三脚がグラつく
「三脚を使っているのに、ブレるんだヨナー」
「雲台、止めてンのに、動くンダ」
など、三脚がグラつくという話をよく耳にします。理由はいくつか想像できます。
そして、実態と想像とが一致しているかどうかは、現物や現場を拝見しないとわかりません。
グラついている原因のひとつは、三脚に雲台がしっかり固定されていないケースです。ふつうの三
脚は、雲台が三脚にネジで締結されています。この締付が不完全ですと、三脚がグラつくといわれることになります。
カメラの位置を上下に調節する柱が、多くの三脚には装備されています。エレベーターと呼んでいますが、
この上端にネジが固定されています。この凸ネジに、雲台をしっかり締めつけます。
手順は、
- エレベーターを固定する。
(エレベーター締付ツマミなどを締める)
- 雲台の作動箇所、特にパン方向を固定しておく。
- ネジの凹凸を合わせて、時計方向に、雲台を廻わす。
- 廻わし切ったところで、更に強く、雲台を廻わして、エレベーターにしっかりと雲台を締結する
上記の2や4が不充分・不完全だと、三脚と雲台の締結がカッチリできないので、グラつく原因となる。 |
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となります。
レンズを左または右に振るとき、雲台のパンのロックを解除して行います。実際多く起きるケースは、レンズを、
左右に動かすことばかりが念頭に強くあるため、つい、雲台のパンのロックを解除しないで締めたまま、雲台を
反時計方向に廻わします。パン方向はロックしてあるので、レンズは動かそうとしても抵抗を感じるはずです。
抵抗と感じず、エエイ!とばかり強く反時計方向に力を加えてしまいます。当人は、恐らく不必要に反時計方向に
廻したという自覚はないでしょう。不要に強く、反時計方向へ回転力を受けた雲台は、三脚の凸ネジから、ゆるみます。
本来、固定されていなければならない雲台が三脚からゆるんでしまったのです。使っている本人はそうは感じていませ
ん。左へ振りたいレンズは、左へ振れます。雲台そのものの締付が緩んでしまったからです。雲台が作動しているのでは
ありません。その動きはガクガクしています。雲台のパン機能が働いているのとは違う感触です。けれども、この
違いに気づくひとは、残念ながら、多くはないようです。
雲台を含めて三脚の操作は、
- ゆるめる、
- 動かす、
- 締める。
の連続です。
雲台のこのケースでは、
- パン締付部の固定を解除する、
- パンする
- 1.で解除した部分を、ふたたび固定する。
という操作を経れば、雲台が三脚からゆるみはしません。1.をしないで、2.をするから、雲台がゆるんでしまうのです。
これを、三脚がグラつくと俗に呼んでいます。
グラつく別の理由は、脚のひらき方が不充分な場合です。ひろげればもっと脚をひろげられるのに、ひらききらずに
パンしようとすると、グラつきます。三脚をセットするとき、脚がひらきとまるところまで一杯にひろげきって使うよ
うにします。三脚の安定がずっとよくなります。
三脚そのものが、キャシャでも、グラつきます。三脚は「重い」「カサバル」「面倒臭い」「なくても写真は
撮れる」とお考えの方がたくさんおいでになります。なるたけ小さくて、コンパクトにたためて、軽くて、簡
単な三脚を使おうとすると、
使う機材に対して、キャシャ、つまり、バランスがとれていないことがあります。
AFのカメラは、シャッターボタンを半押しにすると、作動し始めます。キャシャな三脚を使うと、
シャッターボタンに指を触れただけで、カメラが動いてしまうのです。
これでは正確にフレーミングすることもできないでしょう。精密な描写を期待してもムダです。
シャッターボタンに指をかけても動かない三脚に替えないと脚のグラつきはなくなりません。
三脚がグラつくとお困りのあなたは、以上3つのどれに該当しますか?