医者と昔話しと迎え(後編)
「懐かしいな。しかし、あの頃は診察のたびに、お前のその銃を頭に突きつけられていたな。」
「ごめん(苦笑)」
と、困ったように笑った。
「変わったな。」
「そう?」
「南のおかげか。」
「そーかもね。」
ボーン ボーン
「もう、6時か。悪いが千石。俺は往診に出かける。」
「うん、留守番でしょ?おっけぃ、いってらっしゃい。」
「あぁ。頼んだぞ。」
「はいはい。」
そういい残して、手塚は、部屋をでた。
ふと外を見ると、星が出ていた。
あの時と同じくらいキレイな。
「ホント、懐かしいなぁ。それで、あの後、南に頼んでパートナーにしてもらったんだっけ。」
ぽすっ
千石はベッドに寝転んだ。
「あーあ、なんか、南にちょー会いよー。」
千石が起きたのは5時ごろ、あの時手塚は2時間ほどでくる、と言っていた。
今は6時だから。
「あと、1時間かー。」
「南ー。」
「南ー。南ー。」
「みーなみぃー。」
千石は仰向けに寝て、ばたばたと足を動かし歌うように南を呼んだ。
「なんだよ。」
「えっ?!」
その声に反応して、がばっと半身を起こし、ドアの方を向いた。
「南?!」
「だから、なんだよ。」
と、半ば呆れて言った。
「え?だって、早くない??手塚が2時間はかかるって。」
「急いできたんだよっ」
と、少し照れながら言った。
「まったく、お前はっ」
ずかずか、と大股で千石の元へ歩いていく南。
「えーっと・・・。」
(やばい・・南めっちゃ怒ってるよ・・・・・殴られるっっ)
千石はぎゅうぅ、と目を瞑った。
「なんで、いつもいつもこうっ・・・・」
・・・・・・・・・・
(あれ??)
拳が降りて来ない。
ぎゅっっ
「へ??」
南は目を瞑っている千石を抱きしめた。
「あんま、心配させるようなことすんなよ。いくつ心臓があっても、もちゃしねぇよ。」
と、耳元で囁いた。
この声は本当に南が心配している時の声。
千石はそんな南をちゃかしてはいけないことを知っていた。
「ごめん・・・。俺いっつも、南に迷惑掛けてばっかだね。」
「ばか。俺はな。迷惑掛けられる分にはなんとも思っちゃいねぇよ。ただな、お前が1人で行動して怪我するのが一番やなんだよ。」
「南・・・。」
「俺がいれば、守ってやれるけど、いない時は出来ねぇだろ?」
「うん。」
「だから、もう勝手なことするなよ。」
「うん、わかった。」
「よし、いい子だ。」
そう言って、南は千石を抱きしめたまま、くしゃくしゃ、と頭を撫ぜた。
「へへっ、やっぱり、南だーい好き。」
「ばっ////お前っ・・・!」
「あー、南今、赤くなったでしょ?」
「なってないっ!」
「嘘だぁ〜。心臓だってバクバク言ってるもん。」
「だ〜〜〜もう!」
「だーい好きだよーvv」
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アトガキ
はいはいー!やっと、終わりました(えぇ?!)
てか、一段落って感じ。
ユウリが「Pupil to be frozen」書き始めた
きっかけがここにありましたね。
なんとなく、手負いの獣のキヨを書きたかったんですよね。
てか、手塚とのナニを期待してたかたごめんなさいね;
なんか、結局、南とキヨのらぶらぶしーんでした・・・。
甘っっ(ぺっぺ)
さて、それではここで今後の展開について少しお教えしましょう。
この後まだ、出てきてないキャラとちっちゃな騒動があって、
その後、謎のキャラがでてENDとなります。
それでは、この辺で!
2002.8.19 ユウリ