第22回京都大学衛生工学研究会 Environmental & Sanitary Engineering Symposium
作成者  BON
更新日  2001/05/28

 標記研究発表会の参加インプレッションです。水道関係と企画セッションのみのメモです。

京都大学衛生工学研究会
 環境衛生工学に関する研究会。水道関係はそう多くはないのですが...

【参考】


第22回京都大学衛生工学研究会 

1)水道関連の論文発表の概要

30【給水装置分野における技術的課題について】(国立公衆衛生院 森氏)

 給水装置の技術基準に関する報告。従来の個別機器への認証方式を改め,一定の基準を明確化し,これをクリアーしている機器を認める方針と,その具体的取り組みについて,平成8年の制度改正以来の動きを解説した報告。

31【配水過程における指標副生成物に関する実験的考察】(京都大学 仲野氏)

 水道水中のトリハロメタンが配水システム内で徐々に増加していくのに対し,バイオアッセイによる発ガン性(イニシエーション,プロモーションをあわせた現象)は急増した後低減していく。この点に注目し,消毒副生成物の指標を,トリハロメタンではなくMXで見るべきという主張。着目点が面白い。

2)トピック

An Overview and Assessment of the Jordanian Experience in the Field of Water and Wastewater Treatment

 ヨルダンの水事情に関する報告。特に印象に残った点としては,水の戦略的な価値が日本と比較にならないくらい大きい点。サウジとの国境地帯で地下水をとり,飲料水はボトル水で供給。表流水,再生水は農業灌漑用が中心で,イスラエルが控えているため海水淡水化は難しいとのこと。外国からの買水は技術的に可能(トルコからの導水の構想はあったらしい)であっても,戦略的に危険であるためにできない,という話が印象的であった。その他,下水の各種物質濃度が日本と比べて数倍のオーダーであることが印象的であった。

企画セッション(PRTR法)

 「様々な排出源から排出または移動される潜在的に有害な汚染物質の目録もしくは登録簿」アジェンダ21で高らかにうたわれているほか,米国では「もっとも成果をあげた規制」との評価がある一方,国内の動きについてはこれらと比べて鈍かったとのこと。課題は残ったものの,PRTR法の運用による環境汚染リスクの把握は,今後益々重要になるであろうとの指摘。


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