Epilogue
Sparkling Blue <Pictured Life >
「ミサトさんだって・・・他人のくせに、何も分かってないくせにっ!」
「他人だからどうだってぇのよ!あんたこのままやめるつもり!?
今、ここで何もしなかったら、あたし許さないからね。一生あんたを許さないからね。
今の自分が絶対じゃないわ。後で間違いに気付き、後悔する。私はその繰り返しだった。ヌカ喜びと自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めた気がする。
いい、シンジ君。もう一度エヴァに乗ってケリをつけなさい。エヴァに乗っていた自分に。何の為にここにきたのか、何の為にここにいるのか、今の自分の答えを見つけなさい。
そして、ケリをつけたら、必ず戻ってくるのよ・・・約束よ」
*
何気ない一言が相手のこころを傷つけ、
路傍の悲しみが旅人のこころを惑わせたあのころ。
原初は何も無いところにあり、
あるものは原初からあるものである。
原初から無いものはあるものに無い。
あたりまえのこと。
ただそれだけのこと。
忘れていただけのこと。
それがすべて。
抗うことはできるのだろうか。
人は人でいられるのだろうか。
それがのぞみなのだろうか。
のぞみがのぞみなのだろうか。
ひとひらの花が水面を揺らし、
一抹の寂しさがこころを過る。
苦悩が逃避の対価なら、
忘却が癒しの代償なら、
享楽が希望の補完なら、
ありし日のかたちに戻れるのだろうか。
こころの四季を重ね、
螺旋の鎖に向かい合い、
溢れる想いを紡ぎ合い、
果てぬ涙を見つめ合い、
朽ち果てることも、
目を逸らすことも、
そと触れることも、
許されぬ旅人。
*
朝焼けの空から柔らかな光が音も立てずに落ちてくる。
小鳥のさえずりが耳元でささやかな愛を語りあう。
木々のゆれる音がたゆまない新たな誕生を予感させる。
夢のぬくもりをいとおしみながら、僕はゆっくり目を覚ます。
夢のかけらを胸一杯あつめると、僕ははっきり目が覚める。
大きなあくびをしながら、手を足を精一杯伸ばす
大きく立ち上がって、カーテンを窓を全開にする
空の爽やかさ
太陽の温かさ
風の心地よさ
大地の柔らかさ
白い翼が空へ向かって一斉に飛び立つ
一迅の風がレースのカーテンを巻き上げる
少女の影
目を凝らして少女を求める
木漏れ日
蒼い影が揺らめいている
・・・ う ふ っ ・・・
・・・ う う ん ・・・
君はどんな夢をみているんだろう
いつかは君も目覚めるだろう
そして
僕に微笑んでくれるだろう
・・・あっ・・・
・・・おはよう・・・
・・・ お は よ う ・・・・
・・・ あ な た ・・・
*
ボクハ、イマ、ココニイル
【 Afterword】