ドドドドッ
ガシャーンッ
ガラガラッ
「えーと、南。」
「なんだ?」
「俺らカジノに来たんだよね?室町くんの」
「あぁ、そうだよ。」
「降りる駅間違えたかな??だってここって」
「あぁ、」
「戦場。」
戦場カジノと情報
「室町クーン!」
銃弾の飛び交う中大きな声で目当ての人物を呼ぶ。
千石と南は室町に、依頼人を仲介してもらおうと
室町が経営するカジノ「Clear bright yellow」に来たが・・・
外からでも聞こえる銃声に警戒しながら店に入るとこの様だった。
キレイに飾られた店内は血とガラスの破片と銃煙で曇っている。
そこら中にキレイに着飾った客が転がっている。
「千石さん?!」
カジノバーのカウンターの所から、千石の声を聞いた室町が顔を出した。
「今、そっちに行く。」
南はそう言って、テーブルを盾にカウンターの方へ向かった。
千石も後に続く。
やっとの思いで飛び交う銃弾を交わし、カウンターへと辿り着いた。
「え〜っと、室町くん。俺この状況がイマイチ良くわかんないんだけど・・・。」
「どうなってるんだ?室町。」
室町は、はぁ、とため息をついて、構えていた銃を下ろした。
「さっきまでは、いつも通りだったんですけど、つい15分前・・・。」
「畜生!!」
パシンッ
そう言って男がカード床に投げ捨てた。
「又のお越しを」
とディーラーが言った、
「っ!テメェ!イカサマしたんじゃねぇだろうな!!」
「滅相もございません。お客様が弱いだけでは?」
プチ
「んだと、コラァ!上等だよ!テメェ!」
「やりますか?私は構いませんが。」
「んで、逆ギレした客が暴れてるってとこかぁー。」
納得した様子の千石。
「でも、そのキレた客だけでこんなになるか?」
そう言って店内を見回した。
「いえ、キレたお客様の銃弾を喰らったお客様がまたキレたんですよ。
うちのお客様はマフィアとかそう言う方が多いですから。」
「連鎖反応でみんなキレちゃったと。」
「血の気が多いですから。」
妙に落ち着いている室町。
「おい、室町。そろそろ止めた方がいいんじゃないか?」
「そうですね。でも、ここまで来てしまうと。」
「車と男は急には止まれない♪」
楽しそうに言う千石。
「あぁ、そうだよなぁ。途中で止めるとキツイもんな。」
「何をですか?南先輩。」
「い、いや、別に。」
「さぁーって、南、止めるか。あれ。」
そう言って、立ち上がると
真中でマシンガンをぶっ放している大男を指差した。
「やってくれるんですか?」
その言葉にくるっと振り向いて
「モチ、有料だよ♪」
「はは、なんか南先輩に似てきましたね。しっかりしてるところが・・・。」
「ん?何か言ったかな?室町くん。」
「いいえ、お願いします。」
「千石、弾あるだろうな。」
「モチ!3発ありゃ重分。」
そう言ってリボルバー式のシルバーの銃ブラストをだした。
「そうだな。じゃあ、俺はあっちの男をやる。」
そう言って2丁の拳銃を出した。
一丁はリボルバー式のサウスでもう一丁は、オートマチックのイーストだ。
2丁とも、黒く光っている。
「おうよ!あ、くれぐれも殺さないでよー。」
「?」
「怒られちゃうから、俺が。」
「お・・おぉ?」
「それじゃあ、ゴォ!」
千石の掛け声と共に二人はいっせいにカウンターから飛び出した。
「ふぅ・・・終了。」
千石は乱れた衣服を治しながら言った。
「南はっと・・・。」
「終わったぞ。」
そう言って死体を避けて千石の方へ寄っていった。
「おい、殺しちゃいけねぇんじゃなかったっけ?」
転がっている人を見ていった。
「生きてるよ。ギリギリだけど。」
「おいおい。」
「あ、そぉだ。」
そう言って室町のいるカウンターへ、てってこ、と走っていった。
「室町くん電話かして。」
「はい。」
「もっしー!俺俺、うん、そうそう。あのさぁ、ちょっと来てよ。うん、ごめんって!わかったからぁ、じゃねぇ。」
ガチャンッ
「誰に電話したんだ?」
「んー?オトモダチ。」
「友達?」
「そう。あ、室町くん。なんかいいお仕事ない?」
店の片付けを始めている室町に言った。
「あ〜、ありますよ。資料そこです。」
「お!さんきゅー。」
そう言って、カウンターに入って資料を探し、手に入れた。
「ほい、南。」
南に資料を渡す。
ぺら、
「えーっと、」
ストン
「あー、南、もう時間ない!それは、列車で見て!」
「は?」
「じゃあね、室町くん!さっきのやつのお金はこれ(依頼の)でプラマイゼロでいいから!」
そう言って南を引っ張り嵐のように去って行った。
「忙しい人だな。」
千石達の出て行ったところを見てそう呟くと、また、店を掃除し始めた。
すると、
「あ、室町くん。」
「あれ?行ったんじゃなかったんですか?」
「ん?忘れ物。これ、今からココに“怖そうなお兄さん達”が来るから渡しといて。」
そう言って、ピッと紙を投げた。
「頼んだよ。」
「あ、はい。」
30分後
けたたましいサイレンと共に怖そうなお兄さん達がやって来た。
「跡部さん・・・。」
「久しぶりだな、室町。」
「はぁ。でもなんで?」
と尋ねると、
「なんでだ?あのヤロゥが人のこと名指しで呼びやがったんだよ。」
怒りをあらわにした跡部が言った。
「あぁ。」
室町はやっと合点がいった。
さっきの電話の相手はこの人だった。
と、言うとこは・・・
「あのこれ千石さんが。」
そう言って、忘れ物とやらを渡した。
「あぁ?」
カサ
そこには
愛する跡部へ
後は任せた!
あなたのキヨ
と走り書きで書いてあった。
「あんのヤロォ」
と、跡部がグシャっと手紙(千石いわくラヴレター)を握りつぶして
不機嫌になったのは言うまでもない。
付け加えると、そのあと、忍足に怒りの矛先が向いたことも言うまでもないだろう。
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アトガキ
はい、また血なまぐさくなんなかったような・・・。
あ、それと、ちょい役だった室町くん、カジノの名前気が付きました?
「Clear bright yellow」=「清い山吹色」
キヨのことをさりげぇーに言ってるんですねぇ〜!
いやん、きよ愛されてるぅvv
2002.7. ユウリ