2006年8月例会

8月25日  足立美術館・・・日本画と日本庭園の極致
■2ヶ月ぶりの8月例会は、「足立美術館の魅力に触れる!」と題して同館の大阪オフィスマネージャー・学芸部長の大久保説子さんからお話を伺った。講師は、足立美術館創設者である足立全康氏のお孫さんでもある。
 紹介者である浦濱さんは、大久保さんとは11年前に、ツアーで足立美術館を訪れた際に、コンダクターとして同伴してもらって以来のお付き合いとのことだ。
 足立美術館には、私自身も6月初めに訪れ、その名園、名画の迫力に圧倒されたたばかりである。ひとりの民間人が、山陰の片田舎にこれほど多くの人々に足を運ばせ、安らぎと感動を与えているという現実に驚嘆したものだ。(下記の風景画像はその時撮ったデジカメ画像である)
■大阪の上六で、幼い頃から全康翁と暮らしを共にしたという講師から、日本一の美術館作りをめざした全康翁の情熱が、身近なエピソードを交えながら語られた。
 足立美術館の素晴らしさに「名園美」と「日本画」の調和という点がある。これを実現させた創設者・足立全康氏の「勉強ではできの悪い全康だったが幼い頃から図画だけは秀でていた」「全康の庭園に対する造詣は庭造りが得意だった父親譲りのものだった」とその基本構想の背景が語られる。
 足立美術館は横山大観の作品蒐集の多さでも知られている。とりわけ大観の画業の集大成と言われる「海山十題」という二十幅の連作の内8点が所蔵されていることでも有名な美術館である。「『海山が出たら目をつぶっても求めるように』というのが祖父の遺言でした」と肉親ならでは述懐が漏れる。
 全康翁が71歳の時の昭和45年(1970年)の開館以来、数多くの来館者が訪れている。その背景に民間の美術館ならではの顧客重視の様々の試みと努力がある。「旅行会社への営業活動に力を注いできた」「開館以来、1日たりとも休館したことがない。辺鄙な所においで頂いたお客様に休館では申し訳ないから。」「開館前には毎日、全職員が庭掃除を欠かしたことがない」等々。
 こうした努力の積み重ねが開館20周年を機に年間の来館者が50万人を超えるようになり、開館以来1280万人という記録的な来館者数を数えさせている。米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が「日本庭園ランキング」で4年連続して「庭園日本一」に選ばせている。ちなみに2位は桂離宮とのことである。
 兄である館長とともに祖父の夢を引き継ぎ発展させていきたいという大久保さんの決意を聞きながら、ふと「偉大な祖父へのレクイエム」という言葉がよぎった。
 淡々とした口調ながら、祖父の志を受け止め、精一杯継承したいという想いがひしひしと伝わるスピーチだった。
■スピーチ後の質疑が一段落したところで会食になる。例によってやなぎ店長のお品書き案内だ。その前に店長の転勤という個人的連絡があった(確か以前にも転勤でしばらく顔を見なかった時期がある)。
 今回のテーマは「早秋」である。「剣イカと赤貝のお刺身盛合せ」「銀さわら照り焼き」「豚肉とジャガイモ煮」「松茸のそば寿司」「焼き鳥」「手作り豆腐」「お漬物盛合せ」「デザート」の数々である。
 尚、今回は画像表示はない。最初の本日の銘酒紹介「新潟の純米吟醸・萬寿鏡(ますかがみ)」の撮影の後、懇親に身が入りすぎて料理の撮影はすっかり失念していた。ヤバイ!ボケの兆候か。
■今回の初参加は、筧田さんの会社の先輩・清家淳一さん。コクヨでのデザインの責任者だった技術と経験を活かして現在は、独立し、清家デザイン事務所代表取締役である。
■川島代表幹事からは、「劇団ふるさとキャラバン」の公演案内があった。今回の演目は「新作ミュージカル・地震カミナリ火事オヤジ」である。9月17日(日)の公演後の17時から会場ロビーで役者さんたちとの交流パーティーがある。ぜひ観賞しパーティーにも参加したい企画だが、私個人は当日は家族とのヨーロッパツアーのど真中である。残念!
■広報担当の立場から懇親の場で「さくら会ホームページにも掲示した私のブログで例会報告を取り上げ、ここを会員相互の意見交換の場にしたい」と大見得を切ってしまった。ところでこの例会報告は、例会開催4日後の8月29日にアップした。この後からの例会の意見交換では気の抜けたビールみたいになってしまう。こらアカン。ブログでとりあえず、なんかいうとこ。 ・・・という訳で例会翌日早朝にブログ版例会報告「偉大な祖父へのレクイエム」をアップした。皆さんコメントをよろしく!
■今回の参加者は、川島、井上、日高、森、池田、高橋、盛田、北村、上林、三浦、筧田、浦濱、岡山、新屋、木下(康)、小川、上出、清家の各氏で、18名の参加者だった。

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