作成者 | BON |
更新日 | 2002/08/01 |
粗ろ過とは,水処理設備への流芥や異物の混入防止を主目的に設置される,前処理を総称して定義する呼称です。
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粗ろ過設備 急速ろ過法の派生法について。 |
【参考】
粗ろ過についての記述を追加。
1)上向流砂ろ過設備
原水の粗ろ過のように,除濁というより異物の除去が目的の場合や,ろ材との接触が目的の場合のように,懸濁質の捕捉があまりない方がいいケースにおいては上向流の砂ろ過設備を使用することがあります。
上向流式では,重くて粒径の大きなろ材ほど下に沈むため,懸濁質も大きいものほど下で捕捉され,ろ過時間を長く取れてろ材の効率がよいのですが,洗浄時に逆流が利用できないために流速を増す方法で洗浄せざるを得ません。このために,懸濁質の除去を目的とするケースでこの方式を利用すると,洗浄時間が長くなったりして浄水のロスが増えてしまうとの意見が主流になっていると思います。
2)繊維型ろ過機
繊維型ろ過機の例
写真はe-WATERプロジェクトで前ろ過用に導入実験されている繊維ろ過設備の例。これはオルガノさんの製品です。
原理的にはろ過と同じですが,砂の替わりに毛状の繊維を使用します。逆洗速度を大きく取れる,ろ過抵抗が小さい,などの特徴があると宣伝されています。原水直接ろ過などの場合に威力を発揮するそうで,膜ろ過の前処理や下水の活性汚泥後のろ過などでは結構評判がよいようです。
このほか、いくつかの水処理メーカーさんが発売されているようです。成績が良いという人と嫌いな人がはっきりわかれていて,私的には評価を保留しています。おもしろそうだとは思うのですけれどもね。
【備考】