#5 3ケタを牛耳る数

(2006/5/10)

放送で紹介された内容

1089は特別な数。
  • 3桁の数を適当に選ぶ。例えば、125
  • 数字を逆から並べる。521
  • 大きい方から小さい方を引く。521-125=396
  • 逆順にして足す。396+693=1089
    別の数でやっても最後はやはり 1089 となる
  • もちろん、1の位と100の位の数が等しい場合は、逆順にして引き算をすると0になるので、
    この性質は成り立たない。しかし、それ以外の数については、必ず成り立っている。

数学的なバックグラウンド

まず、何故このようになるかを考えてみます。

3ケタの数は 100a+10b+c と表すことができます。各桁の数を逆順にすると、100c+10b+a
引き算をすると、

(100a+10b+c)-(100c+10b+a)=100(a-c)+(c-a)

ここで a-c の取りうる値は 1〜9 の9通りなので(0だと、逆順にして足しても0にしかならないので不適)

(c-a)= -(a-c)

a-c に 1〜9 の値を代入して計算してみると、

1の場合:100*1+(-1)=99
2の場合:100*2+(-2)=198
3の場合:100*3+(-3)=297
4の場合:100*4+(-4)=396
5の場合:100*5+(-5)=495
6の場合:100*6+(-6)=594
7の場合:100*7+(-7)=693
8の場合:100*8+(-8)=792
9の場合:100*9+(-9)=891

全て、10の位が9、1の位と100の位の和が9となっています(1の場合は、100の位が0なので、逆順を990とみなす)。
従って、逆順の数と足すと全て同じ結果となり、例として2の場合で計算してみると、

198+891=1089

となり、答えは1089となります。


実は、他の桁数の場合も、同じ手順の計算をすると、答は必ず一定の値となります。
(証明は、同じ要領でOK。ただし、場合分けが増える)

以下、10桁まで、結果のみを書くと、

2桁:99
3桁:1089 (2桁 * 10 + 99) = 10^0 * 11 * 99
4桁:10890 (3桁 * 10)
5桁:109890 (4桁 * 10 + 990) = 10^1 * 111 * 99
6桁:1098900 (5桁 * 10)
7桁:10998900 (6桁 * 10 + 9900) = 10^2 * 1111 * 99
8桁:109989000 (7桁 * 10)
9桁:1099989000 (8桁 * 10 + 99000) = 10^3 * 11111 * 99
10桁:10999890000 (9桁 * 10)
...

となります。


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三島 久典