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「REMEMBER PEARL HARBOR」



 以前、映画「パール・ハーバー」の感想を書いたのですが、それは「パール・ハーバー」じゃねえ!という有り難いツッコミを貰ってしまったので、もう一度きちんと調べて観直す事にしました。今度は大丈夫だと思います。ちゃんとカラー映画だったし。

 姉弟と姉の恋人なんて「宇宙海賊ミトの大冒険」ばりのスレスレな三角関係を、ハリウッド映画でする訳無いですよね、やっぱり。本物の方は極々真っ当な三角関係でした。ヒロインが実は既婚者で、海軍の旦那さんが現在生死不明という設定には少し驚きましたが。

 お国の事情があって、主人公達は枢軸国と闘う為にまずRAF(Royal Air Force:英国空軍)の義勇兵として英国へ渡る事になります。そこで彼等を待ちうけていた物は……なんと自転車による空戦訓練。世界初の独立空軍(*)たる英国空軍にとっては、米軍バイロットなどヒヨッコ同然という事なのでしょうか。「ダダダダダッ!」とヤケクソ気味に機関銃の音を叫びながら自転車を漕ぐパイロット達の姿に、なんだか子供時代のごっこ遊びを懐かしく思い出しました。
*当時の各国航空戦力は陸海軍の航空隊が主体で、「空軍」が陸海軍から独立して編成されていた国は少ない。

 初めは補助戦力扱いだった彼等志願兵達も、経験を積む内、次第に一人前のパイロットとして成長して行きます。そして過酷な戦いの日々の中、不時着した主人公(弟分)がヒロインに助けられる所からお待ちかね、三角関係のスタートです。成り行きとムードでつい一夜を共にしてしまった物の、主人公(弟分)の度を過ぎた入れ込み振りに当惑するヒロインには少々同情しなくもありませんが、でも、主人が(生きているかどうか分からないけど)いるからと振っておきながら、主人公(兄貴分)とくっついてしまうのは流石にどうかと思います。一部女性ファンが「ヒロインがムカツク」と言っていたのを以前に聞いた事があるのですが、その点だけはちょっぴり同感です。

 罪悪感を覚えつつも肉欲に溺れていく2人ですが、それが偶然主人公(弟分)の知る所となって、この友情は転落の道を転がり出します。2人の齟齬はやがて同士討ち騒ぎにまでエスカレートし、それが自分の誤解だったいう主人公(兄貴分)の謝罪さえ、主人公(弟分)が拒絶するにいたり、二人の中はついに破局を迎えた、かに見えたのですが……。

 ある任務の帰還途中、エンジントラブルで主人公(兄貴分)が冬のドーバー海峡に不時着水を強いられてしまいます。ところが波にさらわれ手を離した隙に、あっけなく破裂してしまう救命ボート。極寒の海の中、主人公(兄貴分)は緩慢な死を一人覚悟します。と、そこへ現れたのは主人公(弟分)のスピットファイア! 荒天の只中、危険を顧みず自らの救命ボートを投下しようとする主人公(弟分)ですが、操作ミスで結局機体は海の底に……。しかし、彼の意思を引き継いだかの様に奇跡的に機外に浮かんできたボートによって、主人公(兄貴分)は九死に一生を得ます。

 親友を失った主人公が英国を去り帰国した所で、いよいよ山場の真珠湾攻撃!……のはずなんですが、映画はここで唐突に終ってしまいます。長い映画だとは聞いていたのですが、まさか2部構成とは思いもよりませんでした。聞いた話によるとドーバーで行方不明になった方の主人公がひょっこりと生きて戻ってしまう所から、三角関係がまた色々とややこしくなるようですが、いずれにしても続きが楽しみです。ラストで何故か主人公が刑務所に入れられてしまうというのは、往年のジャンプを思い起こさせる強烈なヒキだと思いました。

 1部を観た段階での感想ではありますが、なんといいますか、観る人を選ぶ映画なのは確かですね。特に第2次世界大戦前後のヨーロッパ史について一通りの知識が無い方にとっては、全く理解出来ない映画ですので、正直、多くの人にお薦め出来る作品ではありません。もっとも、日本とアメリカが戦争をした事も知らないような連中の為の映画なんてものが、一体どれだけ意味があるのかというのも私的に甚だ疑問ではありますが。

 例によって予告編(重いです、ご注意を)へリンクを張っておきますので、興味のある方は見てみて頂ければと思います。



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