10月16日(木) クルーズ最後の日・クレタ島からサントリーニ島
クノッソス宮殿遺跡
■朝5時前に目が覚めて、クルーズ最後の日を迎えた。クレタ島観光の日だ。下船前のツアーの打合せの時に誰かが部屋が暑すぎるという声が上がった。他のメンバーからは寒いという声もあった。部屋の空調がないのでは?という声に誰かがキャビン入口の天井にコントローラーがあると指摘する。クルーズ最終日になってようやく室温調整に気づくというドタバタの一席だった。
■イラクリオン港に便利な接岸下船でバスに乗車する。バスの乗客がが観光コースの異なる他の日本人グループと混載になるという手配ミスが発覚。船会社スタッフ、現地ガイド、添乗員たちによるトラブル・サミットを急遽開催。結局、無事我々だけの単独バスに変更。添乗員さんのファイトにエール。現地ガイドは英語ガイドながら30代男性・ジョージさん。
■港から約15分でクノッソス宮殿遺跡に到着。エーゲ海最大の島であるクレタ島はアジア、ヨーロッパ、アフリカの三大大陸の接点に位置する。この地政学的な特性が背景にあったのだろうか西欧文明の源であるギリシャ文明の発祥の地となった。紀元前7000年にこの島に最初に住み着いたアジア系民族のミノア人が、紀元前3700年頃に建てた華麗な宮殿がクノッソス宮殿である。この宮殿の発掘をきっかけに、哲学者プラトンが書き残したアトランティス文明の神秘がにわかにクローズアップされるようになる。
■8時過の早朝ながら入口では既に多くの観光客が列をなしている。複数の大型客船の早朝寄港がメインの観光地の故か。ゲートの近くにこの遺跡の発掘者であるイギリスの考古学者アーサー・エヴァンスの胸像がある。混雑する順路を避けてジョージさんは逆順でガイドしてくれる。正面広場から北にある最古の道、劇場、牛の壁画、王座の間(石の玉座)、倉庫の大がめ、牛の壁画、女王の間(イルカの壁画)等を効率良く見て回った。
 画像は左から、現地ガイド・ジョージさんとアーサー・エヴァンスの胸像、最古の道、王座の間(石の玉座)、牛の壁画、女王の間(イルカの壁画)、宮殿外観である。 
イラクリオンの旧市街散策
■イラクリオンの街に戻り市内観光となる。クレタ島の商業、行政の中心都市であり、ギリシャ随一の裕福な都市である。バスを降りてすぐの広場にはクレタ島の出資の初の首相であるベニゼロスの銅像が建っている。
■バザールのように店がひしめく1866通りを進む。途中、添乗員さんにお勧めのクレタの焼き立てパンを購入してもらいツアー仲間で分け合って味見する。20人で分けても尚余る大きくて香ばしいパンが僅か2ユーロとのこと。
■五叉路を北に進むとライオンの飾り付いた噴水のあるベニゼル広場に出る。すぐそばには聖マルコ大会堂がある。そこから西に向かって通りを抜けると左手にミノア文明の遺産の殆どを収めている考古学博物館が見える。ここからバスに乗車し港に向かう。途中車窓からベネチア支配時代の城壁や要塞を眺めた。
 画像は左から、ベニゼロスの銅像、旧市街1866通り、クレタのパン屋さんとパン、モロシニの噴水、聖マルコ大会堂、街角のカフェである。
サントリーニ島に接岸
■船に戻りしばらく部屋で休憩し10時50分からシネマルームで日本人スタッフの朋子さんからスーツケースの搬出、クレジット清算、パスポート、IDカードの返還等の下船処理に関する説明会があった。その後、ダイニングでコース料理の昼食を済ませ、自室で休憩をとる。3時過ぎにサントリー島の船内放送のガイダンスを聞いた後、9階の屋外デッキに行く。
■サントリー二島の余りにも有名な断崖の頂きに雪をかぶったように建並ぶ家並みが近づいてくる。港近くに停泊する白い帆船のロマン溢れる姿に引き付けられる。何度もデジカメのシャッターを切る。3時30分、テンダーボートに乗船し島のオールド・ポートに向かう。島に近づくに従い岸壁から崖の頂きに向かうジグザグの白いロバ道やゴンドラリフトのロープが浮かび上がる。
 画像は左から、朋子さんの下船説明、近づくサントリーニ島、、停泊中の白い帆船、説が近くの風景、下船IDカードスリット、テンダーボートからの下船である。
サントリーニ島の観光ルート
■港の先のゴンドラ乗場には観光客が行列を作っている。6人乗りのゴンドラは1−2分で一気に崖上のフィラの街まで運んでくれる。ゴンドラ駅のすぐ前の崖上からは二つのビューポイントがある。左手の白い家並みが続くフィラの街と、右手の紺碧のエーゲ海に浮かぶ火山島やその奥のイアの岬やティラシア島である。
■添乗員さんの案内で崖上の海岸沿いの通りを進む。絶好の展望を売りにしたカフェやレストランが軒を並べている。数分でドーム型の特徴のある屋根をしたギリシャ正教の大聖堂に着いた。堂内は壁一面に描かれた聖画が厳粛な気持ちを呼ぶ荘厳な雰囲気に包まれている。 
 画像は左から、ゴンドラ乗場、ゴンドラ到着駅からの景色、大聖堂外観と堂内、大聖堂前である。
島内自由散策と感動の夕日の光景
■ここでツアーグループは自由行動となる。気の合ったご夫婦と4人で散策する。添乗員さんお勧めのフラッペを味見すべくプチホテル屋上のテラスカフェに入る。泡だったアイスコーヒ−といった趣きフラッペだった。55ユーロと多少高目だがこの絶好のロケーションを考えればやむをえまい。イケ面のウェイターを挟んで4人の記念写真のシャッターを店主らしき人物が押してくれるサービスまでしてもらった。
■裏通りの土産物や雑貨、宝飾店がひしめく裏通りを進む。奥様方はちょっとした土産物やアクセサリーの買物に余念がない。ロバの道の終着点付近では折しも一匹のロバと飼主が下り坂に歩を進めていた。
■集合時間の6時15分のゴンドラ駅前からは、沈み始めた夕陽が島影の間の海を赤く染めこれ以上にない美しさを演出していた。これこそがサントリーニ島に多くの観光客を集めて止まない光景であることを雄弁に物語っていた。
 画像は左から、イケ面ウエイターとの記念写真とフラッペ、土産物店の店員さん、サントリーニ島の夕日、ゴンドラ、岸壁の夕日である。
最後の晩餐と下船準備
■帰船後7時半から「最後の晩餐」となる。旅行会社からのワンドリンクサービスに気を良くしながら10日間一緒に過ごし気心の知れたツアー仲間との会話が弾む。
■部屋に戻る途中にあるクルーズ・デスクでパスポートを受取る。最後のシャワーを浴びている傍らで、家内はスーツケースの整理を始めている。クルーズ最後の日が終わりを告げようとしている。

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