サワマサ |
+2点 |
船戸は最も好きな作家の一人である。
本作の直木賞受賞は複雑な気持ちを持った。
私がずれているのか。
この作品は、船戸の作品のなかで特に面白くなかっと思うから。
この作家はストーリーを最初に組み立てて書いていくのじゃないと思う。
書かれながら、作品は自らの意志を持ち、進んでいく。あくまで私がそう思うだけなのだが。
それが時に『蝦夷地別件』のようなアクロバティックな展開をとげ、傑作となるような気がする。
しかし、時には今回のような中途半端の結末を迎えて終わらざるを得なくなる。
どうしても、読後に消化不良になったような気持ちが抜けない。
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