エレベーター下端のネジはなんのため?
雲台はエレベーターの上部につけてあるのが普通です。そのエレベーターの下の端にもネジが設けてあります。
例を挙げれば、「マスターブラックタイプ」がそうです。このネジは雲台やアクセサリーを取付
けるためのものです。いい写真伝導師の三脚ワンポイントアドバイス
その16
雲台をはずすのは、雲台の動きを固定して、エレベーターもロックします。三脚を上からみて、反時計方向に、雲台を強
くまわします。雲台の固定がゆるみます。廻し続ければ、雲台は、三脚からはずれます。
はずした雲台の凹ネジを、エレベーター下端の凸ネジに合わせ、時計方向に雲台を廻しつづけると、雲台はエレベーター下部
に固定できます。雲台が廻らなくなったところで、強く、しっかりと、時計方向に増し締めします。使用途中で、雲台が緩
んでこないために、こうします。
いま、雲台は、エレベーターの下端につけかえました。レンズが真下に向くようにカメラを取付けると、俯瞰撮影ができます
。写すものの大きさによって、また使うレンズによって、被写体までの距離が変化します。一般的な例を挙げると、50mm
級マクロレンズ付一眼レフで、キャビネサイズから週刊誌大程度までの複写をするとします。三脚の脚は、2番目を引き出し
、伸ばします。三脚の脚と脚の間隔が広くなります。カメラボディが脚に触れにくくなり、操作をしやすくするためです。
脚は一杯にひらききります。安定度が高まります。脚の長さを3本同じにするのは当然です。三脚をまっすぐ立てるためです。
エレベーターは、手を加えないと、一番下がった状態になっています。エレベーターのちょうど中間部あたりを使うように、
15〜20cmほど、あげます。エレベーターのグラつきを最小限におさえるためです。ピント合わせをしたり、構図を決めたり、
ブラケティングをしたりするとき、画面が変化してもらいたくないからです。
グラつきを小さくする目的で、エレベーターをあまりあげすぎると、カメラボディーが脚に触れ、操作に支障をきたすこと
があります。上げすぎないようにも注意します。
被写体をどのくらいの大きさに写しとるのか、エレベーターを上下に調節することによって、カメラ位置の選択ができます。
レンズでの調整は、正確なピント合わせをするためのものと割り切って考えると操作が楽です。
操作上、特に留意することは、古い写真の複写のように面を写すなら、フィルムと被写体を平行にすることです。また、
無反射ガラスを被写体の上にかぶせて、反射を除いたり、平面維持したりしましょう。簡単でしかもよい結果を期待するには
、室内の明るい窓際を複写用のスタジオとして活かしましょう。脚の陰が出ません。直射日光の当るところでは、カメラや
三脚の陰が被写体を横切り、仕事になりません。
エレベーター下端のネジは、複写のように俯瞰撮影機能を三脚に与えるためであります。
真俯瞰で複写をするとき、光軸は、床に対して垂直です。光軸の向きを90°変更させるとどうでしょう。すなわち、
床に対して、平行方向に変えてみます。
雲台の方向を変えるといっても、通常と上下逆ですし、普通の向きでさえ、雲台にカメラを取付けると、レンズがおもいどお
りに被写体に向けられないという向きが大勢おられるのも事実です。カメラは、雲台から、はずします。カメラなしの雲台の、
カメラを取付ける面が床と平行になるよう、雲台を操作し、固定します。その雲台にあらためてカメラを取付けて下さい。
カメラは雲台に、ぶら下がったかっこうになっています。
三脚の脚は伸ばさず、ちぢめっぱなし、エレベーターが下がりきっているとすると、カメラのペンタプリズム部分が、床に
ぶつかり、三脚がうまくたたないはずです。複写・真俯瞰のときと同じ要領で、脚の長さと、エレベーターの位置を調節し
ましょう。床や地面にペンタプリズムのテッペンがくっつくまで、カメラポジションを低くできます。超ローポジション撮影の
実現であります。開脚角度を大きくして、カメラポジションを低くするのもひとつの方法です。しかし、エレベーターの下端
ネジを活用すれば、こんなに低位置で撮影することだってできます。少し下向き加減に咲く、カタクリの花など と正対して
撮ろうとするとき真に便利なものです。
ファインダーを覗きやすくするために、アングルファインダーを活用すること、そうして、手許を見ないでも、カメラが操作
できるように、充分慣れることをお勧めします。
このように、超ローポジション撮影ができるように、三脚の守備範囲を拡大するためにエレベーターの下端にネジをメーカー
は設けています。狙いを十分に理解し、活用したいものです。
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