ブックレット/「MEGAPHONE SPEAKS LIKE THIS」

by. 明(めい)こと 田原 美郷
1998年9月27日

ファンには、このブックレットは宝物ですね。ブックレット無しで伝わるものと、ブックレットを読んで伝わるものは、明らかな差があります(本当は、望ましいことではないのかもしれませんが)。このブックレットには、それだけのパワーというか、思いが込められているという感じがします。
ともえちゃんは、自分の持つ人への影響力を、過小評価していると思いますねぇ(笑)。このブックレットを読んじゃったら、アルバムを冷静に聴くのは、すごく難しいでしょう(^^;。

私自身、あえてブックレットを読まずに、まず一度聴いてみました。今度のアルバムは、新生ともえちゃんのスタートだと思っていたので、その音に先入観を持ちたくなかったからです。それからあらためて、ブックレットを読みました。

一言一言が、まさに思い描いていた、彼女の今の姿を写していたので、特に違和感はありませんでした。普段雑誌等で、彼女の考えに触れていたせいなのかもしれません。ここに至るまでの、彼女の迷いや、心の動きを、一歩一歩認識しながら、たどっていく感覚を覚えました。

彼女もまだ19歳の女の子なんですよね。メディアで作られた、自分の虚像の大きさに、アインティティを否定される様な恐怖を覚えても、不思議じゃありません。でも、心配することはないと思います。ファンは「シノラー」のキャラクターだけが、彼女の本質ではないことを知っています。

また、なによりもこのアルバム自身が、ともえちゃんにミュージシャン<篠原ともえ>としての自己を確立してくれると思います。何も迷うことはないし、シノラーも<篠原ともえ>も、みんな彼女自身であり、かつスタッフやプロデューサーや、多くの人たちの投影され「拡大」された姿であることに、気がついてくれると思います。

1点だけ、へぇ?と意外に思ったのが「音楽は楽器やメカがないとさっぱりできないと思い込んでいた〜」と言うくだりです。そんなこと、とっくに飛び越えていると思っていました(笑)。

ただ、あの文章(=日本語そのもの)には、驚きました。オソロシクしっかりした文章です。プロのライターの方の推敲を受けているのだと思います。文章を大切にするほど、人によるチェックを重視するのが本当ですから。読んでもらって、意味が伝わってこそ、その文に意味があるわけです。

初回の7万、と言う数字にも、<篠原ともえ>を愛するファンすべてに、行き渡って欲しいという気持ちが現れている様な気がします。あれだけの装丁で、7万冊というのは、異常に多いのでは? ほとんど採算を度外視しているのじゃないかと、心配になるほどです(^^;。
おそらくは、全部につけたかったのだと思います。でも、現実には無理。そのギリギリの所まで頑張った結果が7万という数字ではないかと思います。

[メルヘン・プロフィールMEGAPHONE SPEAKSクルクルCD情報]


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