水道財政 Finance
作成者  BON
更新日  2008/07/13

 水道財政に関する情報をまとめたページ。メインインデックスを整理するために分離しました。

水道財政
 環境影響の評価手法については研究段階ですが...
水道関連予算
 水道関連の国の予算について。厚生労働省のサイトなどでどうぞ。

【参考】


水道財政

1)根拠法と手続き

(1)地方公営企業法

 水道事業の根拠法(事業法)は水道法ですが,

  1. 簡易水道など小規模である(計画給水人口5000人以下)場合
  2. 市町村の合意の下の完全民営水道である場合

 をのぞき,地方公営企業法に基づく地方公営企業として運営されます。

 地方公営企業法は,地方公共団体の経営する企業の組織,財務,及びこれに従事する職員の身分取扱い,その他企業の経営の根本基準等を定めた基本法で,総務省の管轄です。

(2)会計手続き

 会計手続きが地方公営企業法に則って行われていることは前述したとおりですが,その手続きの詳細はとてもここで紹介できるほど簡単ではありません。

 まず,最大の特徴は予算主義である点で,右図には示されていませんが,予算案を前年度までに立案し,その内容を議会に諮って議決を得なければなりません。

 日時の処理は予算に基づいて行われ,日次の集計結果を概ね,月次でチェック,予算との照らし合わせにより確認します。減価償却費など年単位での支出を年度末にとりまとめることで,決算財務諸表を作成しますが,出納閉鎖の関係上,その確定は6月ごろになります。

この出納閉鎖と,議決のタイミングなどの問題から,通常は2年分程度の資料を用意することになります。また,事業開始時や,地方公営企業への転換時にはそれぞれ特殊な処理が必要です。

 とまあ簡単に書きましたが,私もこの辺はまだあまり実務に詳しくないので,ちょっと書き切れません。もちろん詳しい人は身近にいるのでなんとかすることはできますが...詳細な情報が必要な方は地方公営企業法関連の解説書を参照してください。

(3)消費税

 消費税転嫁については,水道事業体ではいろいろ難しいところがありました。というのも,生活の基本財であるから免除する場合や,事業の規模が小さいために消費税の対象にならない場合などがあったためです。

 さらに厄介なのが,消費税制度のややこしさ。会計上の煩雑もさることながら,還付や申告などのミスが結構発生しています。が,これは大体制度が難しすぎるのが原因でしょう。会計関連の社内研修では,消費税関係の相談は税理士でも間違うので安易に乗らないこと,とまで指導されました。

 なお,平成16年4月付けで,消費税の外税表示ができなくなります。

【参考】
水道統計平成9年度版や日本の水資源H12など。料金について記述する必要がありましたのですこし取り込みました。


2)水道事業の経営状況

 水道事業の経営状況を知るための取り組みは次に示す総務省のHPにも詳しいです。 指標類の算出方法や全国の水道事業における経営指標の概要はこちらに掲載されているものが参考になります。

地方公営企業【総務省】
 水道事業や工業用水道事業について,各種経営指標とその解説などについての解説。地方財政の現状と,来年以降の地方債の運用計画など。

 このサイトによって水道事業の経営状態について,一定の指標算出の知識があれば手軽に知ることができるメリットは大きく,水道協会などの実務家の団体も情報公開のガイドラインに併せて経営効率化指標を活用することを提案しておりまして,一般の基本計画等においても有効に活用しなければならないところと考えます。

 ここでは,各種診断の指標についてごく簡単に触れることにします。簡単に,というのは,指標そのものの数字がどうという解釈はそんなに難しくないのですが,どうすればそれが改善するか,という判断はなかなかもって高度に技術的な問題であるからです。

(1)業務の概況
 普及率や原単位などからその事業が収益的に有利かどうか,収益性を拡大する余地が大きいかどうかなどを判断します。

(2)収益性
 収支比率,累積欠損金比率,不良債務比率など。収支のバランスがとれているかをチェックできます。

(3)減価償却状況
 当年度減価償却率など。この数値をうまく使えば,その事業がどの程度老朽化しているかがある程度わかります。

(4)財務比率
 .流動性(流動比率など),安全性(固定資産構成比率など)などの指標により,運転資金の確保状況が確認できます。日常の経営努力の状態を知ることができます。

(5)施設効率
 稼働率や負荷率,有収率のほか,施設能力に関する指数など。事業の効率が分かりますが,水源や需要者,地形などによって適性な値は大きく変化するため,技術的に経験が必要なチェック項目です。

(6)生産性
 職員一人あたりの各種指標。人員数の多寡とその要因から改善の手だてを検討。

(7)費目分析
 具体的な財務指標について,主として水量あたりでチェックすることにより,会計処理上の問題や事業の特性を知ることができます。

 いろいろな指標はありますが,どの指標がいくらで有ればどう,という判断はケースバイケースで行うことになります。ただ,ヒントとしては,ヤードスティック的な手法をとるとよいでしょう。

 また,経営状況の診断に関する研究は,官民問わずいろいろ行われています。私も現在のお仕事の中心はこの辺だったりするわけであります(^o^;)

【備考】
 結構経営診断関係を本業でやってたりします。ノウハウの構築はまだまだ不十分ではありますが,やっただけの効果は感じます。


3)その他関連情報類

 ちょっと整理がつかなかったのですが,なかなか参考になりそうな情報を見つけたものについて個々に置いておきます。

地方公務員の給与水準【総務省】
 人件費の計算に参考にしましょう。

【備考】


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