作者近況(ストックその3)        現行の「作者近況」に戻る 


1997.12.25(第21回)〜1998.8.16(第30回)


All Written by Kei Nakahara
 

 野生と人間とカメラ ['98.8.16]
    アフリカの動物を紹介するTV番組で、親ライオンの狩りがうまくいかず、その子ライオン
    が飢えに瀕している姿がカメラで追い続けられていた。

    結局、親ライオンは子ライオンに餌を与えることができず、やがて子ライオンは歩くことが
    できなくなり、目を開けていることもできなくなり、最後には飢え死にしてしまった。

    私は思った。どうして餌をあげないのだろう、と。
    なぜ、わざわざ飢え死にするのを見過ごすのだろうと。

    やがて、TV番組のナレーションが、野生の動物に手出しをしてはいけいないという鉄則を
    守って、という解説を加えた。

    本当だろうか。その理念に基づいて番組のスタッフは地元で夕食にシマウマの肉など食べて
    いたりしないのだろうか?そこまで、自然の生態系を守ろうと努力しているのだろうか?

    人間は、日々、豚や牛や鶏を育て、屠殺し、口にしている。
    自然開発をし、動物の居場所を奪ってきた。
    人間は自然に対し、暴君としてしたい放題をし、君臨してきた。

    なぜ、いまさらライオンの子供二匹見殺しにするのに、鉄則などを持ち出すのだろう。無論、
    正論だからその行為を非難することはふさわしくない。立派な態度である。非難されるべき
    は、可愛いからといって自分の都合だけで餌をあげる人間である。しかし、本当にアフリカ
    の自然と動物を愛して、生態系のバランスを考慮した上で、子ライオンが飢え死にするのを
    待ったのだろうか?

    以前に、番組で母親とはぐれた子ゴリラなどを連れ帰って、その後に自然に戻す、というこ
    とを紹介していなかっただろうか?この論に従えば、それも、最初から飢え死にさせること
    が正しかったのではないだろうか?

    結局、どちらの場合でも、もカメラマンはそういう絵を撮りたかったのだと思う。
    −−−−飢えに瀕した百獣の王とその子供。自然の過酷さ。死。
    そして、ゴリラの場合は、母親を求める野生動物と人間のふれあい。野生に戻さなければい
    けない人間の愛情と葛藤、別れ。

    それを見れば視聴者が感動し、ときに涙を流す。テーマがあり、ドラマ性があり、価値の高
    いフィルムとなる。

    よく事故の現場で救命を手伝うことなくカメラを回し続けるカメラマンがいる。
    もし、カメラマンがカメラを持っていなかったら、救命を手伝いに行くのではないだろうか。
    このカメラマンも子ライオンに餌をあげるのではないだろうか。

    −−−−そんなことを考えた。

   [補足]
    と、少し怒りつつ書いてみたが、肉食獣であるライオンに一体何の肉をあげればよいという
    のだろう。
    弱肉強食という世界の中では、あらゆる野生の動物が生死の闘いの日々を送っている。
    野生の動物に対し、食物連鎖の頂点に立つ人間がどのように関われば、良いのだろう。
    やはり、放っておくのが正解なのかな。でも、見殺しというのは納得し難い。
    あー、答えのなかなか見つからない袋小路に入り込んでしまった。
 

 ホテル住まい ['98.7.23]
    いま、この文章を都内のホテルの二十階の一室で作成しています。

    夏休みにどこかへ行って贅沢をしたいけど、ホームページも創りたい(最近すっかり怠けて
    いるので後ろめたい)という折衷案として都内の高級ホテルに一人で宿泊し、ノートパソコ
    ンでホームページをつくる、というプランになったのです。
    二泊三日の作家気分のホテル住まいです。

    ホテルは、お台場にこの6月に新しくオープンしたばかりのところで、パリ21区という
    コピーで宣伝しているホテルです。隣にはフジテレビの建物があります。
    新交通システムの「ゆりかもめ」に乗ってやってきました。
    横浜の自宅から1時間ちょっとのところなんですけどね。

    部屋は清潔で静かで、心から安らいでしまいました。

    ああ、それにしてもどうしてこんなにホテルの部屋は気持が良いのだろう。
    こういうところで喜んでしまうのは自分でも女性的な感性だと思うのですが、贅沢で眺めの
    良い部屋というのは、もうたまりません。

    空には、模型のような飛行機が正確な軌跡を描き、
    海には大小さまざまな種類の船がゆっくりと行き交い、
    陸には、おもちゃのようなゆりかもめと、ちっちゃな車が絶え間なく流れ続けます。

    広い空と海には、雲と波があり、光を綾なしています。
    きっと、ここならきれいな夕焼けも見れるに違いありません。
    遠く、港の灯りと空港の灯りが見えます。

    二十階のこの部屋で、一人、静かで上質な時間の流れというものを感じています。
    命の洗濯をしているような落ち着いた豊かな気分です。

    さて、頑張ってホームページを創らなくては。


 [補足1]部屋にある新約聖書を読んでみたら、「豚に真珠」が聖書からの引用であることを
      知った。そうだったのか。

 [補足2]ゆりかもめからの眺めは素晴らしい。東京湾や東京タワーが臨め、しかもレインボ
      ーブリッジをくぐり抜けたり、フジテレビの建物を見上げるほどすぐ横を通ったりする。
      もう、移動ための乗り物というよりも、まるで遊園地のアトラクションみたいな
      感じ。とてものろまなジェットコースターに乗るような気がして、ワクワクして
      しまう(私だけ?)。ここから見る車体はプラレールそのものだし。
      地方の人を連れてきたときには、ぜひ、ゆりかもめに乗せてあげましょう。

 [補足3]夕食後、東京湾を望む臨海公園に足を運ぶ。
      とてもロマンティックで素敵なところだ。
      薄明かりの公園で、ほとんど人がいないのに、ライトアップされた噴水が吹き上げ
      られていたりする。
      自動運転のエスカレータに近づくとヴィーンと唸ってから動き出す。

      夜の暗い海は、胸に迫る。
      夜の広い公園で、浮かび光を頼りに心もとなく歩き続ける。
      楽しいような、哀しいような。

 [補足4]この後、シティホテルが大好きになった私はお盆休みには浅草のホテルに行きました。
      プールに行ったり、フルコースの食事をしたり、お風呂に入ったり、ルームサービス
      を頼んでビデオを観賞したりとホテルライフを満喫してしまいました。
      外では、浅草寺にお参りをしたり、鳩に餌をやったり(二回もふんを落とされてしま
      いましたよ。ははは)、下町を散策したりして、とても楽しいお盆休みを過ごしまし
      た。もちろんホームページも創りましたよ。うん。
      お盆は田舎に人々が移動するから、都心のホテルは安いパックがあってお薦めです。
 

 芳名句 ['98.6.26]
    皆さんは「芳名句」というものをご存知でしょうか。
    恐らく、知っている方はいないと思います。なぜならさっき私がこの名前を名付けた
   ばかりだからです。
    「芳名句」というのは、俳句の一種で、次の条件を満たす俳句(川柳?)を言います。

       ・人の名前をフルネームで句の中に織り込んで詠んだもの
       ・五、七、五の構成を基本とする

    たとえば、私の名前「中原 憬」で一句つくってみましょう。

     「 静かな川原 渓谷の影 夏の刻 」

    これをひらがなで書くと、

     「 しずかなかはら けいこくのかげ なつのこく」
          ・・・・ ・・

    私の名前がフルネームで入っていますね(川原をかはらと読むのは、まあ許容範囲)。
   この例では字余りで七、七、五の構成になっていますからちょっと見本には苦しいです。

    もうひとつ、私の愛する童謡詩人の金子みすずさんでつくってみましょう。

     「 犬か猫 御簾ずらし出て 夕陽差す 」

    金子みすずという名前が入っていますね。これはちゃんと五、七、五です。

    この芳名句は、会社の同僚の姓が変わったときに、なんとなく新しい名前をアナグラム
   している内にできたのが始まりです。結構喜ばれたので、それ以来、結婚する女の子が
   いる度に考えて創ってあげています。

    実は、昨日の晩も芳名句を創るのにはまってしまったのです。−−−−パズルを解く
   みたいで、とても面白いのですよ。
    この芳名句は一見、非常に高度なことをしているかに見えますが、意外と簡単です。
   簡単な名前なら五分くらいでできます。
    芳名句づくりには、電子辞書で文頭検索や文末検索ができるものがあるとかなり便利
   です。ただし、できない名前はいくら考えてもできないのですけどね。

    なお、この芳名句では、名前を織り込んだ人のその人らしさが出ているものがより
   上等な作品です(私が創ったから、勝手にルールを決めてしまう)。
    季語は入っても入らなくてもいいのですが、入れた方が完成度は高いですね。

    次の作品は、松田聖子さんの名前で、季語無しの例です。

     「 夫待つ 惰性後悔 恋探す 」 

    −−−−という訳で、「芳名句友の会」会員募集中です(ウソ)。「俳句」「川柳」と
   並び、「芳名句」というふうにジャンルが確立する日はもう間近です(大ウソ)。

    まあ、語彙は増えるし、頭の体操にはなるし、皆さんも芳名句を始めましょう。

[補足]
    ある日、電車の中でセリーヌ・ディオン(「タイタニック」の主題歌も歌っている歌
    手)が載っている英会話の「イーオン」の広告をぼーっと眺めていました。写真の横
    のコピーには「セリーヌでイーオン」とあります。助詞の使い方がおかしいヘンな
    コピーと思った次の瞬間に、このコピーが実に見事な傑作であることに気付きました。
    彼女のフルネームがそのままコピーになっているのです。
 

 タイタニック ['98.5.2]
   映画「タイタニック」を奨められて観てきました。
   深い感銘を受けました。
   美しいラストシーンは、愛する人に死に別れた人に救いになると思いました。

   ある方の勧めで見に行ったのですが、その人に感想を返信したら、このページに
   「タイタニック」の感想を載せたらどうでしょう、と言われました。

   そういう訳で、その返信のメールを載せたいと思います。
   ただ、これを読むと映画のあらすじが分かってしまうので、このページからジャンプして
   読むようにしてあります。
   このボタンを押してください。
「タイタニックの感想のメール」へ
 

 エイプリール・フール ['98.3.29]
   もうすぐエイプリール・フールです。
   私の考えた、結構誰でも簡単に引っかかる面白くて害のないいたずらを紹介しましょう。
   まず、次のものを用意します。

     ・鉄骨飴(個別包装をしているやつ)
     ・クリップ
     ・磁石

   鉄骨飴の袋の裏側を少しだけカッターで切って、クリップを中に入れます。
   すると袋の中のクリップのおかげで、飴の袋が磁石にくっつくようになります。

   で、あなたは別な飴を舐めながら、さも驚いた様子で近くの人にこう言います。

   「すごい〜!鉄骨飴って磁石にくっつくんだ!!」
   「たくさん鉄分が入っているんだね〜!!」

   きっと周りの人もとても関心してくれることでしょう。

   「なんてね」といってクリップを見せて、今日は何の日かきいてみましょう。
 

 ひとひらの雪 ['98.2.7]
   先日、新幹線で新潟まで向かいましたが、途中雪が降ってきました。
   新幹線が駅で止まったときにガラスの向こう側にまい落ちてきた一片(ひとひら)の雪を
   じっと見てみたら、それはそれはきれいな理科の教科書でみたとおりの結晶の形をしてい
   ました。−−−−そして、ほんの瞬きするほどの間にとけて水滴になりました。

   そうか、雪の結晶ってこんな大きいんだ!目で見えるんだ!!
   理科の教科書や図鑑で見たとおりの形をしている!!きれい、きれい!!と大感激でした。

   きっと、雪国の人には当たり前のことなんでしょうね。

   横浜あたりに住んでいると、雪が積もるほど降るのは年に平均2回くらいでしょうか。
   地震などよりも余程珍しい特殊な気象事象です。

   雪の日の朝は、雪に光が反射するのでいつもより明るく、雪に音が吸収されるのでいつも
   より静かになります。

   そして、なによりも日常の街が、白い雪にどこまでも果てしなく平らに覆われて、新鮮な
   美しさを感じます。

   やがて、その美しさと静けさは、子供の足跡と歓声にかき消されていきます。

   −−−−それにしても、一片(ひとひら)の雪があんなにも神秘的で美しかったとは。
 

 いたずら ['98.2.7]
   お昼休みに外の小さなレストランで同僚と二人で食事をしていました。

   隣のテーブルに若いお母さんと、2歳くらいの可愛い男の子がやってきました。
      お母さんはカレーライスを頼んだので、テーブルの上には福神漬けとらっきょうの漬物が
   先に置かれました。

      男の子の仕草があまりにも可愛いので二人で子供を見ていましたが、男の子はらっきょう
   を手にとり口に頬張りました。
      私は男の子と目があったので、お母さんに気付かれないように、にこにこしながら口を大
   きく開け、べろを出しました。

   すると男の子は不思議そうな顔をしながらも、私の真似をして、口を大きく開けました。
   らっきょうがころころ転がり落ちました。

   面白いなあ。
 

 新しいパソコン ['97. 1.7]
    本日新しいパソコンが届きました。
    DELLのPentium II−300MHzのマシンです。しかし、しかし、しかし、動かない!!
    私も会社ではシステム管理者をやっているので、動かないパソコンを動かすのは得意
    なので、めんどくさいなー、と思いつつも、いろいろチェック。

    どうやらグラフィックボードが悪いらしい。交換してもらわなくては・・・・。
    夏頃から購入しよう、しようと迷っていてようやく買ったのに・・・・(;;)。

    自分の派遣先の会社で作っているパソコンなら、目をつぶっていても分解、組立てが
    できるくらい慣れているのに、わざわざDELLのを買ってあげたのに。
    DELLの恩知らずめ。(<--理屈になっていない)

    ところで、私の会社の前の席のお嬢様はなぜか、パソコンを「愛人」と呼ぶ。
    特に意味はなく、言葉のお遊びなのだけど、この状況を彼女に説明するとこうなる。

    「昨日、はじめてうちに愛人がきたのだけど、黙り込んで何も言わない」
    「しょうがないので、隣の部屋にいってもらった古い愛人にきてもらって、いろいろ
     確認したのだけど、機嫌が悪いらしくて、ウンともスンとも言わない」
    「深夜まで愛人の面倒をみていたのだけど、結局、愛人を交換しないといけないと
     いけないということが分かった」

    端で聞いていたら、大きな誤解を招きそうですね。

 [補足]
    パソコンが動かなかったのは、運送時の振動でグラフィックボードの差込みが緩んだ
    らしいと判明しました。ぐいぐい押し込んでやったので、いまではきちんと起動する
    ようになりました。

    その後、この愛人には、56Kモデムも買い与えました(愛人は金がかかる)。
    あの悪評の高い Internet Explorer 4.0 とも仲良くやってくれ、無事にインターネットに
    接続できるようになりました。(^^)

    今度は、内蔵MOドライブを買い与えて、いまの愛人とも仲良く暮らしてもらう予定です。
 

 「組曲 人と時と風の中へ」 ['97.12.28]
   最上級に美しいCDを見つけました。
   S.E.N.S(センス)というグループの「組曲 人と時と風の中へ」という作品です。
   この曲は、以前にオンワードのCMで流れていた曲なので、なにかしら聞き覚えのあるメロ
   ディーだと感じると思います。

   繊細でいて優美で、高く広い世界を感じさせる曲です。
   聴いていると、そのメロディーの触感に至高の陶酔を感じます。
   感動で鳥肌がたつのですが、その感覚が全身を波のように移動するのです。腕や足や胸など
   全身をゆっくり移動して、甘美な快感に身を浸しているようです。

   息がとても深くなり、身体が深く安らいでいるのを感じるのですが、その中にも、ドラマテ
   ィックな感動が収束していって胸が高鳴り、そして自然と涙が溢れます。

   聞きおわった後に、俗世間の垢を流し落とされたような幸せな気持ちになります。

   文句なく美しい曲です。
   なかなかこれだけ美しく、かつ壮大で、ロマンティックな曲はありません。
   このような完成された音楽がある時代に生きていて良かったなと思いました。

    T.人と時と風の中へ
    U.陽光
    V.少年
    W.追憶
    X.人と時と風の中へ〜エピローグ〜

   誰が聴いてもその美しさに感動すると思います。皆様にお勧めします。

   FHCF−2077 「組曲 人と時と風の中へ」 S.E.N.S(センス)
   株式会社 ファンハウス発売  ¥1,800(税込)

   なお、このS.E.N.Sは、次の作品の音楽担当も手がけてきている、知るひとぞ知る
   (そんなことはないかな)グループです。

     ◇NHK特集 「海のシルクロード」
     ◇映画 「悲情城市」
     ◇NHKスペシャル 「人間は何を食べてきたか」、「地球汚染」「Our Beautiful Planet」
     ◇NHKドラマ 「微笑み」
     ◇TBSドラマ「忠臣蔵」
     ◇フジTV系ドラマ「振り返れば奴がいる」、「あすなろ白書」
                     など・・・・

[補足1]
     TVを見ていたら、なんと、オンワードの「組曲」のCMがリバイバルしているでは
     ないですか!! 音楽もあのS.E.N.Sの美しい調べそのままです。

     このCMが流れていたのは数年前だったのにどうして突然に復活したのだろうなあ。
     私がこのエッセイで紹介したばかりなのでびっくり偶然です。

     当時は今井美樹さんが登場していたのですが(いまインターネットで調べたら1993年
     だったらしい)、今回は外国映画のワンシーンのような感じの作品です。

     いずれにしても、私がエッセイの中で紹介しているあの素晴らしい曲が使われていま
     すので、オンワードの「組曲」のCMをみたら、ああこの曲のことかと思ってくださ
     い。画面の右下にもしっかりS.E.N.Sと入っています。
[補足2]
     1998年8月現在放送している、オンワードの「組曲」のCMの曲は、ここで
     書いている曲ではないですよ。
[補足3]
     テレビドラマ「神様、もう少しだけ」で、S.E.N.S(センス)の曲が使われていた
     ことを知りました。残念ながらこのドラマは見なかったのですが、早速、オリジナル
     サウンドトラックCD「Wish」を買い求めました。
     やはり、S.E.N.S(センス)らしい、美しく、エモーショナルな響きです。
     せつなく、甘いメロディーに全身の肌が震えます。お勧めします。

       発売: 株式会社FUNHOUSE
           FHCF−2434(74321−60744−2)
                「Wish」 S.E.N.S

 

 サンタクロース ['97. 12.25]
   子供の頃ならいざ知らず、独身男性にとってクリスマスというのは、なんか居場所のない、
   無性にさみしい日なのです。

   街にはカップルが多いし、同性の友人と遊ぶのもくやしいし、家に帰るのも家族にステディ
   な仲の人はまだいません、と言っているようなもので、帰りづらい・・・・。なにより、
   心より愛し合える人がいないという事実を再認識してしまい、心に寒風が吹き込む。
   ・・・・あーあ。

   昨年、この状況を緩和する方法を見つけました。
   この日にふさわしい方法です。

   サンタクロースになるのです。
   恵まれない子供たちに、プレゼントをするのです。

   具体的には、郵便局に振込用紙をもっていって、ユニセフに何万円か振り込むだけなのです
   が、このお金が巡り巡って、どこかの飢えた子供たちや、学校に行けずに働いている子供達
   に食べ物や、薬や、ノートなんかになって、それが手に渡ることを考えると、結構心がポカ
   ポカしてきます。

   額を決める前には物欲との葛藤があるのですが、多く振り込めば、それ相応の達成感(?)
   があるので、ずっと続けていこうと思っています。

   子供の頃には、プレゼントはもらうものとして喜びを感じていたけれど、逆に人にプレゼン
   トすることが、こんなに心を穏やかにしてくれるものだとは知らなかった。

   サンタクロースは、ここにもいますよ。
   赤い服も、白い髭もないけどね。


 [補足]
     ユニセフなど国が指定する公益団体に寄付したお金は、確定申告をすることによって
     その一部が返ってきます。おおむね1割が返ってくると考えてください。

     具体的には、10万円を寄付したら、足切り額の定額1万円を引いた1/10という
     計算で9000円が返ってきます。もし寄付額が1万円以下だったら還付金はなしです。

     過去5年分の還付請求が可能です。確定申告の時期に税務署に次のものをもっていくと
     書類をその場で作ってくれます。

        1.領収証
        2.国が認めた公益団体であることの証明証
           ※ユニセフの場合、領収証の裏面に印刷されている
        3.源泉徴収票
        4.印鑑
        5.自分銀行の口座番号(自分で分かればよい)

     混んでいる時期に行かなければ、思いのほか簡単に手続きが完了します。



    現行の「作者近況」に戻る