Afterword
invisible blue <Atom heart mother>
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相田ケンスケの日記より<抜粋>
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綾波の視線は心を突き刺す槍のようだ。
普通人は他人を見る時、その全体像を視野に収めようとするが、綾波は違う。相手のただ一点を射抜くような視線を投げかける。まるで、相手の心を突き刺すような鋭い視線。しかし、野獣のような狂気とは違う。いつも自分に突き刺していた氷柱の先端を急に目の前に突き出したような痛々しく寒々としたものだ。
写真は不思議だ。レンズを通して収集した光の波長の配列をメモリーに止めるだけなのに、自分が知らない、見ていたはずなのに見ていない、ひとこまひとこま、一瞬一瞬の出来事を留めてくれる。でも、綾波だけはわが目を疑った。綾波は写真に写らない。いや厳密にいうと、写っているが影が薄いのだ。光を素通しするガラスみたいに、まるで背景が透けてみえるかのような、周りと溶け込んで、同化しているような、全体の輪郭が曖昧な感じなのだ。最初綾波をレンズに捉えた時に感じた、いいしれぬ質感の無さ、再生して気付いた消失感。そのなかで、どこか遠くを見ているかのような焦点の定まらない赤い瞳だけが鮮明に写っている。
なぜか彼女は普通と違う。でも、自分の目では確かにはっきり存在するようにみえる。いや、存在していると思い込んでいるだけかもしれないと、隙をみて、あいつの腕を掴もうとしたこともあった。あの瞳に射すくめられ、それ以上行動をおこすことはできなかったけど。だから、綾波の姿をレンズに捉える時だけは、目一杯解像度を上げなければならない。そうしないと、光に溶けこんでしまう。そう感じた。
親父から入手した情報で、綾波はE-計画のテストパイロットであることを知った。特殊な能力をもった俺と同じ年齢の人間が選別されているとのこと。写真の件は、あいつの能力なのだろうと無理矢理自分自身を納得させていた。
でも、綾波は自分の存在を希薄に感じているように見える。 ペシミズムとも違う何かを、彼女はすでに持っていると思う。
同じ14歳とは思えないほどに。
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空蝉の色(Goodbye The End of Evangelion)<断片>
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(レイの部屋)
夜の目覚め
涙に濡れたシーツ
目が眩むほど贅沢な月明かり
月の瞳(月を眺めるレイ)
月暈に包まれた素肌の首筋
白い手(レイの手にはガラスが軋む歪んだ眼鏡)
…碇司令の眼鏡…
…あの人から与えられたもの…
…私の宝物…
…私を縛ってきたもの…
…人の絆を意識させたもの…
…私をこの世界にとどめていたもの…
…でも…もういらない…
…あの時、私が壊そうとした絆…
…あの時、流した涙は私の想い…
…ココロの痛み…
…人の絆は私を引き止めた…
…でも、もう終わり…
レイは力を込め眼鏡を破壊すると、そのまま床に投げ捨てる。
ガラスの破片
水の無いビーカー
過去のない女
空白の想い
【いきましょう】
ドアの閉まる音
(LCLカプセル内)
ヒトのカタチの残骸
静かに瞑れ
もうひとりの私
【あなたのココロはヒトのカタチをたもてなくなっている】
【あなたは私になるの】
暗闇のささやき
異次元からの誘い
ゲンドウの声
(初号機の起動)
(ヘブンズドア)
リツコの死体が浮かぶLCLの海
「始めるぞ・・・レイ。ATフィールドを、ココロの壁を解き放て。欠けたココロの補完。
不要な身体を捨て、全ての魂を今、一つに」
「・・・さあ、レイ。私をユイの所へ導いてくれ」
「うっ!」
アダムとの出会い
【やっと会えた】
(シンジの叫び声)
空白のページ
集められた記憶の断片
繋がれた約束
突然炎のごとく
逢いたい
「碇君!!」
はっとするレイ。
『行かなきゃ』
【もう後戻りはできないのよ】
『分かっている。でも...この想いは本当』
『私は碇君の側に行きたい』
【分かったわ】
「−−−まさか!?レイのココロはフェイクではなかったのか?ココロが生まれていたというのか」
「私はあなたの人形じゃない。私はあなたじゃないもの」
氷壁の女
「−−−レイ!?頼む!待ってくれ、レイ!」
「だめ、碇君が呼んでる」
「−−−ただいま」
『おかえりなさい』
レイの魂が今、リリスの体へと還っていく。
冬月:「人類の生命の源たるリリスの卵、黒き月・・・今さらその殻の中へと還ることは望まぬ。・・・だが、それも・・・リリス次第か。」
灰色の石の中で消え惑う魂
ここは何処?私は誰?何故私はここにいるの?どこに行こうとしているの?何を求めて?
生きるって何?死ぬって何?気持ちいいの?
ヒトはシト、シトはヒト・・・違いなんてない
だから私はここにいるの?ヒトとして?
・・・わからない・・・いいえ・・・わかるはずもない・・・
だって、碇君に会うまで私は私でなかった・・・そんな気がするから・・・
あなたに出会わなかったらどんなに楽だったか・・・
あなたを恨みたい・・・無に還ることを躊躇わせたのもあなた、決意させたのもあなた・・・
これほど切なく・辛い想いを抱かせるあなた・・・
今はただ・・・目を閉じて・・・静かに夢の中を漂いたい・・・そんな気持ち
おやすみなさい・・・私の碇君・・・いつもあなたの側にいるわ・・・
さよなら・・・
カヲル:「もう、いいのかい?」
突然のカヲル声に顔を上げるシンジ。
シンジ:「ここにいたの?・・・カヲルくん」
涙を浮かべながらも微笑むシンジ。
リリスの上半身からレイとともに生えているカヲルが、初号機に手を伸ばす。
気持ちよさそうに目を閉じるシンジ。
カヲルの存在に気付き、落ち着きを取り戻すシンジ。
カヲルの顔がレイの顔へと変化する。
ユイ:「今のレイはあなた自身のものよ。あなたの願いそのものなのよ。」
レイ:「何を願うの?」
閉じられた思い。僅かに聞える彼方からの水の滴る音。
水面に広がる波紋にシンジの姿が溶けていく。辺りに広がる蒙昧とした霧の中を進む自分の姿。足はいずこともなく前方を目指す。
何も聞えぬ。何も見えぬ。何も感じぬ。その不安な感覚。
自分が自らの意志を放棄し、自らの身体を動かすということを失った時に感じるであろう、虚無の世界。
真っ白な細かい水の粒子に自分が溶け込んでいく・・・
どれほど歩いただろう・・・時間的な感覚も失われた世界
先には何かがあるという希望の光は確かにあったはずなのに、いつまでも見えぬ目標への道標。シンジは時折歩くことをやめ、自らの身体をまさぐることで自らが存在することを確かめた・・・まだ、ある・・・でも、もうない・・・
眼前の風景を自らの光彩に受け留めながら・・・その視界はいつからか、自分の中へと向かっていく・・・
めくるめくネオンサインに似た、毒々しい光の束。白面の世界が一瞬にしてブラックアウトする。そこには、自分の姿が・・・確かに自分の姿が見えるのを感じる・・・
−T−
幼児期シンジ/閉ざされた思い
「そうだ・・・。チェロを始めたときと同じだ。ここに来たら・・・何かあると思ってた・・・」
淡い望みが無残にうち捨てられた過去の風景・・・繰り返される不毛な再生・・・息遣いが感じられない作り物の世界・・・そこに佇む自分の過去・・・そして今・・・
ミサト/秘められた思い
「結局、シンジくんの母親にはなれなかったわネ。」
血のついたミサトのペンダントを握り締めている自分の右手がみえる。
金属バットの音。
洗濯物。
回っている扇風機。
そう、ここはミサトと加持が同棲していた部屋。ミサトの過去の姿・・・いい子になるため自分を侵したミサトの秘められた夢・・・何故、自分はこんなことを知っているのか・・・
自分の見知らぬ世界の・・はず・・・なのに・・・
ミサト:「ねえ。ねえ。しよう!」
加持:「またかぁ、今日は学校で友達と会うんじゃなかったっけ?」
ミサト:「ん?あーリツコね。いいわよ。まだ時間あるしぃ。」
加持:「もう1週間だぞ。・・・ここでごろごろし始めて。」
ミサト:「だんだんね。コツがつかめてきたの。だからぁーー。ねェ。」
ミサト:「っっん」
瑞々しい肢体を頑強な肉体に委ね、軟体動物の如く絡み付くミサトの喘ぎ声・・・自らの時間をただこの時の為に輝かせたかのように、その瞳は深く赤く潤んでいる・・・
血のついたミサトのペンダントを握り締めている自分の右手がみえる。
ミサト:「多分ねぇー。自分がここにいることを確認するために・・・こういうことするの。」
リツコ:「身体だけでも、必要とされてるものね。」
ミサト:「自分が求められる感じがして、嬉しいのよ。」
自らを観察するかのうように冷静なミサトの声・・・リツコの声もする・・・
「これが・・・。こんなことしてるのがミサトさん?」
いつのまにかペンダントを強く握り締めている自分・・・
「そうよォ。これもワタシ。お互いに溶け合う心がうつしだす。シンジくんの知らないワタシ。」
「ホントのことは結構、痛みを伴うものよ。それに耐えないとね。」
この声はシンジの知っているはずのミサトの声・・・でも目の前の光景にいるミサトも自分の知っているミサトの・・・はず・・・
「バッカみたい!ただ寂しい大人が慰めあってるだけじゃないの。」
「イージーに自分にも価値があるんだって思えるものねぇ。それって。」
「あぁあ。私も大人になったらミサトみたいなこと・・・するのかなぁ? 」
この声もシンジの知っているはずのアスカの声・・・でも・・・
自分はアスカと裸で重なっている・・・まるで・・・ミサトと加持のように
成熟した女性の裸体・・・その瞳は青く潤み、つややかな赤い髪は汗で幾重にもくっついて見える。
それが自分に覆い被さるようにからだを預けている・・・
「ちゃぁーーもぉーーー。アンタ見てると・・・いらいらすんのよぉ。」
「自分みたいで?」
平然と答える姿が不思議と自分と重ならない・・・でも・・・あれもやはり・・・自分
濡れた髪を優しく絡ませ、自分の胸へと招き寄せる自分の姿・・・
ふと垣間見た幼いころのアスカ
人形を胸に抱き、大粒の涙を瞳から流しながら号泣する姿・・・
「ママー」
その瞳に映し出されているのは今のアスカ
「マ・マ・・・」
ふと洩れるアスカの唇の形・・・
「ママ」
口をついて出る今の自分・・・
アスカ:「ねぇ。キスしようか?」
アスカ:「それとも怖い?」
アスカ:「じゃあ、いくわよ。」
この光景はアスカとのファーストキッスの場面・・・でも、アスカの無邪気な瞳は加持の首筋を見つめている・・・
ミサト:「ダメ。」
ミサト:「子供のするもんじゃないわ。」
ミサトの窘める声・・・
アスカの前に何の躊躇いもなく歩み出すの自分が見える
アスカ:「何も判ってないくせに、私のそばに来ないで。」
シンジ:「判ってるよ。」
アスカ:「判ってないわよ・・・バカ!」
(シンジにケリをいれるアスカ)
「あんた私のこと分かってるつもりなの?」
アスカ:「救ってやれると思ってるの?・・・それこそ傲慢な思い上がりよ!判るはずないわ。」
そう・・・分かるはずがない・・・彼女は遥か彼方の女・・・広くて深い隔たりの空間・・・
でも・・・分かっている・・・分かろうとしている・・・分かっていたはず・・・それを求めていたはず・・・
瞳に宿る意志の光を見つめてそう感じる自分を意識する
「・・・判るはずないよ。アスカ何も言わないもの。何も言わない。何も話さないくせに。判ってくれなんて、無理だよ!」
これは、今の自分・・・いつもの自分・・・でも、そうではない自分もそこにはいる・・・
「碇くんは判ろうとしたの?」
自分の中から聞えてくる綾波の声・・・懐かしい響き・・・いつかディラックの海で聞いた強い意志の声
電車の中に自分がいるのに気づく
綾波が向かいに座っている。
シンジ:「判ろうとした。」
強がりではない・・・男の言葉・・・
アスカ:「バ〜〜カ。知ってんのよ、アンタは私をオカズにしてること。いつもみたくやってみなさいよ。ここで観ててあげるから。」
蔑んだ瞳で自分を見つめるいつもの言葉・・・そして・・・
「あんたが全部私のものにならないなら。私・・・何もいらない。」
潤んだ瞳で自分を見つめる女の言葉・・・
目の前で仁王立ちするアスカに目眩を覚える自分・・・
涙が零れ落ちるのを感じる・・・
シンジ:「だったら僕にやさしくしてよ。」
一言、口から洩れた言葉
ミサト・アスカ・レイ:「やさしくしてるわよ。」
いずこからか、優しい声が自分を包み込む・・・
シンジ:「ウソだ。笑った顔でごまかしてるだけだ。曖昧なままにしておきたいだ けなんだ。」
レイ:「本当のことは皆をキズつけるから。それはとても、とてもツライから。」
シンジ:「曖昧なものは・・・僕を追いつめるだけなのに・・・」
レイ:「その場しのぎね。」
シンジ:「このままじゃ怖いんだ。いつまた僕がいらなくなるのかも知れないんだ 。ザワザワするんだ。落ち着かないんだ。声を聞かせてよ。僕の相手をしてよ。僕 にかまってよォ・・・」
自問自答が導き出した決まりきった結論・・・綾波の声・・・自分の願い・・・
振り向くとミサト、アスカ、レイがじっとこちらを凝視している・・・沈黙の世界・・・
−U−
アスカ:「何も判ってないくせに、私のそばに来ないで。」
アスカ:「判ってないわよ・・・バカ!(シンジにケリをいれるアスカ)あんた私のこと分かってるつもりなの?」
アスカ:「救ってやれると思ってるの?・・・それこそ傲慢な思い上がりよ!判るはずないわ。」
自分を求めているアスカ・・・強弁の背後に潜む繊細な気持ち
自分が蹲るアスカに声を掛ける
ミサトの部屋
落ち込むアスカをシンジが励まそうとしている。
シンジ:「何か役に立ちたいんだ。ずっと一緒にいたいんだ。」
そう、これは決意した自分の思い・・・でも・・・
アスカ:「じゃあ、何もしないで。もうそばに来ないで。あんた私を傷つけるだけだもの。」
拒絶の言葉・・・アスカに映る自分の姿・・・
シンジ:「アスカ助けてよ・・・。ねぇ、アスカじゃなきゃダメなんだ。」
これは・・・今の自分・・・自分に絡み付いた他者への希求
アスカ:「ウソね」
アスカ:「あんた・・・誰でもいいんでしょ。ミサトもファーストも怖いから。お父さんもお母さんも怖いから。私に逃げてるだけじゃないの。」
アスカ:「それが一番楽でキズつかないもの。」
アスカ:「ホントに他人を好きになったことないのよォ。」
シンジを睨みつけるアスカ。
詰め寄るアスカと後ずさりするシンジ。
アスカの瞳は知っている・・・僕の心・・・曖昧な光の意味を・・・
シンジ:「助けてよ。」
シンジ:「ねぇ。僕を助けてよ。」
胸を突かれるシンジ。
コーヒーメーカーをたおし、こぼれたコーヒーの上に倒れる。
湯気が吹き上がる。
物陰から様子を見ているペンペン。
アスカ:「ホントに他人を好きになったことないのよォ。」
アスカ:「自分しかココにいないのよ。その自分も好きだって感じたことないのよ。」
アスカ:「アワレね。」
アスカと自分は同じだと思っていた・・・人に対する接し方・・・人の思いへの答え方
・・・いつも逃げていた自分・・・徹底的な拒絶をしたアスカ・・・過去を引き摺りながら・・・
でも・・・ここのアスカは今の僕を知っている・・・逃げながらも人を求めて止まぬ自分の心を
・・・アスカに何があったのかは知らない・・・でも・・・もう僕とは違うことが分かる・・・
人に目を向けその心を知ろうとする真っ直ぐな瞳・・・彼女はもう後ろを振り返らないのだろうか
シンジ:「たすけてよ・・・。ねぇ・・・。誰か僕を・・・お願いだから僕を助け て・・・。助けてよ・・・。助けてよ・・・。僕を、助けてよォ!」
テーブルをひっくり返すシンジ。それを見て驚くペンペン。
シンジ:「一人にしないで!」
椅子を倒す。
シンジ:「僕を見捨てないで!僕を殺さないで!」
椅子を床に叩き付ける。
シンジ:「・・・はぁ、はぁ」
自分と同じだと思っていた・・・助けてくれると思っていた・・・取り残された自分にあるのは過去の自分の姿だけ・・・幼き日に閉ざされた思い
逆上し、アスカの首に手をかけ、絞め上げる。
アスカの首を絞めるシンジとレイの首を絞める赤木ナオコ。
幼いころのシンジが描いた絵。
赤い顔をしたもの。
小屋の中で血を流しているもの。
赤い身体のものとそれを見ている女。
青い服を着た男の子と赤い服を着てロンギヌスの槍を持っている女の子。
バケツの中に2匹の魚そして月が映っている。
ハラワタのみえている犬。
瓶の中に入れられた魚の頭。
身体を切られて血を吹く何者か。
信号機。
昼寝している猫。
走馬灯のように駆け巡る過去のイメージ。
(断念)
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After EOE 永遠の愛に関する短いラッシュフイルム
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レイ「ユイ・・・さん・・・あなたは、どうするの?
共に有ることも、そのままいることも、あなたの自由。なにせ、あなたもリリスなんですから・・・
そう、リリスの肉体に人の心を宿したリリス・・・そして、人・・・」
ユイ「では、あなたは何?リリスの肉体に人の心を宿していないの?リリスの心だけなの?
人にはリリスの心の記憶が刻まれている。そして、あなたには人の心の記憶が刻まれている。
絆は結ばれているのよ。
あなたはリリスなの?それとも人なの?」
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空蝉の色
血塗られた十字架
地を分かつ墓標
冷たく冴えた月
凍った道
緑の光線
闇夜に潜む影
明瞭な無意識
研ぎ澄まされた世界
海は渇き
砂漠は潤い
腐敗したリンゴが市場を巡る
樹の上の草魚は満月に灼かれ
冷たい夜に太陽が赤く輝く
鏡の中の他人
二重の鏡像
明滅する笑顔
予測された喪失
失われた日々のために
遥かな時代の階段を駆け下り
記憶の扉に冷たい接吻を繰り返す
過ぎゆく時の中で
いくつもの朝を迎えて
夢の降る街
新しい夜明け
死にゆく者の詩
引き裂かれた天使の祈り
めぐり逢う朝
再会の時
風の輝く朝に
選択と運命が待ち受ける
あなたがいたから
愛と哀しみの調べ
溢れ出す寡黙な想い
臨界の静寂
偽りの光
音のない世界
閉ざされた時間
壁の中の歪んだ愛
空がこんなに青いわけがない
破裂した心
風にバラは散った
−−−
ユイ「私はここに残るわ。」
レイ「なぜ?」
ユイ「私の思いはシンジの思い。例え一瞬の触れ合いであっても、シンジの心は分かる。希望の光、それが絶望へ至る道であったとしても、人の心の道標。シンジにもそれがある。自分では未だ気付いていないけど、その光さえあれば大丈夫。生きていれば幸せになれるわ。
私はシンジの光にはなれない。子供はいつの日か巣立つものだから・・・
これからのシンジは自分の力で見出していかねばならないでしょう。それまでどんな暗闇があろうとも・・・私が守ってあげることはもうできない。」
・・・だから、レイ・・・シンジを見守ってあげて・・・
・・・そして、シンジが光の中にあなたを見出したなら・・・
・・・その時こそ、レイ・・・自分の気持ちに従いなさい・・・
・・・その時まであなたの気持ちが変わらなかったらだけど・・・うふふ
ユ・・・・・お母さん・・・
赤銅色のレール
腐蝕した鋏
血にまみれた瞳
さび付いた涙
いつの日かこの愛を
イリュージョンを探して・・・
【Never Ending Story】
綾波レイは自己の闇を照らす光
自分の綾波レイとは何か、どう相手に伝えるのか、理解してもらえるのか・・・
私にとっての綾波レイは自分自身の心と密接に関わっています。それ故、表現が難しい。
言葉で書くと嘘になるかもしれないから。
絵を描くと抽象的になってしまうから。
音だと伝える術を知らないから。
それでも綾波レイを記しておきたい。
形にならない自分の闇に光を当ててくれた綾波レイだからこそ、
その形を意識している間に
自己の中でそれが昇華される前に・・・
絶望は諦観ではありません。希望は幻ではありません。
感じられる限りそれは形あるものです。求めるため前進できるものです。
自分の綾波レイは自分を素直に感じることで感じられる。
初めての体験での驚き、
美しいものに出会った時の感動、
美味しいものは美味しいと感じ、悲しい時には涙する。
社会的関係とか他者の目とか表現する言葉とかの柵に何も束縛されない、
心を開放した瞬間にこそ、綾波レイは自分の中にいるのだ
と感じられると思っています。
I feel you forever ,my Rei Ayanami.
See you again!
Special thanks to Mr.ZETTON &
the other Ayanamists on his hided-BBS