政治はちょっとくらい良うなるかな?」K「大阪の市
長や知事の選挙見てみ、共産党以外は与党やけど、自民党とか財界が困
るような政治してないやろ。それとか特に福祉が充実してるとかいうこ
ともないやんか。すでに社公民は自民党とあんまり変らんとこまできて
るんよ」▼今週中に小選挙区制がはいるかどうか山場を迎える(β)



エリートの本質は

93/7/19


▼「エリート」と他のところで書いて注ぐとうまく行くいうと普通は
何を連想するだろう。高級官僚のことかか、もっと範囲を狭めて大蔵
官僚のことになるのだろうか。本来は国会議員特に権力に近い保守系
の議員や大企業の役員達も含まれるのだろう。▼九年前「日本のエリ
ート」(北川隆吉他著・大月書店)という本を読んだことがある。こ
の本に日本のエリートを分析した言葉で次のような一節があった。▼
「パワーエリートたちを結束させたギリギリの共通項は、思想でも
「神」でもなく、文化でもない。極端に言えば「国益」の名のもとに
じつは自分たちの私利私益、つまり地位、特権、富などの利益を守る
ということにつきる。このかぎりで、パワーエリート集団は新奇なもの
を追い求め、社会革新をすすめるし、たがいの不一致を無限包摂的に許
容しあうわけである。▼「国益」というが本音は「私益」にあり。鋭い
分析だと思う。政界、官界のできごとをこの観点で一度見てみることを
お勧めしたいと思う。



細川首相は議員も辞職すべき

94/4/12



▼細川首相の総理辞任は本当に驚いた。しかし、そうすべきでなかった
とは思わない。逆に、総理だけでなく、いろんな疑惑の真相を明らかに
した後で、議員もやめるべきであると考える。▼なぜなら佐川からの借
入返済などに関連して国会に提出してきた弁明資料は嘘であることを認
め、かつまたNTT株も自分の事務所を通した取引であることも認めざ
るを得なくなっているからだ。嘘が二重にも三重にもなっている。こう
した人物が国会議員で国民の税金でまかなわれる給料をもらっていてい
いはずはない。▼ところで新聞、テレビでは、誰が後継者になるか、政
党の組合せがどうなるかなどの予想にあけくれているが、これでいいの
か。▼「汚れたカネも政治家の甲斐性(かいしょう)と考えるような古
い体質の人々が政権獲得だけを目的に結集を図っても国民の支持は得ら
れない」という記事もあるがこれは決して一面の見出しにはならないし、
こうしたことは全く書かない新聞もある。