8 エンディングの音楽 その1
1 いよいよすべての物語りが終わりに近づいてきた(ワクワク)興奮の絶頂
→大団円、間髪を入れずに格好良いテーマ音楽のフルオーケストラヴァージョン。
というように、大変重要なエンディング音楽について考えてみよう。
2 全体を「締める」為にとても大事なエンディングの音楽には、どんな種類があるだろう?
1) 雰囲気を盛り上げてきちんと終わるテーマ音楽の豪華アレンジなど
2) 謎を残したまま、ミステリアスに終わる
"?"が残るような音楽(→aug.やdim7)
3) エンディングの情景に反する雰囲気の音楽で終わる
暗いシーンに明るい音楽をつけて、行く末に希望があることを
暗示する・・・など画面 と 音楽 が立体的になる(高等テクニック)
4) ラストシーンを一度受けてからテーマが出てきて、静かに終わる
あたかも6.場面転換の音楽のような
A - B - C の構成をもつ音楽(割と多い)
1)〜4)のいずれも、タイトルロール(キャスト、スタッフなどの表示)や、カーテンコール(役者さんたちの再登場)のBGMにつながることが多い。
3 特に1)のようにテーマを使う場合、テーマ音楽自体が印象的なものでないと効果がないので、ここでテーマ音楽についての一歩進んだ考察をしてみよう。
印象づける為の方法1)覚えやすいメロディを作る。
2)個性の強い楽器(音色)を使う。
3)主人公のためのライトモチーフを使う。
4)例えば
アラビア風のフレーズやオカリナで主人公のテーマを奏する・・・など。
5)以上を画面や物語とのバランスを崩さない程度にうまく実行する。
4 今回の授業では題材が多岐に渡っているので不可能だが、1本の作品を作る場合、エンディングでの音楽の使い方や効果を頭において、本編の音楽を作るようにすると、非常に効果的なエンディングとなる。
5 BGMや転換音楽よりも、ずっと独立性の強い「音楽だけで作品になるようなもの」が合うことが多い。
6 全体を適確に把握していることが大前提となるので、物語を読み取る力が必要です。日頃から小説、映画、芝居など良いものに多く触れるようにしよう。(デートごとに映画を観るなど・・・?)
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寝るな!
7 とうとうエンディングまで(駆け足で)来ましたが、1本の作品を手がける場合は各シーンごとの音楽がバランス良く配分できるように注意しよう。
→テンポ、拍子、楽器、調性などをまとまりが壊れない程度にバラエティに富んだものにする
8 現場では監督又は演出家の意見が最重要です。
(独裁体制と言って良いでしょう。まあ、場合によってはプロデュー サーの方が強いこともありますが・・・)
いろいろなアイデアは必ず監督、演出家との打ち合わせを経てから実行すること。
音楽で面白い意表をついた事をした結果、演出家のイメージが広がり、その場面がグンと良くなることも有る!
失敗すると、その仕事に関わったスタッフ、キャストの努力が台無しになることも有る。こわいけど、うまくできた時の喜びも大きい!
9 いろいろな例を聴いてみよう。
<課題>
配布された台本の説明を注意深く聞き、(必要に応じてメモを取る)良く読み、エンディングの音楽を実際につくってみよう!(作曲の手順は次のページから)
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