読書記録

2000(平成12)年7月〜12月



<凡例>
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読了日著者初版
評価 コメント

<ジャンル分け>
理工系 人文系 文学 社会・実用書 未分類

No. 78
2000/12/24
解明・拓銀を潰した「戦犯」 講談社文庫
北海道新聞取材班 2000/12/15

某小説で散々指摘されている、

  • 政治の腐敗とは、政治家が賄賂をもらったりすることではない。それは政治家個人の腐敗に過ぎない。
    本当の腐敗とは、そのような不正を批判することができない体制を云うのだ。

  • 指導者個人の資質に依存する専制政治という形態は、指導者をチェックする機能が無いという点で、
    根本的に問題がある。
    それよりも、政治家をチェックすることのできる民主主義という政治形態の方が、遥かに勝る。
という話をまさに地で行くような話。
それにしても、
  • 情に流されず、シビアに判断して、合併を断った、道銀、藤田頭取
  • 寝耳に水の合併要求(というよりも命令)を、あえて受け入れる、北洋銀行、武井頭取
等、ぎりぎりの局面で、後戻りのできない判断を下す男達の姿は、無条件にかっこいい。

 
No. 77
2000/12/21
上と外 3 神々と死者の迷宮(上) 幻冬舎文庫
恩田 陸 2000/12/25

脱出と、しのび寄る影

 
No. 76
2000/12/17
2000年のゲーム・キッズ 幻冬舎文庫
渡辺 浩弐 2000/10/25

これまでショートショートという自覚がなく読んでいたが、指摘されてみると、 『地下牢』『大切な時間』等の結末の切れ味は、ショートショートと呼ぶにふさわしい。

 
No. 75
2000/12/17
転・送・密・室 講談社ノベルス
西澤 保彦 2000/12/05

このところメフィストをずっと買っているので、どれも一度は読んだ記憶があるが、 都合のいいことに結末だけは、ほぼ忘れていた。
前作の『夢幻巡礼』もよかったが、やはりこのぐらいの長さの作品を連発してくれたほうが読者としてはよい。

新書版化した時の最後の書き下ろしで、話が進行するようになっているらしい。
『念力密室』の最後『念力密室F』を読み直してみて、少しわかりかけてきた。

 
No. 74
2000/12/14
細菌人間 出版芸術社
筒井 康隆 2000/09/20

読んでいると、どんどん懐かしくなってくる。
『時をかける少女』、『新世界遊撃隊』、『人類のあけぼの号』等、 あのジュブナイルシリーズを文庫で復刻してくれないものだろうか。

 
No. 73
2000/12/12
Secure Electronic Commerce :
Building the Infrastructure for Digital Signatures and Encryption
ディジタル署名と暗号技術 安全な電子商取引のためのセキュリティシステムと法律基盤
プレンティスホール出版
Warwick Ford / Michael S. Baum
ウォーウィック・フォード、マイケル・バウム
1997/12/24

仕事用。ずいぶん前に買ったがずっと積読のままになっていた。 今では、出版社名が「ピアソン」になっているらしい。
よく読んでいくと、多少センテンスが長くて、訳が微妙に変(というか直訳し過ぎ)という面もあるが、字組み等工夫されていて読みやすい。入門用としておすすめ(まだ、このジャンルはあまり本が出ていないので)。

 
No. 72
2000/12/10
十月のカーニヴァル 異形コレクション綺賓館 I 光文社
井上 雅彦 監修 2000/10/25

新旧の名作ばかりを集めるという企画自体が魅力的だし、装丁もきれい。
篠田真由美はもう少しいろいろ読んでみたい。<\p>/

 
No. 71
2000/12/03
「場」とはなんだろう 講談社ブルーバックス
竹内 薫 2000/11/20

この手の本がやはりこの人の持ち味であり、森博嗣や瀬名秀明が真似したくても真似できないジャンルである。この方面の著作をもっと出して欲しい。

 
No. 70
2000/11/30
特許がわかる12章[第5版] ダイヤモンド社
竹田 和彦 2000/10/13

仕事用。この手の文系の本としては、理路整然と書かれており、字の組型もものすごく読みやすい。 [第5版]というだけのことはある。ハードカバーの『特許の知識[第6版]』も勢いで買ってしまい、一気に6,000円強の出費。

 
No. 69
2000/11/25
虚数の眼 徳間書店
湯川 薫 1999

量子コンピュータが作られ、しかもそれがそのぐらい小型なら、なんでもあり、というSF。
自分自身は、量子コンピュータは21世紀中にはできないと思っているが、できたという前提で、 どのような応用分野があるかという問題は考える価値があるかも知れない。

 
No. 68
2000/11/13
Puzzle 祥伝社文庫
恩田 陸 2000/11/10

鈴木あみが出ていたNHKのドラマといい、このところ軍艦島づいている。

 
No. 67
2000/11/13
如何にしてソフト会社は崩壊したか! 工学社
久保 覚 2000/06/23

どういうきっかけで見つけたかは忘れた。
読み始めて少しづつ引き込まれ、かなりの分量を2時間あまりで通読した。
その後、書店に行き、在庫を探してもらってまで、入手した。

岡田斗司夫のページ以来、Web上で読むべき価値のあるページを、3年ぶりに見つけた。

ほぼノンフィクションなのだろう。
会社乗っ取りというメインのストーリーの他に、著者自身による、 システム開発に対する強い思い入れがよく現われていて、 これを読んでいると、システム開発がいかに魅力溢れるものであるかがよくわかる。

 
No. 66
2000/11/13
Pilgrimage
果しなき旅路
ハヤカワ文庫
Zenna Henderson
ゼナ・ヘンダースン
1978/07/15

恩田陸の思い入れが強いのもよくわかる。超人願望を満たしてくれる。

 
No. 65
2000/10/25
上と外 2 緑の底 幻冬舎文庫
恩田 陸 2000/10/25

ヘリコプターが墜落してから、兄妹2人の密林脱出の物語。まだ先は長い。

 
No. 64
2000/10/13
The Necronomicon
魔道書ネクロノミコン
学研M文庫
George Hay
コリン・ウィルソン序文、ジョージ・ヘイ編
2000/09/13

100ページにもわたる、コリン・ウィルソンによる『序文』の他、架空の書「ネクロノミコン」探索の論文集。 ただ、この本の中でも再三触れられているように、ラブクラフト自身の著作の文学的完成度の低さ故、 自分自身あまりのめり込む気持ちになれない。

 
No. 63
2000/10/07
銀河英雄伝説 外伝4 徳間ノベルス
田中 芳樹 1989

「黎明篇」を再読して、衝動的に欲しくなった。

 
No. 62
2000/10/06
麦の海に沈む果実 講談社
恩田 陸 2000/07/25

雑誌連載時は結末の回だけ読んでしまったので、今回ネタがわかって興味がそがれるかと思ったが、
全然そんなことはなかった。ちゃんと忘れている。
ストーリーは、『三月…』の4章を拡大して眺めたような感じ。

 
No. 61
2000/10/02
The Philosopher's Stone
賢者の石
創元推理文庫
Colin Wilson
コリン・ウィルソン
1971/06/18

ヴォイニッチ写本の話が出てくる。
ロンドン市内の固有名詞が懐かしい。

 
No. 60
2000/09/30
銀河英雄伝説 Vol.2 黎明篇・下 徳間デュアル文庫
田中 芳樹 2000/08/31
コメント
 
No. 59
2000/09/29
銀河英雄伝説 Vol.1 黎明篇・上 徳間デュアル文庫
田中 芳樹 2000/08/31

「未発表新作か?」と思ったら、なんのことはない、第1巻を上下に分けて出しているだけだった。
「デュアル」って、そういう意味か!

でも、まあ、たまに読むと面白い。
特に、最初の方は気楽に読めてよい。

 
No. 58
2000/09/27
光の帝国 ― 常野物語 集英社文庫
恩田 陸 2000/09/25

超人願望を満たしてくれる本。
勢いでゼナ・ヘンダースンの本も買ってしまった。

 
No. 57
2000/09/26
2000本格ミステリ・ベスト10 東京創元社
探偵小説研究会 2000/03/17

新保博久が何を書いたかは知らないが、商業誌の紙面で私怨をはらすのは見苦しい。
内輪受けも同じ。公私を弁えて欲しい。
昔話をさせてもらうなら、1980年代前半、日本のSFが、ファンが大勢出てきて、
一番盛り上がっていた時期、ちょうどこういう感じだった。

 
No. 56
2000/09/23
魔剣天翔 講談社ノベルス
森 博嗣 2000/09/05

とりあえず水準の作品といった感じ。

 
No. 55
2000/09/22
上と外 1 素晴らしき休日 幻冬舎文庫
恩田 陸 2000/08/25

恩田 陸は、今、何作ぐらい掛け持ちでやっているんだろうか。
このところ、旧作の単行本化と、新作連載と、相当書きまくっている。

これを読んで、現在形を多用している、ということに気が付いた。

 
No. 54
2000/09/22
幻想文学 58 女性ファンタジスト2000 アトリエOCTA
  2000/06/30

「作家作品案内」
あいうえお順に並べると、井辻朱美に始まり、山尾悠子に終わるという、
ちょうど双璧に挟まれる形になるのが面白い。
正確に云うと最後は寮美千代だが、収録されている「『夢見る水の王国』のための覚え書き」
もなかなかよかった。

 
No. 53
2000/09/19
旅のエクリチュール 白水社
石川 美子 2000/06/10

シャトーブリアン、スタンダールを中心とした、旅日記を巡る文学の話。
こなれていて、読み物としてひじょうに読みやすかった。

 
No. 52
2000/09/15
メフィスト 小説現代9月増刊号 2000 講談社
  2000/09/17

初めて買った頃は、全作品に対等の興味を持って読んだが、最近では読みたいものと、 どうでもいいものがはっきりしてきて、一時期のジャンプとかモーニングと同じような感覚で読むようになってきた。

今、これだけ、インターネットとリンクして盛り上がっているのだから、ミステリーに関するWebページ、 前回から今回にかけて、このようなWebページが出てきた、という企画があってもよいのではないか。
ページが足りないというのなら、赤川次郎と鈴木光司を削ってしまえばよい。

 
No. 51
2000/09/08
メルカトルと美袋のための殺人 講談社文庫
麻耶 雄嵩 2000/08/15

なかなか密度の濃い短編集で、短いにもかかわらず、骨組みだけ、という感じがしない。
「ボスフォラス以東二つ目といわれるケルト・ルネッサンス式の荘厳な屋敷」は、笑える。
      カーテン  フォール
  あぁ、 閉   幕 ――

 
No. 50
2000/09/07
花迷宮 日文文庫
結城 信孝 編 2000/07/25

収録作品は、

花ざかりの家小池 真理子
タッチアウト若竹 七海
二人旅新津 きよみ
舞い込んだ天使黒崎 緑
あの子はだあれ今邑 彩
還り雛森 真沙子
二人の思い出乃南 アサ
炎椿海月 ルイ
曜変天目の夜恩田 陸
家鳴り篠田 節子
『還り雛』は、皆川博子に似たような話があった。

 
No. 49
2000/09/02
Fifty Key Contemporary Thinkers
現代思想の50人
青土社
John Lechte
ジョン・レヒテ
1999/08/10

このジャンルについて、1人の人間が、これだけ多数の思想についておさえられるものなのだろうか。
著者の力量は、驚嘆に値する。

誰が収録されるべき、という議論は絶対に回避できないので、特に指摘するつもりはないが、1人だけ。
「笑わない哲学者」というホームページがあってもいいのではないかと思い、検索をかけたがみつからなかった。
そこで思い付いたこと。そういえば、ベルグソンがない。

 
No. 48
2000/08/26
The Lost Worlds of 2001
失われた宇宙の旅2001
ハヤカワ文庫
Arthur C. Clark
アーサー・C・クラーク
2000/04/20

これは、2001のメイキングではなく、小説である。
それも、まさに埋もれさせておくのがもったいないような作品で、それが文字通り埋もれていたのだから恐ろしい。
とにかく、読めたことに感謝したい。
例えば、映画では、月面に出てきたモノリスについて、それはそういうストーリーなのだ、としか思わなかったが、
実は、あれは絶対月面にある必要があった、ということがわかるし、
スターゲートを抜けた後の体験も、さすがに『コンタクト』や『虚無回廊』の先駆者という感じがする。

ちょっと気の利いたジョーク。

今の技術レベルでは、2002年に RSA 1024 ビットが分解できるはずがない。
2001年に、木星への有人飛行が実現しないように。

 
No. 47
2000/08/20
史上最強のオタク座談会 (3) 絶版 音楽専科社
岡田 斗司夫、田中 公平、山本 弘 2000/08/04

シリーズ第3弾

 
No. 46
2000/08/19
The 13th Floor : A Ghost Story
十三階の海賊たち
偕成社
Sid Fleischman
シド・フライシュマン
1997/09/01

ビルの、あるはずのない13階が、昔の海賊船の一室につながっていて、 という発端が面白そうだったので、子供に読んでやろうと思って買ったが、それ程でもなかった。

 
No. 45
2000/08/07
女王の百年密室 幻冬舎
森 博嗣 2000/07/10

舞台設定はSFだが、内容はミステリ寄りのファンタジー。
建築科らしく、かなり精緻な平面図が出てくるが、推理にはまったく寄与しない、 というのが彼らしいところ。

これを読むと、森 博嗣のいくつかの作品に見られる、カタルシスを拒絶したストーリー展開が、
何に由来するのか、ということがよくわかる。

つまり、彼は、まず基本姿勢として、通常のミステリで云われるところの謎、ミステリを支える骨格の部分は、
結末の部分では現実の枠組みの中で解決するので、それは謎でもなんでもない、ということを云いたい。
それは、試験の問題が、既に答えが得られている解決済みの問題であるのと同じように。

これが犀川助教授他、探偵役の登場人物の基本姿勢であり、出来事に接したときは、
感じた違和感を解消しようとするが、逆に云うとそれさえ解消できれば満足なので、
それ以上追及したり、誰かに話したりはしない。
この辺が、従来の探偵役に比べて、淡白に見える理由である。

研究者にとっての問題とは、本当に未解決で、かつアプローチ方法もわからない。
場合によっては何が問題か自体もわからない。そういうものをこそが本当の謎であり、
自分の小説の中ではそのようなものを題材としたい。

「何が問題か自体もわからない」ようなものは、輪郭自体がはっきりしていないので、
読む側の立場としては、何が云いたいのかよくわからない。
わからなければわからない程、考察する題材としては優れているが、
それを面白いと感じるかどうかは、個々の感性の問題である。
それはそれでよいが、そのことの合意が作者と読者の間でとれているかどうかは、
作品によって(特に短編の場合)かなりばらつきがある。

このような姿勢で書かれたものを、何と呼ぶべきかはすぐには思いつかない。
似ているのは、カフカとかカミュだが、それらとはまったく異なる。

 
No. 44
2000/07/30
英語で日本語を考える フリースタイル
片岡 義男 2000/06/30

文例として挙げられている文章は、やはり日常で使うものではなく、セリフと云った方が適当だろう。
日本語と異なる発想で構成されている英文が並んでいる、という点で、両者の相違がよくわかるが、
これを読んでいきなり英語の力がつく訳ではなく、自分の場合、英語は日本語に比べて主語が長くなる、
ということを再認識したに過ぎなかった。

片岡 義男は、昔、仙台でサイン会をやっているのを見たことがある。
一応、皮ジャンは着ていたが、作品から想像されるような、バイクで放浪するような感じではなく、
polite な中年という印象だったのが意外だった。

 
No. 43
2000/07/28
Dreams
夢のアンソロジー
誠信書房
Stephen Brook
スティーヴン・ブルック
2000/04/20

夢の分析ではなく、文字通り、wonderous stories としての夢の集成。
国籍・時代・文化の相違のために、自分ではこのような夢を見ることはないだろう、というものもあるが、
普遍的にその驚異を共感できそうなものもある。一様に楽しめる。

 
No. 42
2000/07/26
A or B ? ネイティブ英語 講談社パワー・イングリッシュ
ジェームス・M・バーダマン 2000/06/01

こういうのを読むと、自分のネイティブ感覚は、75%ぐらいといったところか。

 
No. 41
2000/07/25
斜め屋敷の犯罪 講談社文庫
島田 荘司 1992/07/15

冒頭、屋敷の平面図というか立体図が提示されており、かつタイトルから、
斜めであることに意味があることは当然のルールだが、それでも、全然、思いつかなかった。
まだらの紐へのオマージュという感じがしないでもない。

 
No. 40
2000/07/21
凶笑面 蓮丈那智フィールドファイル I 新潮社
北森 鴻 2000/05/20

冒頭「この作品を諸星大二郎先生の「妖怪ハンター」に捧ぐ」と書かれており、作者の意気込みが伺える。
内容的には、北森 鴻らしい綿密な調査と細かい描写で、「妖怪ハンター」よりも迫力がある。
ただミステリーという枠組みなので、提示される謎が、現実の中で説明がついてしまう、
というのが残念と云えば残念。
『狐罠』の登場人物は、もっと後で出す方がよかったのではないか。
シリーズ化が楽しみな作品である。
ドラマ化しても、楽しめると思う。

 
No. 39
2000/07/14
六番目の小夜子 新潮社
恩田 陸 1998/08/20

テレビ放映が始まる前に買ったが、予備知識がない状態で本放送を見たかったので、 終わるまでとっておいた。
テレビ版と比較するなら、本の方は謎が強調されているが、テレビ版の方は感動が強調されている。

 
No. 38
2000/07/11
記号を喰う魔女 講談社ノベルス
浦賀 和宏 2000/05/05

これまでの他の作品群と、登場人物・舞台設定は同じ。
たぶんこのままずっと、重層的に円環的に進めていくつもりなのだろう。
心の中で思考が循環しているところの描写は独特のスタイルがあり、相変わらずうまい。
カニバリズムに関する考察もちゃんと自分のものにしており、借り物の感じがしなくてよい。

しばらく、ケンタッキーはいいかな。
ナゲットならともかく、特に骨付きのやつは。

 
No. 37
2000/07/08
人類知抄 百家言 朝日選書 639
中村 雄二郎 1999/12/25

いい本なのだが、ひとつひとつに対するコメントがたった3ページというのが残念。

 
No. 36
2000/07/05
パンドラ'S ボックス カッパ・ノベルス
北森 鴻 2000/06/25

短編とエッセイ集。
これを読んでよくわかったのは、彼が作家としてデビューする前に、かなり長い期間、
文章修行をやっていたということ。その蓄積があるから、ストーリーも生み出せるし、
ひとつひとつの描写も的確になる。

 
No. 35
2000/07/03
虚無回廊 III 角川春樹事務所
小松 左京 2000/07/08

実は新作ではなく、SFアドベンチャーの掲載分で、単行本化されていなかったものの、初単行本化。
そんなものがあるとは知らなかったので、自分にとっては十分、新作に値する。
ストーリーは、SS内に来ているいろいろな種族が集まって会合を開く、というだけの話。
しかし、内容は、前作、前々作と同じく、SF的素材の奔流で、小説というよりも、
ほとんど、アイディアの要約を聞かされているに近い。
今回、会議の座長を務める森林型生命体のインターフェースは、リイムの進化形という感じがする。

今回は、旧作の単行本化だったが、これをきっかけに執筆を再開したらしい。
これの完成版を読んだ後は、読むべきSFが無くなってしまうが、それでも完成させて欲しい。

 
No. 34
2000/07/02
「英語モード」で英会話 講談社パワー・イングリッシュ
脇山 怜、佐野キム・マリー 2000/02/01

最近よく書店でみかける「これを英語で言えますか?」のシリーズのうちの1冊。
巻末の専門書並みの参考文献が、それだけ裏付けをとって書いているということで、好感が持てる。



読書記録 2000
(平成12年)1月〜6月
『枕草子*砂の本』 読書記録 2001
(平成13年)1月〜6月

E-mail : kc2h-msm@asahi-net.or.jp
三島 久典