[TC目次前頁次頁]

2.1 文体の統一

 「です・ます」調は、読む人がやさしく感じます。「である」調は、固い仰々しい感じを受けます。文書の性質にもよりますが、エンドユーザが目にするマニュアルなどは、「です・ます」調が適当です。
 例)原紙は、大切に保管する。 → 原紙は、大切に保管します。

 また、「である」調を使うと、書き手が無意識に、文語的な表現を使う弊害もあります。普段使わない言い回しは、文章中でも使わないことです。
 例)「〜を押下する」 → 「〜を押します」
   「〜を視認する」 → 「〜を確認します」

 ただし、「です・ます」調の文章でも、以下の部分には「である」調を使います。
 ・箇条書き
 ・図、表中の文
 例)ローマ字入力の特長は、以下のとおりです。
   ・覚えるキーの数が少ない。
   ・英文タイプの経験者は、キー配列を覚える必要がない。

−・−

ξ       ぶれいく
□b コーヒー無礼区

 一体型パソコンをご存知でしょうか。いわゆる、マルチメディア対応という、アレです。テレビ、電話、Fax、CD、はてはカラオケまで付いているものも、めずらしくないとか。そして、値段は一昔前の、ローエンドマシン並み。

 消費者にとっては、なかなか魅力的な商品に見えますね。さて、消費者にとっては嬉しい、この一体型マルチメディアパソコン。実は、マニュアルライターにとっては、地獄の苦しみだそうです。

 「地獄の〜」は、ちょっとオーバーにしても、これまで無かった機能も、説明に盛り込む必要があることは、容易に想像がつきますね。しかし、ライターの悩みはそれだけでは無いそうです。

 一体型パソコンの売りは、扱いが簡単というところです。電源を入れれば、すぐに使える(ホントカ?(^^;)。従って、これまでとは違った購買層がターゲットです。パソコンオタクではありません。高倉健さんでも(失礼!)、ご家庭の主婦でも、普通のオジサンでもわかるマニュアルが、要求されるのです。

 書くことはいっぱい、専門用語は使っちゃダメ、と言う二重苦。・・・「地獄の苦しみ」もあながちオーバーでは無いかもしれませんね。

[TC目次前頁次頁]