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1980.10.3〜'81.9.25 日本テレビ系で放映 (全51話)
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◆金田正太郎(声:山田栄子)
鉄人28号の考案者・亡き金田博士のひとり息子で、鉄人の操縦者となった謎多き小学生(笑)。母も幼い頃に亡くし、敷島家の離れに居候中。インターポールの出動要請があれば授業もエスケープ!(笑)
■この正太郎くんは、探偵業は営んでおりません(笑)。■(描写が少ないですが、たぶん…)ちゃんと普通に小学校に通う若干10歳の少年(←第5話で誕生日を迎えて11歳に)。物語の時代では小学5年から6年生。ネクタイもしないし背広も着ません(一度くらい着てほしかった〜!/笑)。 ■ひとを疑わない素直な性格で、真面目で優しく健気で、ワガママなんか云ったためしがない。一所懸命なあまり無茶なくらい、ひたすら前向きに頑張る、いい子です♥ 不思議大好き少年で、古代インカ語も喋れます(笑)。■鉄人には心はありませんが、「な、鉄人」とか声をかけちゃったり、お父さんの形見として、そして相棒として、愛し慈しんでいます。正太郎くんが泣くのは、いつだって鉄人のためでした。■「ぼくは、ひきょうな人間にだけはなりたくない」などという台詞も正太郎くんが云うとぜんぜん嫌みじゃないという、まっすぐさ。両親ともいませんが、きっと敷島夫婦にあたたかく愛し育てられたのでしょう。彼の明るい笑顔をみれば、それがわかります。■鉄人の操縦者となったがゆえに、人の死や汚い部分をたくさん見ていくことになるのですが、正太郎くんは変わらず、悪者さえ助けようと努力し続けます。ぜったいしあわせになってほしい、そんな少年です。
敷島博士◆敷島大次郎(声:金内吉男)
金田博士と一緒に鉄人を開発し、鉄人を完成させたロボット工学の第一人者。ICPOの顧問的存在。 鉄人の太陽エネルギー転換装置、レインボーウェーブの発明者。
■3話でミラー氏に“ヒューマニズムにあふれる人間”と評された、まさに正太郎くんの父親的存在です。“博士”と名がつけばまず大次郎さんの知人という顔の広いお方で、なんでも知ってる&発明してくれる、正太郎くんの頼もしい味方。■正太郎くんに鉄人を渡すときには有無を云わせない迫力がありました(笑)。■正太郎くんは博士の身を案じたり助けたりと慕っているのに、博士はびしびし育ててるという印象ですが、一緒にいると正太郎くんは子どもらしい表情をみせてくれます♥ まあ正太郎くん11歳の誕生日プレゼントに一人乗りのホバークラフトをあげちゃったりと、けっこう甘々な面も多々あります♥ ■パイプ愛用(…)。スポーツ好き。きっとプロレスファン(笑)。■ロボットに関することはもちろん、謎めいた現象はすべてこのお方に相談されると云っても過言ではない、インターポールのお庭番(?)的存在。
大塚警部◆大塚茂(声:富田耕生)
インターポール(ICPO)の日本支部長。柔道の達人。
■正太郎くんとは友達みたいな仲のよさ(=気を使わないので、どうしようもないようなことを怒ったりもしますが)。出動要請のときにはほとんどといっていいくらい、正太郎くんに同行してくれます(があまり役にたたないことが多い…/笑)。ざっと前半は頼りないズッコケ役が多かったのですが、宇宙魔王が現れるあたりから俄然カッコイイおじさまの魅力が前面にでてきます♥ ■なにか起これば敷島博士か正太郎くんを頼っていくため、敷島家には頻繁に出没。海外バカンスにも一緒に行ってましたし、博士とは互いに敬語を使ってますが、かなり旧知の仲ではないかと推察されます。だから鉄人関係なしに正太郎くんを幼いころから知ってて、それで父親のような存在でもあるのです♥(←断定! 本編でそんな過去描写はひとつもありません。念のため…/笑) ■正太郎くんが行方不明になったときには滝のような涙を流して心配してくれました。■食べ物にはうるさいようです(笑)。
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マッキー◆敷島牧子(声:滝沢久美子)
正太郎の幼馴染み・同学年の敷島家のひとり娘(LD解説によると“正太郎のガールフレンド”!)。“Vコン”の命名者。
■正太郎くんと警部はマッキーと呼びます。太鉄のオリキャラというか原作の博士の息子・鉄雄くんを女の子にして人気を博しました。大のテニス好きで、スマッシュボールは正太郎くんをぶっとばす怪力の持ち主(笑)。シャワー中、窓に映る影をみて 「まあ正太郎くんね」 という問題発言も!(←でも違った) ■鉄人を操縦したいと云ったり、おてんばな明るい少女で、ときには正太郎くんを叱咤激励してくれるヒロインです♥ おばさん◆敷島歌子(声:谷育子)
敷島博士のおつれあい。
■たいていのことには動じない肝のすわった、でももの静かなお母さん。正太郎くんはこのひとを“おばさん”と呼ぶので、遠い親戚かなんかだったりして…? 正太郎くんに 「お砂糖はいくつ?」 と訊いたのが忘れられません(38話/何年一緒に住んでるの〜?)。
◆ブランチ(声:小林修) 第1話から宇宙魔王出現まで何度も正太郎と対決するロボットマフィアの首領。金田博士を殺した敵。
■鉄人のすごさをよく理解していて、執拗に正太郎くんをつけ狙ってくれました。あの手この手で鉄人の操縦機を奪いながら、いつも敗退。最後にはグローバルな視点で正太郎くんを助けてくれました。 ◆紅トカゲ団(33話) 敷島博士を誘拐し第2のVコンを作り鉄人を奪った一団。
■誘拐した敷島博士をあっさり帰してくれるし、世論が動いて処刑が決まった鉄人も返してくれるしと、あまり憎めない悪役でした。でも正太郎くんを大泣きさせたのは許せません! 眠らせた大次郎さんからレインボーウェーブの設計を盗み出した素晴らしい技術を他のビジネスに活かせば大もうけできたような…。それにしても犯人がこんなカッコの人達だと知ったら、正太郎くんはまた涙したかもしれません(笑)。LD解説では“サソリ団”と誤植されてました。存在感が薄かったんでしょうか!?◆ジーナ早川(声:比島愛子/12、13、30話) 世界ランク3位のプロテニスプレイヤー。またの名は死の商人エル・サタン。
■大塚警部の紹介でマッキーのコーチとして敷島邸に入り込み、敷島博士がつい研究室を見せ、まんまと設計図を盗み偽Vコンを作った知能犯。正太郎くんが香水の匂いで正体を見破らなければ世界はどうなっていたことか…。ジーナの正体を知ってマッキーがショックを受けないようにと、正太郎くんが優しく気遣っていました。 ◆不乱拳博士(声:大木民夫/34話) 感情のあるロボット・ブラックオックスの開発者。
■太鉄の不乱拳博士は、我が手で生みだした自分で考えることができるロボット・オックスを愛するあまり犯罪に荷担してしまった、心弱き研究者でした。感情を持たない鉄人のかわりに傷ついた正太郎くんの話のあとに、感情を持ったがゆえに悲しみを知ってしまったオックスの話が来るという、じつに憎い構成。子どものような純真な心を持ったオックスは、敷島博士が受け継ぎ、鉄人とともに活動していくうちに、いつしか友情が芽生え、その結果、懸命に鉄人を助けようと……、最後は涙々でした。 ◆グーラ王子(声:戸田恵子) 地球を支配するべく宇宙魔王に送り込まれた魔王の息子。
■発掘されたタイムカプセルで記憶を失ったまま地球で目覚め、まず出会ったのが正太郎くん。「ともだちになろう」と握手を求めた、ひとを疑わない正くんでした♥ 敷島家に預けられ、一目惚れしたマッキーにおもしろくなさそうな正太郎くんも可愛かったです♥♥ 大人しい性格に見えましたが、記憶がもどり正太郎くんと対決することになってしまう、親の決めた進路に逆らえなかった悲劇の王子様です。
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各国のICPO(国際刑事警察機構/通称「インターポール」)の方々 ◆香恵蘭(声:小山茉美/28話) 香港ICPOの美人警官。
ルパン三世の銭形さんも(だいたい)ICPO所属です。実在のICPOには逮捕権がないそうですが、太鉄のICPOは戦車あり戦闘機あり潜水艇ありという不思議な大組織です。
■コウ・ケイランさん。カンフーの達人。香港マフィアの首領を過去に一度だけ捉えたという大塚警部を正太郎くんと一緒に香港に呼んでくれたお方。この回の大塚警部は、怪我はしましたがやたらカッコ良かったです♥ ◆オーギャン(声:青野武/32話) ノルウェーICPOの渋い所。
■定年1週間前に辞表をだした男気も、吸い殻を道に捨ててたのがちょっと気になりました(笑)。 ◆ジーグ(声:納谷悟朗/45話) ICPO日本支部の部隊長。
■大塚警部の地位を奪おうと企んだお方。ちょっと日本人にはみえません(笑)。この回のロボット“ライダーン”も見物でした(←神谷明さんが叫んだ♥)。
ゲスト美少女&美女 ◆リーザ&めずらしい天然怪獣オクトパス (声:土井美加/6話) 人間が海を汚したから大ダコが現れたと訴えたエーゲ海のクレタ島の少女。
太鉄ゲストキャラの女性陣は美人が多かったです。そういえば男性は、青年層以上にはイケメンのお方もいらっしゃいましたが、美少年は……、強いて云えばグーラくらいですか?(←“強いて”ってなんだ!/笑)
正太郎くんひとりいれば十分。そういうことだったのでしょう。うんうんうん♥
■正太郎くんが溜息まじりに「かわいい子ですねえ」と云った! 前作“ムー”を思わせる美少女です。 ◆マリア (声:島津冴子/37話) 南海のヘブン島の女の子。
■遭難した正太郎くんを介抱してくれました。島の地下資源を狙う一味と、鉄人は“伝説の巨人”として戦います。Vコンを見て「これなんなの」と訊いてきた島の少年に、正太郎くんが「伝説の巨人と話ができる魔法の箱さ」と説明した台詞が素敵でした♥ ◆フローレ博士(声:北浜晴子/41話) エスコと名乗りタイムスリップで歴史を変えようとした科学者。
■この回、常に背広にネクタイ・ベストをびしっと決めてる敷島博士の着くずした姿が見られました♥ フローレ博士について堅物潔癖敷島博士の「美人でそのうえ天才科学者だというんで世界中でとても評判になったことがあって…」という発言、そして肉声を覚えていたことに、子ども心にも衝撃を受けたものです(笑)。大次郎さんも人の子でした。 ◆ローラ姫(声:滝沢久美子/46話) ローラン王国のお姫様。
■ほとんど喋りませんでしたが声はマッキーでした。遺跡発掘中の鉄人とともに迷い込んだ“おとぎの国”で、石にされてしまった鉄人を救ってくれます。
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なんたって1980年のアニメ。バリバリの熱血ロボットもの!
当時にしてはめちゃくちゃ丁寧に動くアニメで、美しい画面にぐいぐい引き込まれました(^-^)
真面目に『世界征服』をたくらむ、特撮ばりのマントやら甲冑やらを着込んだ根っからの悪の組織! 肌が青い人やらコスプレルックやら、なにやら楽しい方たちがいっぱいいらっしゃいましたっけね〜(^^;;;)
それに怪獣あり幽霊ありタイムスリップに幻の世界まで、いろいろな冒険がありました。
クライマックスは宇宙を支配する宇宙魔王なる物体との決戦で、正太郎くんはシャトルで宇宙にまでとびだします!なぜ10歳の少年が命をかけて悪と闘わねばならないかはやっぱり永遠の謎です(^^;;;)
しかし、近未来の設定のためか、非現実性を受け入れない時代になったからか、車もヘリも乗り回し、銃も撃っちゃう少年探偵の設定(^^;;)は優しくフォロー。
正太郎くんはインター・ポールの特捜班員に指名され(正式隊員とは別?)、 クリッパー号なるピザ屋の宅配バイクをひとまわり大きくカッコよくしたようなホバー駆動の乗り物をもらって、ICPO公認の特別運転免許で公道を走ってます(←はじめは普通車を運転したことも、ちょっとありましたが…/汗)。
銃も麻酔銃。まあ大塚警部より射撃がうまそうなのは、ご愛敬!(^-^;)
なにより変わったのはリモコンです! あのアンテナレバーとボタン数個のシンプルなリモコンは、アタッシュケースサイズの緻密なビジョンコントローラーに(マッキーこと敷島牧子が“Vコン”と命名)。
自動で伸びるアンテナに、数々のメーター。そして鉄人の目に映る風景をモニターできるワイド・スクリーン。近距離レーダー付きで遠隔操作も楽々! しかしVコンは地面の上に置かないと操作できません(片手でささえて立ってることはありますが)。
鉄人の動作は2本のレバーで3D的に操作するので、慣れてる正太郎くんと不慣れな悪人とでは、鉄人の動きも違う、という泣かせるこだわりも光る!
正太郎くんは叫びまくってるので音声命令機能もあるのでしょうか。スピーカーからは、鉄人の耳が拾う音がきこえる!?
そして鉄人の動力は、無限の太陽エネルギー!
メカデザインも美しくリアルに。原作のあのシンプルな鉄人もイケテますが、とにかく美しいフォルム。それがまたよく動くもんで豪快なんですよねえ。重量感・迫力も満点で、それでいて原作のあのどこか愛らしい雰囲気は継承しているのです♥
『幽霊の正体をあばけ!』『鉄人売ります!』といった犯人逮捕で終わる話が特に大好きです。勧善懲悪の物語にしては、こういった回のように人死にをださない配慮をした脚本もありました。追いつめられて悪事に走った悪者も多く、様々な心理に考えさせられもしましたが、やはり爆発炎上!めでたしめでたし、という話が多かったのも事実です。悲しそうな正太郎くんを見るのはつらいし、ああ〜、ともどかしく思った想いが私の同人のエネルギーになったのだと思います。
でも、人の優しさや愚かさ、弱さ、命の重さ、自然、文明……、バリバリの特撮ばりの物語の中に織りまぜられた、そういう心のこもったメッセージがあったから、太鉄は20年余たってなお心に残っているのでしょう。LDにDVD、CDも復刻しました。うんうん好きだった〜ってあなた! ぜひ、また見返してみてくださいね〜♥さいごに。
今川監督版鉄人28号の放映開始と重なるような、横山光輝先生の訃報でした。いまや戦前となりつつある現代にあえて「戦争の遺物としての鉄人」に焦点をあてた今川版を見て、先生がどんなコメントをされるか、聴いてみたかったです。
鉄人をはじめとしてたくさんの物語を世に生み出してくださって、ほんとうにありがとうございました。
謹んでご冥福をお祈り致します。
■あのひとのひ・と・こ・と■