その他の項目 Extra Items
作成者  BON
更新日  2004/01/15

 各物質に関する情報をとりまとめたコーナーです。片っ端から集めた情報を載せる予定です。ここは,項目未作成の情報について一時的に掲載するための場所です。

その他の項目
 その他の項目は他の項目に分類するまえの仮おき場としての情報提供です。

【参考】
増えてきた...整理必要...


その他の項目

●窒素関係

 水道における硝酸性窒素及び亜硝酸性窒対策の手引き(H12/3,日本水道協会)が発行されました。この項目の状況と対応について解説されています。

 アンモニア性窒素の濃度が高い場合,消毒塩素が消費されてしまいます。ただし,逆に,アンモニア性窒素濃度を低減するために塩素処理が効果がある,とも言えます。アンモニア性窒素1mg/Lに対し,次亜10mg/Lを消費します。

 アンモニア性窒素がどの程度であれば,対策が必要かの目安については,その道のプロに教えてもらった以下の数字を紹介します。

  1. 生物活性炭処理で除去できるレベルは0.3mg/L程度。
  2. 次亜注入量が5mg/Lを越える場合,そろそろクロラミン臭(カルキ臭)が心配になってきます。
  3. 次亜注入量が10mg/Lを越える場合では,アンモニア性窒素対策を導入した方がよいでしょう。

【参考】
水質試験所所長経験者,K様より。


●ジブチルスズ

 塩ビ管の添加剤にジブチルスズが使用されているのではないか,という週刊誌記事がありました。これに対し,塩ビ管・継ぎ手協会会員の会社は国内向けの塩ビ管にはこれらの材料を使用していないと回答しています。

 一般に,有機スズ系安定剤は,塩化ビニル及び塩化ビニルを主体とする共重合樹脂,あるいは塩化ビニルと塩化ビニル用変性樹脂のポリマーブレンド用の安定剤として使用され,熱光に対する分解防止に卓説下効果を与えます。また,塩化ビニル及び塩化ビニル用可塑剤によく相溶し,製品に優れた透明性を与えるので,主として加工温度の高い硬質製品及び透明性を要求される製品に使用されています。

 近年,世界的に環境衛生上の問題が大きくクローズアップされてきているなかで,この有機スズ系安定剤は低毒性または無毒性である為従来他の安定剤が使用されてきた不透明製品の分野でも使用されている。有機スズ系安定剤もそれらの性能にあわせて非常に多くの種類が上市されているということです。

ジオクチルスズ系
ジブチルスズ系
ラウレートスズ系(ラウリル酸系)

【参考】
 スズ系安定剤に関する情報提供 Mr.まっきぃ(有機化学)。


●水道原水中の有機物の具体的名称

 環境中の原水を想定した場合の有機物のうち容易に分解されるものは,比較的短時間に分解されて微生物体に固定され,濁質除去プロセスで除去できます。ですから,特に水処理を考える必要があり,かつ溶存していて通常の濁質除去で対応できないものの大部分は,「フミン質」(フルボ酸含む)と呼ばれているものと考えていいと思います。

 水にふくまれる有機物とはいったいどのような物質なのですか,という質問をもらったことがありますが,人間が排出するあらゆる有機物が原水中に侵入し得ますし,有機物の種類を規定してこれを個別に取り扱えるほど有機物の種類は少なくありません。たとえば,生物を構成している有機物の具体的名称を上げることを想像してください。

 BODやCODといった指標はこのような事情から考え出されたものです。水道としての有機物は,過マンガン酸カリウム消費量という指標で,ある一定の条件で酸化される物質量を消費酸素量ベースで把握します。これは比較的CODに近い指標です。

 各指標の大体の換算係数は以下のとおりです。が,この数字はかなりケースバイケースなので,実際に切り換える際には十分な実測が必要です。

【備考】


酸化還元電位 ORP (Oxidation Reduction Potential)

 酸化還元電位(ORP)とは,水が酸化力をもつ状態か,還元力を持つ状態かを調べる指標で,その単位はmVです。純水のORPは+250mV程度ですので,大まかにいって,+400mV以上だと酸化力を持ち,-0mV以下で還元力が優位といえるでしょう。

 酸素は強力な酸化剤ですので,酸素が豊富な,すなわち好気的な環境の水のORPは高くなります。さらに,水道水には消毒のために塩素という酸化剤を添加してありますので,当然自然水よりORPが高くなります。また,有機物(フミン酸やその他の有機酸)にも影響されますので,ORPと水道水の質にはある程度の相関があるでしょう。

 逆に,深層地下水など酸素含有量が少ない水ではORPは低くなります。また,富栄養化などによって酸素が消費しつくされた水環境,すなわちヘドロのような水もORPは低くなります。このような還元的,嫌気的な環境では,金属やその他のイオンが溶けだしやすくなり,またアルカリ金属,アルカリ土類金属のイオン(俗にいうミネラル)を含みます。ミネラル分を豊富に含むだけならそんなに問題はありませんが,リンの溶出を招いて富栄養化をさらに促進したり,ヒ素などの有毒なイオンを含んだりする場合もあるので,水源の選定の際には注意しましょう。

【(有)光ベルコム】
 ORPメーターのメーカーさんのページ。ORPについて詳しく解説されています。

【備考】


遊離炭酸

 水中では,CO2として存在する量はごくわずかで,ほとんどが炭酸H2CO3として存在します。よって,水中の炭酸の存在は,下のような対数濃度図で表すことができます。

 水中での炭酸は,基本的には,CO2+H2O+CaCO3 <-> Ca(HCO32の平衡関係にあります。平衡を超える量のCO2が水に溶存するとき,CO2+H2O -> H2CO3(炭酸) -> H++HCO3-(炭酸水素イオン) となることで水素イオンが増し,pHが下がる=侵食性になります。

【備考】
対数濃度図は「環境工学のための化学」より取り込みました。せっかく取り込んだのに,炭酸について書くページを作ってなかった...ここにおいときます。


●クロム

 強い毒性で有名なのは六価クロム(Cr03)。日本のクロムの基準は全クロムを測定して六価クロムにみなしているとか?よく知りませんが。自然界に存在するのは三価クロムで,人体必須元素。塩素処理で一部が六価クロムになるとのこと。

【備考】


●濁度について

 濁度は濁りの指標ですので,水質データとしての濁度が同じでも,水質が大きく違うことがままあります。平たく言えば,凝集沈澱後の濁度1度,原水の1度,藻類発生時の1度,では,性質は全く異なる,ということです。

 ま,常識といえば常識なんですが。

【備考】


●PFOS/PFOA

 ストックホルムでのPOPs審査委員会にて,スウェーエデンが提案で,撥水油剤・界面活性剤などとして使用される物質です。1999年ごろ,製造工場の従業員の血液に含有されていることが確認されてから,ハザードがないかどうかのチェックが始まりました。2005年USEPAが暫定のリスクアセスメント結果を提示,基準値の案が示されています。

 現時点で毒性についてはまったくいまのところ不明。すくなくとも,現時点では,これらを「発ガン性物質」と言った場合,うそつきといわれてもしかたない水準の情報でしかありません。

 肝臓での毒性報告があるとする研究成果が研究レベルではあるようですが,そもそも環境中に存在する量との間には影響評価量の1万分の1以下と濃度差がありすぎるため因果関係の検討もままならず,さりとて環境中での分解性は低い,しかし蓄積性も観察されない,といった様子。私の愛用している毒性科学物質のデータベースにも載ってないくらい,これから研究してみようか,といったレベルのリスクと考えていいでしょう。

 水処理フローでの除去性能の研究を私の恩師が始められるようですので,まずはそちらのレポを待ってみることにします。

【備考】
出展:「環境工学分野のフロンティアー有機フッ素化合物汚染への挑戦−」


●今後注目される可能性のある項目

 海外の資料を見たりすると,日本ではあまり問題になっていないような物質に関する話題が頻繁にでてくることがあります。今後を考えると,一応どんなものが注目されているのかについては,一応のチェックが必要でしょうか。

 リストアップすると以下のようなものです。いずれチャンスをみて調べてみる予定です。(予定は未定)

 MTBEはガソリン添加剤として使用されるので,あたりはかなり日本でも注目され始めているようです。アメリカのような大々的な地下水汚染はいまのところ見つかっていないようですが。


●水質基準関連でのTIPS

【備考】
 茂庭先生の講演のお話で気になった分をメモ。


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