10月10日(金) 世界遺産・メテオラ修道院の驚異
メテオラの麓の趣きのあるレストラン
■昨日より1時間遅い7時のモーニングコールで目覚める。現地ギリシャの朝食に近いメニューという簡素な食材のビュッフェスタイルの食事を済ませる。8時40分、バスは北に向かって210kmのメテオラを目指す。車窓からは、なだらかな山並みの中に、岩肌に覆われた険しい山並みが現れてくる。途中、トイレ休憩を挟んで12時30分にカランバカのタベルナに着く。
■メテオラの巨大な奇岩の壁を背景にした趣きのある店だった。イエミスタと呼ばれるギリシャ料理の昼食は、トマトやピーマンのライス詰めだった。
■ここで合流した現地ガイドは、70代とおぼしきマリアおばあさんだった。ギリシャ北部までくるとさすがに日本語ガイドの手当は困難なのだろうか。マリアさんは英語しか話さない。添乗員のMさんが通訳に早変わりする。またアテネからテッサロニキまでの4泊5日の長距離の旅のドライバーを一手に引き受けてもらったのは初老の怖そうなおじさんだった。
 画像は左から、岩肌の山並み、カランバカのレストラン、昼食の料理、添乗員と現地ガイドさん、バスドライバーである。
初めて眺めるテオラ修道院の感動
■昼食後、著名な世界遺産を目指してバスが出発した。10分ばかりでそびえたつ巨岩の頂きに建つ修道院の驚愕の光景が目に飛び込んできた。メテオラ修道院観光の最初のスポッであるアギオス・ステファノス修道院に到着した。
■メテオラとは「空中に吊り上げられた」という意味だそうだ。その名の通り、立ち並ぶ「岩の塔」のそれぞれの頂きにはギリシャ正教の大小6つの修道院が建っている。観る者に「よくぞあんなところに建てたもの」と驚嘆と感動を呼ばずにはおれない。
■アギオス・ステファノス修道院を門前で見学した後、メインスポットのメガロ・メテオロン修道院に向かう。車窓から見える修道院を戴く巨岩とケシ粒のような麓の街並みとの見事なコントラストにため息が漏れる。画像は左から、近づいてきたメテオラの岩山、アギオス・ステファノス修道院、巨岩と麓の街並みである。
メガロ・メテオロン修道院の院内風景
■メガロ・メテオロン修道院は、メテオラ最大の修道院で全体の行政組織のあるところである。かっては100人近く住んでいた修道士たちも今はわずか6人のみとなっている。
■入口からいったん石段を降りた後、再び岩の頂きに向かって300段の石段を登る。滑車に吊るされたモッコが、昔は修道士たちが中に入って昇り降りしていたという往時を偲ばせる。ここで命を終えた多くの修道士たちの頭蓋骨が安置された部屋もある。撮影禁止の中枢部の教会堂内は、カソリック教会にはないギリシャ正教特有の神秘的な雰囲気を醸している。大食堂や台所などを見学した後、フリータイムとなる。
 画像は左から、修道院のモッコの塔、モッコを吊るした滑車の部屋、天井画、大食堂、小教会、購入したイコンである。
メガロ・メテオロン修道院の概観と眺望
■展望台からは先ほど観たアギオス・ステファノス修道院の美しい眺望が望める。撮影を楽しんだ後、修道院内の売店に立ち寄る。聖地に最も近い販売店には様々なイコン(聖画板)が並んでいる。イコンをめぐるドラマは外国小説にしばしば登場する。かねてからほしいと思っていたイコンを聖地で求めた。修道院を出て周辺を散策する。メガロ・メテオロン修道院の外観を撮影する。
■帰路、バスを降りヴァルラーム修道院やルサヌー修道院を眺望する。 画像は左から、アギオス・ステファノス修道院、メガロ・メテオロン修道院の外観、同遠望、ヴァルラーム修道院、ルサヌー修道院である。
街角散策と修道僧との出合い
■4時過ぎにメテオラの麓の街カランバカのホテルに着いた。玄関からメテオラの岩山とかすかに修道院すら展望できる。この街ではごくありふれた風景だと思い知らされる。ホテルは目抜き通りの外れに建つオルフェアスというホテルだ。7時の夕食までの時間を添乗員さん紹介のスーパーマーケットでショッピングを楽しむことにした。行ってみると日本でも馴染みのカルフールの店だった。おりしも入口で買物帰りのギリシャ正教の僧に出くわした。写真撮影をお願いすると、ショッピングカートの横でにっこりほほ笑んで了承してもらった。黒い衣と帽子をまとい長い白髭を蓄えた伝統的な姿が印象的だった。ちょっとした土産物を買ってホテルに戻った。
■7時からはホテル内のレストランで夕食となる。肉団子のトマトソース煮というギリシャ料理などのメインデッシュと前菜、サラダ、スープのバイキング形式の夕食だった。部屋に戻り旅行会社提供の切手添付済みの絵葉書で子供たち宛に旅の模様を記した。フロントに預けると数日後に日本に配達されるという。帰宅した時、我が家の娘宛の葉書を目にするのだろうか。
 画像は左から、街角からのメテオラ、オルフェアス・ホテル、カランバカの目抜き通り、出会った修道僧、夕食のバイキングである。

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