死体と不良ポリス





「あ〜あ、あかんな。これは。」


忍足は死体をまじまじと見ながら言った。


「忍足さん!跡部さんがおいでになりました。」


若いポリスが言った。


「はいはーい。」











「ごくろうさんです。」


「で?被害者は?」


「ダニエル夫妻。旦那さんが33、奥さんが32。子供は上で寝とった。


旦那さんの方が頭飛んでて、奥さんの方が内臓抉ってあるで。」


「犯人の目星は?」


「お宅の顔なじみぃや。」


「千石か。」


「可愛い顔して、えげつないなぁ。」


跡部は、はぁー、とため息をついて顔を覆った。


「まったく、あの野良猫め。」


「ははは(空笑)」


「後は頼む。」


「はいよ。」










ブー ブー


深夜2時


跡部邸のチャイムがなった。


「どうぞ。」


「ハロー♪」


そう言いながら、ひょこっとドアの隙間から顔を出した。


「お前か」


「へへー、あっれー?なんかお疲れ?」


「テメェのせいだ。」


「なんでさぁ?」


「あれほど、言っただろう?俺の管轄内で殺るなって。」


「しかたないじゃん。仕事だもん。」


「ったく、テメェのせいで寝不足だぜ。」


と頭を掻いた。


「じゃあ、俺捕まえれば?」


そう言って、腕を1つにまとめ差し出した。


「ハッ、生憎、俺は労働時間外は仕事しねぇんだよ。」


「時間内でも捕まえられないくせに。」


「言ってろ。」


そう言って立ち上がり、ソファに千石を押し倒した。


「不良ポリス。」


余裕しゃくしゃくの笑みで跡部を見る。


「なんとでも言え。」







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アトガキ

ははん、ホント不良ですねぇ

犯人がいるのに捕まえないなんて。

まぁ、キヨはそれを知ってて来たんだけど。

確信犯的なキヨですね。

2002.7.24     ユウリ