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『特盛! SF翻訳講座――翻訳のウラ技、業界のウラ話』(研究社/1800円+税)amazon | bk1 | 7&Y
シオドア・スタージョン『輝く断片』amazon | bk1 | 7&Yicon このミス4位,週刊文春3位,闘うベストテン2位,ベストSF9位
●ベストSF6位:『現代SF1500冊 回天編 1996〜2005』 amazon | bk1 | 7&Y 『乱闘編 1975〜1995』 amazon | bk1 | 7&Yicon


【1月18日】

 新橋・スペースFS汐留で「立喰師列伝」の舞台挨拶付きマスコミ試写。
 初号に行けなかったんで初めて見たんだけど、押井守の集大成とも言うべき傑作。いやほんとに。
 最初はどうなることかと思ったが、話が進んで監督の思い入れが薄い時代になるにつれて映画がどんどん軽くなり、爆笑に次ぐ爆笑。とりわけ中辛のサブ(河森正治)のおかしさは筆舌につくしがたい(でもテレビ放映は無理かも)。エンターテインメント的に楽しいのは、TV版「うる星やつら」の「必殺! 立ち食いウォーズ!!」を実写で再現したような吉野屋パートとロッテリア・パートか。意外にも愛敬たっぷりのキュートな映画になってます。この歴史的な傑作にエキストラ出演できた幸福を噛みしめたい。

 終了後は、スター山田正紀(作家・山田正樹役で出演)と徳間書店コンビと新橋の焼鳥屋。 山田さんいわく、
「ぼくはスターだけど気さくだから大部屋俳優の人たちともつきあってあげるよ」
 どうせオレやO野は役名がありませんよ。しかしうちの一家は4人で出演してるので人数では勝ちだ!

 まだ初校ゲラが出ない『翻訳講座』ですが、紆余曲折の末、正式タイトルは『特盛! SF翻訳講座――翻訳のウラ技、業界のウラ話』になりそうな気配。大盛より具が多くてお得です。3月中旬にはなんとか。


【1月17日】

 134回芥川賞・直木賞発表。結局、どっちもガチガチの大本命がすんなりゴール。考えすぎると馬券はとれませんね。恩田さんは残念でした。ちぇ。
 受賞作を聞いてのコメントは、日経BPライフスタイルにそのうち掲載されるはず。

 ふと思い立ち、『輝く断片』ページを改造して「シオドア・スタージョン」日本語サイトに模様替え。ありあわせの材料しか使ってませんが……。


【1月16日】

 試写で「サウンド・オブ・サンダー」。ブラッドベリ「いかずちの音」が原作で、監督はピーター・ハイアムズなんですが……話にまるで整合性がありません。これに比べれば原作短編は筋が通ってたなあ。地球の危機を救った人はいったいどうなったんでしょうか。歴史改変ものの宿命とはいえ、謎過ぎる……。


【1月14日】

 渋谷NHKで「名作平積み大作戦」の収録。今回はトヨザキ社長とのメッタ斬り!対決。お題は「映画ファンにオススメの名作」で、オレがモーパッサン『脂肪の塊』、社長が小林多喜二『蟹工船』。どっちもかなり無理やりな展開で、バトルは白熱。勝負の結果は番組でどうぞ。
 放送予定は、BS-2が2/111の23:00〜23:44。ハイビジョンは2/8の22:00〜22:44。

 収録後は大雨だったのでNHKからタクシー直帰。録画で見た今朝のウルトラマンマックスは、ウルトラQ同窓会。 42年前の撮影現場風景を再現するのはいいんだけど、監督役に満田かずほ本人をキャスティングするのは相当無理があったような。さすがの満田監督も足もとがちょっと……。
 しかし佐原健二――じゃなくて佐橋健児がSF作家になってるっていうのは、万城目淳の夢を、中の人が実現したという設定なんですかね。
 というおたくぶりとは関係なく、トキオ的には、ジャスティライザーのミオさんのゲスト出演がツボだった模様。


【1月12日】

 なんでこんなに集中するんだかわかりませんが、対談、インタビューが続々ウェブ掲載中。
 まず、オンラインマガジンAnima Solarisの著者インタビュー。ほんとはもっと早く、11月ごろに載るはずだったんですが、入院のゴタゴタで往復メールの進行が遅れて1月に。→『現代SF1500冊』インタビュー。中身は雀部さんとのディープな昔話という感じですが、ほかではめったに出ないような質問が出てるので、意外性満点。
 日経BP移籍第一弾のメッタ斬り!版・134回芥川賞・直木賞予想対談のうち、芥川賞編が公開→前編 | 後編。直木賞編は12日の夜に公開予定。urlはまだ聞いてませんが、予想するに、前編後編じゃないでしょうか。違うかも。
 最後に、去年12月15日にジュンク堂池袋本店4Fカフェでやった『そんなに読んで、どうするの?』刊行記念トークセッション(豊崎由美×大森望)の模様が、なぜか突然エキサイト・ブックスに再録されることに。予想対談が日経BPに移籍したので、餞別がわりに載せてくれたんでしょうか。→ 2人合わせて、約2000冊! 『そんなに読んで、どうするの?』
 それにしてもめちゃくちゃ長い。高知で直しててぐったりしました。

 紙媒体では、散歩の達人MOOK『東京がわかる300冊!―もっと書を持って、街へ出よう』で、豊崎さんと東京小説20冊を12ページかけて語ってます。いやあ、こんなたいへんな企画だと知ってたら、もっとちゃんと準備したのに。東京についてよく知らない人が言うことなので勘弁してください。写真もなあ……いや、写真はすばらしいんだけど、服が……。まあいいや。
 『男の隠れ家』2月号の「愉悦の読書空間 156人の384冊」には、既報のとおり、乱歩邸の土蔵で撮影した写真と一緒に、杉江松恋との「古今東西名作ミステリーへの招待」が載ってます。

 今日はこれから2/6売りSTUDIO VOICE3月号の特集「00年代小説の読み方」用の鼎談。明日は「SFが読みたい」用の池上永一インタビュー、土曜日は「名作平積み大作戦」の収録でトヨザキ社長と対決予定。月曜には『文学賞メッタ斬り!』第二弾用の対談もあるのに――と思ったら泣きが入って延期に。もっけのさいわいでした。

 ところでSF方面でいま最大の話題は「男性翻訳家占い」。事実上、男性SF翻訳家占いですね。だれがつくったんだこんなの。パターンは12種類。大森望は酒井昭伸で柳下毅一郎は浅倉久志で中原尚哉は矢野徹だったらしい(笑)。


【1月6日〜10日】

 例年よりうしろにずらして高知に帰省。7日は、仮面ライダー響鬼ショーをやってたんで、初めてのイオン高知。辺鄙な場所なのに大にぎわい。専門店街には地元の老舗もけっこう店を出してて、これじゃ帯屋町から客が流れるわけだと思った。
 帯屋町周辺では、東映、松竹に続いて、最後の砦だった高知東宝もまもなく閉館だそうで、高知の中心街からは映画館が消え、イオンのシネコンに行かないとロードショーが見られない事態に。ダイエーも閉店したし、帯屋町の将来が心配です。
 と思ったら、かつては大人の町だった旧・中種商店街、現・はりまや橋商店街が、若者向けに変身中。とでん西武の跡地にホテルがオープンすると、このへんが巻き返すことになるんでしょうか。

 8日は、うちの両親、うち一家4人、一泊二日で帰ってきた弟とその息子の8人で昼食。その後、高知城〜日曜市とぶらぶら歩く。  日曜市は今日が今年の初市。キリカさんはキビナゴの揚げたやつをぽりぽりかじり、ドキオは「道路屋さんだあ!」(道路上に店があるので)と興奮。あとはウツボの皮の生干しみたいなのを買った。
 中の橋通りまで来たところで右に折れ、両親および弟親子と別れて、帯屋町のアーケードへ。成人式が終わったばかりらしく、晴れ着の娘さんたちの大群がひしめき、珍しく大混雑でした。
 広末さんちのビルに入ってる店の閉店セールで2割引のレゴとか買ってから、ゑり忠3代目夫婦とお茶。帯屋町周辺の大規模再開発計画等々の話を聞く。 ダイエー撤退の影響でさらに客足が落ちたとか。広末パパにもがんばっていただきたい。

 9日はひさしぶりに西澤保彦夫妻と会って、ビッグエコー中央公園前店へ。トキオはマイクを放さず、キリカも負けじと声を張り上げるのでたいへんです。もちろんアニソン・特ソン大会。
 カラオケのあと帯屋町をぶらついてたら、レンタルボックスのあるおたくショップを発見。主に食玩とガシャポン景品が中心。トキオはSWボトルキャップの欠けてやつを一個120円でお年玉購入。さらに仮面ライダー響鬼ブロマイドを大人買い。20枚入りを台紙ごと買うと言って譲らず、先が思いやられる。 まあしかし、自己資金(お年玉)だからな。1枚30円で600円。

【お知らせ】
 ウェブマガジン「Anima Solaris」で、雀部陽一郎氏からメール・インタビューを受けました。おなじみ著者インタビューの一環で、お題は「現代SF1500冊」
 ここのインタビューって、どんなふうにやってるのか前から不思議だったんですか、そうか、こんな段取りでやってたのか。なるほど。


【1月5日】

 日経BP本社で134回芥川賞・直木賞受賞作予想対談with豊崎由美。前回までは、『文学賞メッタ斬り!』発祥の地、エキサイト・ブックスでやってたんですが、今回から日経BP「ライフスタイル」に移籍することに。URLがどうなるかは不明。たぶんトップページからリンクが張られるんじゃないかと。候補作紹介と予想は1/6中にも掲載予定[→掲載されました]。対談は1/12ぐらいに載るじゃないでしょうか。
 候補と下馬評は毎日新聞の記事参照。松尾スズキが入ったおかげで、今日のスポニチ社会面では芥川賞候補作発表がトップ扱いでした。  ちなみにオレ予想は直木賞が『容疑者X』『蒲公英』の2作受賞1点買い。芥川賞が本命「銀色の翼」、対抗「どうで死ぬ身の一踊り」。作品としてのイチ押しは西村賢太の藤澤清造シリーズ(?)最新作、「どうで死ぬ身の一踊り」なんで、無理やりこれに対抗マークを打ったけど、受賞可能性は限りなく低そう。しかしこんなことなら、ですぺらで誰かから話を聞いたとき、龜鳴屋の『藤澤清造貧困小説集』を買っておけばよかった。って、買うわけないけど。今となってはぜひ読みたい。


【1月4日】

 ひと足先に東京帰還。三が日でA賞候補作(推定)を読破した勢いで、某新人賞応募作の山を消化する。
 ついでに昨年日記11月分も追加しました。→【狂乱西葛西日記527◆リハビリ中の11月編:10/25〜11/30】



お知らせ
SFファン交流会の1月例会にゲストで呼ばれました。お題は『現代SF1500冊』。

■日時:1月21日(土)午後2時〜5時
■会場:ふたき旅館 (東京メトロ丸の内線「本郷三丁目」駅徒歩7分)→地図
●テーマ:「書評家・大森望のできるまで―『現代SF1500冊』をめぐって―」
●会費:500円(お茶・お菓子代込み)

これを見物するだけならとくに予約とかは必要ないみたいなので、当日、直接会場までどうぞ。

なお、この日、ふたき旅館では、日本SFファングループ連合会議主催の合宿新年会もあります。 こっちは事前申込み推奨。sf_fankou@yahoo.co.jpまで(締切:1月15日)

●会費:7,000円(企画参加+素泊まりの宿泊代。親睦会のみは6,300円)
 13:00 受付スタート
 14:00〜17:00 【昼企画1】書評家・大森望のできるまで
 17:00〜19:00 【昼企画2】企画大好き! 企画屋さん〜連合会議出張版〜
 21:00〜28:00 【新年会】宴会


【1月1日】

 明けましておめでとうございます。

 2005年は結局、心筋梗塞が最大の事件になっちゃったけど、退院後はすっかり元気。仕事のペースはいくらか落としたし、禁煙も意外と継続中。クスリ飲んでるんで、血液もかつてなくサラサラな状態。おそらくこの10年でもっとも健康な状態にあると思われるのでご心配なく。

 病気を別にすると、2005年は15年来の懸案だった「溜まったSF時評をなんとかする」という目標を達成、『現代SF1500冊 乱闘編 1975〜1995』『現代SF1500冊 回天編 1996〜2005』と2冊も単行本を出せたので思い残すことはなく、実際あのとき死んでればまったく完璧なタイミングだったわけで、もうちょっと本も売れたんじゃないか。とトヨザキ社長が言ってたけどまったくそのとおり。しかし死んでしまうと利益が享受できないので、死んで売れるより生きてて売れないほうがまだしも。どうせそんなに売れる本じゃないしな。

 一方、翻訳のほうは開店休業状態だったんですが、昨年1冊だけ出した(それも共訳)シオドア・スタージョン『輝く断片』は、「ミステリ短篇集」と謳う作戦が奏効したのか、各種ミステリベストテンで予想外の大健闘。《このミステリーがすごい》第4位、《週刊文春ミステリーベスト10》第3位、ミステリチャンネル《闘うベストテン》第2位という成績を収めました。スタージョン人気はすっかり定着したようで、今年は『夢みる宝石』のハヤカワ名作セレクション復刊につづいて晶文社ミステリの若島正編スタージョン傑作選第二弾も刊行予定。さらにまだいくつか企画が待機中なので乞うご期待。

 ついでに振り返ると、北上次郎御大との対談集『読むのが怖い!』も去年の本。読んだ人からはまずまず好評だったようで、よかったよかった。退院後、最初の仕事だった「今年のベスト本」対談を収録したSIGHT別冊「日本一怖い! ブック・オブ・ザ・イヤー2006」も出てます。

 対談と言えば、いま出てる「男の隠れ家」最新号読書特集で杉江松恋と対談。ロケ地はなぜか乱歩邸。笑える写真が載ってます。その他、GINZAと「散歩の達人」別冊の東京本特集号(未刊?)ではトヨザキ社長と対談。もうすぐ出る本の雑誌には、入院中に読んだ本についてのインタビューと、「この30年のSFベスト30」原稿が掲載予定。

 ついでに今年の予定。とりあえず確定しているのが、知らないうちに研究社のサイトでアナウンスされていた(ことを2ちゃんねるに教えられた)大森望『無刀流SF翻訳講座(仮)』。タイトルが「翻訳商売」になってますが、この案はあえなく却下されたので(剣客商売から遠すぎたのが敗因か)、いまのところ、その副題に用意していた「無刀流SF翻訳講座」がメインタイトルに昇格予定。さらにサブタイトルがつくかも。副題としては、「あるいは、ふりまわす殻竿の問題」という謎めいたもの(本文を読むと意味がわかる)を提案したんですが、これまた却下された模様。
 中身は、約7割が「SF翻訳講座」。SFマガジン1989年8月号から1995年12月号まで全74回にわたって連載された見開きのエッセイ。これをテーマ別に土台から再構成して、二割ぐらいを削除し、三割ぐらいを大きく書き直し、一割ぐらいを新たに書き加えた感じ。Macネタやファンダム系のネタ、SFのコア議論のあたりはばっさり削りました。かわりにSFマガジン以外の媒体に書いたもうちょっと一般的な原稿(翻訳に関するもの)を追加し、全500枚ぐらい。SFマガジン連載時のとり・みきイラストは7割がた再録される見込み。SFファン向きだけど、あんまりSFを知らない翻訳小説読者や翻訳志望者が読んでも、まあ多少は役に立ったり楽しめたりするようにしたつもり。『1500冊』に比べればリーダビリティは高いんじゃないかと。カバーデザインは岩郷重力+Wonder Workz。におととい電話して頼みました。入院騒ぎで入稿が延びて年末になったんで、2月校了の3月刊がいいところじゃないかと予想。

 あと、ぼちぼち動いてるのが『文学賞メッタ斬り!リターンズ』(仮)。暑くなる前に出るといいなあ。ちなみに芥川賞・直木賞予想対談は、今年分以降、エキサイト・ブックスから日経BPに移籍予定です。
 他にやんなくちゃいけないのが、《奇想コレクション》のコニー・ウィリスと、クロウリー『エンジン・サマー』の改訳作業。たぶんその前に、SFマガジン600号用にウィリスのべつの中編150枚をやります。今年はもうちょっと翻訳量を増やしたい。『ライトノベル☆めった斬り!2』の刊行予告も一部に出てたようですが、作業はずっと止まってるのでまだ当分出ないでしょう。

 とまあそんなわけで、今年もよろしく。日記が抜けてる期間はmixi日記からのコピペでぼちぼち埋めていく予定。

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