無反射ガラス、複写には必需品
書類、資料、古い写真などを複写するときに使います。面の反射を抑えたガラスです。キャビネや四切など、
異なる大きさのものが何種類か用意されています。また、写真額のなかには、無反射ガラス入りのものもありますから、
額のガラスを転用する手もないわけではありません。いい写真伝導師の三脚ワンポイントアドバイス
その17
使い方は、被写体の上に置くだけです。複写するものが古い写真なら、無反射ガラスを古い写真の上に置きます。
複写しようとするものより、ひとまわり大きな無反射ガラスを用意します。ネガを紛失してしまった手札のプリントを
複写するなら、キャビネサイズのガラスを使うという塩梅です。大は小を兼ねるとばかり、四切など、被写体に対して
大きすぎるものを使うと、作業がしにくくなります。
被写体の上にガラスを置くことによって、被写体表面の反射を防ぎます。紙の表面がテカテカしているとすると、
そのテカテカを抑える働きを無反射ガラスがします。テカリをそのまま写せば、白く光っている部分として写ってし
まいます。元本がなんだかわかりません。反射をとり除く働きを無反射ガラスがします。そして、被写体に無反射
ガラスをかぶせることによって、被写体そのものをたいらにします。平面保持の役割をしてくれます。新聞記事を
複写するときなど、何頁建てかになっていて、腰が弱く、曲がりぐせのついてしまった新聞紙を、きちんと、腰の
ある新しい新聞紙のように複写する手助けを、無反射ガラスはしてくれます。
無反射ガラスのフチは、テープなどでフチどりをすると安全です。「無反射」といっても、ガラスはガラスですか
ら、不用意に扱うと怪我をします。私のガラスはフチ5ミリ程を、黒いガムテープで覆って、直接指がガラスに触れな
いようにしてあります。
三脚のエレベーターの下側に雲台をつけかえて、俯瞰できるようにして複写する際、ガラスを三脚の脚にぶつけること
があります。フチドリをしてあれば、ガラスが欠ける心配が減ります。フチドリなしだと、ガラスが割れるほど強く三脚
の脚に当てることはないとしても、ヘリが耳かきの先みたいな形で欠けることがあります。しかもカケラが、どこへ
飛んだかわからず、探すのに時間をとったりしますが、フチドリはそれを防いでくれもします。
複写すべき被写体が10枚、20枚とたまっていると、撮っては被写体を変え、ガラスをかけ、位置を決めという
作業の連続です。暗室用手袋をして作業をすると、ガラスを汚さず、また、怪我の心配も少なくていいでしょう。
手袋作業は、素手と感触が違いますから、慣れることも大切です。
無反射ガラスとして購入すれば、薄手ではありますが、保護用のボール紙製梱包に入っています。使用後は、き
れいにホコリをはらって、しまうようにすると、案外永もちします。キャビネサイズなら、しっかりした本の表紙裏
に挟むなど、持ちはこびの工夫をすると、旅行先でも使えるでしょう。それだけ用途が増えます。
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