6月16日(日)〜17日(月)コペンハーゲンから帰国
■ツアー9日目の実質的な最後の朝を迎えた。6時半からの朝食を済ませ、出発の10時45分までたっぷりある時間を再びホテル周辺の散策に充てることにした。
■ホテル南側には高層マンション群が広がっている。コペンハーゲンのごく一般的な市民生活の風景があるに違いない。家内と一緒に高層マンションビル群の大通りを歩いた。日曜の早朝とて人っこひとり見当たらない。木製遊具の並ぶ公園に放置された幼児用の三輪車が若いファミリーの日常を偲ばせた。静かで清潔な街並みに北欧の福祉国家の市民の営みを垣間見た気がした。
■ホテル前の運河対岸の公園に行ってみることにした。東側にある架け橋に向かっていた。途中の運河手前の公園通路脇のベンチでひとりの老婦人が分厚い単行本を読みふけっていた。私たちが前を通り過ぎても顔を上げることなく視線は本に向かっている。何故か印象的なその姿を遠くからズームアップしてカメラに納めた。対岸公園の遊歩道には多くの市民のジョギング姿が行きかっていた。スラブの肉食系女子の迫力ある肢体に圧倒された。対岸の島を一巡して帰路に着いた。
■橋の中ほどでツアーの一番の仲良しさんの香川のご夫婦に遭遇した。私たちが昨日訪ねた救世主教会に今から行くつもりとのこと。道案内を兼ねて同行することにした。四人で教会見学を終えた帰り道、セブンイレブンのコンビニがあった。話の種とばかり立ち寄った。扱い商品の違いは別にしても店内レイアウトにあまり違いはない。日本メーカーの冷凍食品を見つけて心和むものがあった。ちょっとした買物をして家内がひとりでレジに向かうのを見守った。無事済ませるのを見届けて「やればできる」と呟いた。
■予定通り専用バスがホテルを出発した。あっという間に市庁舎前広場に着き下車してストロイエの一角にあるレストランに向かった。肉牛の看板が目につくレストランでの11時からの早目の昼食だった。待つほどもなく運ばれてきたのは20cm四方はあろうかという巨大なポークリブステーキだった。表面の肉をナイフとフォークで削って食べようとしたが到底埒があかない。片方を手で掴んで骨と骨の間をナイフで切り裂いて部位ごと噛りついてようやく塊を胃袋に収納できた。決して自慢できる美味しさではなかったが話の種としては楽しい昼食だった。
■13時頃にコペンハーゲン国際空港に着いた。15時30分発ドーハ行カタール航空0086便に搭乗した。17時過ぎに運ばれた夕食用機内食のうどん風牛肉パスタをあてにハイネケンビールを二缶飲んだ。一杯千円前後もした北欧三国の消費税込みビールを思えば無料の機内サービスビールが何ともありがたい。機内ではビデオ映画を三本ばかり鑑賞した。川原和久主演の「相棒シリーズ・XDAY」、草刈民代主演の「終の信託」、橋爪功&吉行和子主演の「東京物語」である。「終の信託」」は、安楽死を巡る医師と患者と検事の迫真の葛藤劇で見応えがあった。山田洋次監督の「東京物語」は文句なく心打たれる泣ける作品だった。おかげで苦痛の長時間フライトを充実した時間で過ごせた。
■トランジットのドーハでは家内の指示で往路にチェックしていたお土産品をどっさり買い込んだ。重くなった荷物を機内に持ち込み再び1時40分ドーハ発関空行のカタール航空0802便に搭乗した。17時25分に無事に関空に到着し、20時頃には自宅に辿り着いた。長くて短かった北欧10日間の旅が終わった。 

前頁に戻る 次頁に続く