いい写真伝導師の三脚ワンポイントアドバイス

その7

 ところで雲台の着脱はどうしたらできるか、これが存外知られていないのは残念なことで す。まず、エレベーターをロックします。次に雲台もロックします。そして、上から見て反時計 方向に雲台を捻ります。エレベーターと、雲台との締結部分がゆるみます。雲台をまわしつづけ ればはずれます。今度は雲台の凹ネジをエレベーター下端の凸ネジに当てがって、時計方向に捻 ります。捻り続けてしっかり締め付けます。グッ!と、ショックを与える感じで最後のひと締め を加えると使用中に、雲台とエレベーターの締結部がゆるんで、「ガタガタのグラグラ」になら ずにすみます。
エレベーターと雲台の締付が不完全で、雲台はしっかり締めてあるのにガクガクと いう三脚をよくみます。最後のひと締めが不充分なのです。レンズを被写体に向けたい衝動にから れて雲台をゆるめず、締めたまま 動かそうとするために起きる現象です。三脚を扱うときは、雲台に限らず、

  1. 締め付け固定箇所をゆるめる。
  2. 動かす。
  3. 動かし終わったら、固定箇所を締める。
  4. 本当に固定できたかどうか確認して、手を放す、の操作鉄則を思い出し守ってください。

 それから、雲台と三脚を締結しているネジは、各社共通です。A社の三脚に、B社の雲台を取 付けることができます。B社の三脚にC社の雲台を、そしてA社の雲台をC社の三脚に取付けるこ とができます。ただし、大型の三脚では、雲台と三脚を締結するネジがU3/8、いわゆる大ネジ が普通です。U1/4ネジ、通常ネジとU3/8大ネジとの対応についてはそれぞれの三脚の説明書 を参照して下さい。

 エレベーターをクランクで駆動するものをクランク式と呼びます。ラック・ピニオン方式が 一般的ですが、エレベーターの自重落下を防ぐウォームギアを使ったも のもあります。クランク式は上下動の微調整ができます。比較的目方が重い機材でも上げ 下げが楽という利点もあります。操作するときは、必ずクランクを起こしましょう。たたんだ ままクランクを回そうとする人がありますが、これはいただけません。
 ノンクランク式のエレベーターもあります。ロックを解除して、エレベーターを握って上げ下 げするタイプです。標準マクロ付一眼のように比較的軽い機材なら、このほうが使い易いことも あります。すなわちカメラポジションの上下調節とレンズの向きとをエレベーター操作だけで 一緒に決められ、仕事が早いからです。クランク式ですと上下調節は上下調節でエレベーター操 作をひと仕事、レンズの向きはレンズの向きで、雲台操作をもうひと仕事 と、仕事がふたつ必要です。ノンクランク式はまた、エレベーターの 上下差し替えで俯瞰撮影に対応したり、2分割式でローポジション時の 不都合を避けたりできるものがあります。クランク付か否かだけでなくこの辺りまでチェッ クの眼を光らせたいものです。
 エレベーター上下動の調節機構は多くの三脚が備えるようになってきましたので自分の好みの かたさで使うようにしましょう。

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