いい写真伝導師の三脚ワンポイントアドバイス

その8

二動作分離方式(2way)雲台の、上手な使い方

 これは、単純な運動をする雲台です。普通に使うとカメラは、左右方向の回転すなわちパンと、 上向き下向きの調節すなわちティルトの2方向に、別々に動かし、固定することのできる雲台 です。

パン

ティルト
必要最小限度に機能を留めていますので、操作箇所は少なく、部品点数も少なく、だから 軽く、こなれた価格に仕上げられます。スリックでは450GII、500GII、 800GII、そして最近はU 5000などのベストセラー達に組み込まれ ています。
 カメラを取付ける面、つまりカメラ台が水平位置から垂直位置に起こせないので、「タテ位置 が出せない!」と早合点されるきらいがあります。カメラを取付ける前にカメラ台を 垂直にしておいてからカメラを取付けると、すぐタテ位置にできるのです。カメラを固定するネジ を締め付ける前にレンズを被写体に向け、あらかた構図を決めてから、カメラネジを締めつけて 固定すると、難なく被写体へ、タテ位置でも、レンズを向けることができるのに、そう思ってもら えず、大変損な役回りを演じている雲台です。
 2way雲台に限らず雲台の使い方がわからなくなったら、雲台からカメラをはずしましょう。 そして雲台を大まかに被写体に向け、あらためてレンズを被写体に向けてカメラを取付けてくだ さい。「当たらずとも遠からず」でターゲットにレンズを向けられます。

 

ところで普通に三脚を使うなら、こうすると楽です。

普通BetterBest
 横長のカメラ台を横長のカメラボディにあわせて取付けないのです。横長のカメラボディに 雲台タテ長に取付けます。そして、パン棒は、カメラの背面に向かって左側に出るようにする と、理想的です。パン棒は、左手で操作することになります。
 この向きでカメラをセットすると、パン棒をゆるめ、ちょっと上下に調節するだけで、画面 の水平方向を自由に調節できます。極端に傾けると、すぐタテ位置が出せます。タテ・ヨコの 変換がわかりやすい、出しやすいのです。パン棒が手前にくるように構えると、自由に調節で きるのは、レンズの上下方向になります。使用頻度が高いのは、水平調節だと思いますがいか がでしょう。特に記念撮影のときなどはそうです。
 そして、三脚を据える向きにも、ちょっと気を配ります。被写体側に脚を一本向けましょう。 脚はひらききるまで一杯にひろげます。撮影者の右手、左手に、それぞれ脚が来る向きに三脚を セットしました。
 被写体側に突き出した脚の長さを縮めれば、レンズはオジギします。被写体側の脚は縮めず、 左右に突き出ている2本の脚をそれぞれ縮めれば、レンズはだんだん上向きになります。つまり、 ティルト方向の調節は、脚の長さを調節して行います。
 左右に突き出している脚のうち、右を縮めれば、画面は左上がりになります。雲台でもこの調節 はできますが、脚の長さ調節でもできます。つまり、ダブってできるわけで、どちらでも好きな 方を採ればいいのです。雲台よりも脚の長さによる傾き調節のほうが微妙なコントロールができ ます。試してみてください。
 脚の長さの調節を書きました。脚の長さ調節をコマメに行ってください。しかも手元を見ずに、 ファインダーを通して、被写体の様子を見ながら行うのです。脚の開き角度で傾きを調節する人が 沢山ありますが、あれは感心できません。三脚が不安定になります。三脚を支えている底面積が 狭くなるからです。
 手元を見ずに、思いどおりに、スムーズに脚の伸縮ができる三脚は、いい三脚です。またそう 扱えるひとが立派な三脚の使い手であります。

2way雲台付の三脚を上手に使うには

  1. 水平調節がしやすいようにカメラをセットする。
  2. 脚の長さをこまめに調節する。
  3. カメラの向きを変えるときはカメラネジで行う。

となります。500GII、U 5000という値段の 非常にこなれた三脚を一緒に、こうして使っていただければ、記念写真自由自在となります。

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